【岐阜県美濃市-湯之洞谷水路橋】
愛知県や長野県の水路橋はコンクリートでしたが、岐阜県の物は煉瓦で造られていました。
長良川水力発電所に送水するための橋で、明治43年竣工されました。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 
 こんなのがあるなんて
 全然知らなかった。
 “もの”は大きくないけど、
 山の中に架かる
 レンガの水路橋。
 これは見に行かないワケはありません。

 とは言え、どこにあるんだろう。
 ネット上で見た情報から、
 だいたい見当をつけて現地に来ました。

 さっそく道、間違えました。

 こんなトコじゃないだろう?って道が正解。
 「湯の洞温泉」に行く道があって
 その途中に水路橋がありました。
 そう。これよこれ。
 
 一般の道路を跨いでるので、
 こんな風に煉瓦のアーチを
 真下から見る事も出来ます。
 まるで煉瓦の隧道みたい。
 左下に付いてる小さな緑色のプレートには、
 「登録有形文化財 第21-0041号
 この建造物は貴重な国民的財産です 文化庁」
 って書いてあります。
 なるほど。やっぱり文化財だったんだ。
 
 反対側にはこんなペイントも。
 何かと思って見たら…
 温泉マーク?
 「内湯旅館 湯本館 すぐそこ←」
 すぐそこなんだ〜… って
 文化財に、こんなのが描いてあっていいの?
 それとも、これ込みで文化財なのかしら?
 これもけっこう古そうだし、
 雰囲気があってイイかも。
 
 さて、橋脚の方も見てみましょう。
 橋脚にもアーチです。
 アーチの下にまたアーチ。
 あ。向こうにもアーチが。
 
 次は横からも見てみましょう。
 ここから見ると、
 沢山のアーチで出来てるのが
 よくわかります。
 こんな風に木々に囲まれてると
 まるで廃虚みたいで、
 雰囲気抜群だね♪
 それにここは、小さな谷になってるので、
 下を流れる川までは、
 けっこうな高さがあります。
 
 いまいる所からだと
 こんな感じで見下ろすことに…
 橋脚の足元にも石垣があって
 なかなか芸が細かいです。
 よく見ると、アーチの下に
 なにかの残骸が落ちてる。
 あれは何?
 長い棒と、沢山の短い棒が・・・
 はしごかな?
 どうやら、はしごの残骸みたいです。
 
 さて、河原に下りて
 下から見上げてみたかったけど
 無理そうなんで、
 違う所を見てみましょう。

 道路の横の斜面を上がると
 もうひとつ、こんなアーチが
 埋もれていた。
 暗くて中がよくわからないですが、
 なんか、ゴミが捨ててあった。

 そして、斜面に付いた道を
 上がって行くと・・・
 
 水路橋の上に出ます。
 ここが水の出て来る所。
 なみなみと水が流れて来ます。
 むろんここも煉瓦です。

 う〜〜ん、水没隧道みたいな雰囲気。
 明治時代の建築物にしては、
 飾り気の無い
 実用本位なデザインです。
 
 こっちが発電所側、
 つまり水が流れゆく方向です。
 ここの発電所はダムを使わずに
 水を取り込んでます。
 それでもこんなに水が豊富なのは、
 さすが長良川って事なのかな?
 手すりが付いていて、
 水路橋の上を歩け・・・
 いや、それはやめた方がいいかな?
 私も歩いていませんし。

 ・・・対岸まで行けそうですが・・・
 
 1枚目とは反対側から。

 アーチの部分には
 車がぶつからないように、
 トラ縞模様が描いてあります。
 こんなの無い方がいいと思うけど、
 逆に、生活の中に活きた文化財って感じで
 こんなのもアリですね。

[2007年10月現在]

明治43年2月、長良川に名古屋電灯により建設されたのが「長良川水力発電所」です。
長良川から直接水を取り込み、4kmあまりの送水路で水を送っています。
途中に、下須原谷水路橋・湯之洞谷水路橋・日谷水路橋があり、
3ケ所とも登録有形文化財として登録されています。

写真は長良川水力発電所。昭和56年に、発電機の老巧化の為、改修され発電機棟が建て替えられました。
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