【国道257号線旧道-漆瀬橋】
愛知県豊田市の旧・稲武町の中心地から、北へ名倉川沿いに進むと、途中、細い酷道区間を通ります。
それを過ぎた先に、大正時代のアーチ橋、漆瀬橋はあります。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 

 国道の橋と仲良く並んでる
 旧道の古い橋です。
 文化財に指定されてもいいぐらい?
 の、たいした物件です。

 これから先のレポートは
 地図を見た方がわかりやすいよ →■周辺図■


 ■漆瀬橋-側面図■
 
クリックすると原寸サイズの物が
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 まずは旧道側から見てみましょう。
 コンクリートが黒っぽくなって、
 長い時間が経過したのが実感できます。
 1918年、大正7年建設の橋です。

 ちなみに、左側から右上に延びてる道が
 現・国道257号線です。
 ちょっとわかりづらいかな?

 

 さらに橋に接近。
 車1台で目一杯みたいです。
 親柱は見当たりません。
 旧道の上から写真を撮ってるけど、
 ここから橋までけっこうな坂になってる。
 旧道を改修した時に路面が高くなったようです。
 まだ古いガードレールが残ってるし、
 一時停止の標識も路肩から離れた所に
 ぽつんと立ってます。
 現・国道はこの写真の方がよくわかるね。
 橋を渡った先にある道が国道257号線です。

 

 今度は1枚目とは反対側から。
 向こうに現・漆瀬橋が見えます。
 なんて事ないガーター橋です。
 こうやって新旧並べてみると、
 古い橋の味わい深さが感じられますね。
 しかし、あの現・漆瀬橋も、
 間もなく旧道落ちしてしまう運命です。
 それはまた後で…

 
 古いとは言え、頑丈に出来てるので
 車の通行も大丈夫です。
 高欄は機能性重視なのか、
 いささか飾り気が無いけど、
 上に飛び出た部分があったりして、
 木造の欄干みたいになってる。
 こういうこだわりって、ちょっとよくない?
 雑草が花を咲かせていて
 のんびりムードも満点です。
 
 河原に下りてみました。
 ここは簡単に行けます。
 釣りや川遊びに最適?
 なかなかにきれいな水です。
 橋の隣には、電線らしきコードが通ってます。
 ワイヤで吊ってるけど、
 何で橋に直接くっつけないんだろう?
 
 橋台部分を間近で撮影してみた。
 橋桁を支えてる所を橋台って言うけど、
 アーチを支えてる大きなブロックも、
 やはり橋台って言うの?
 アーチ基底部とか言うのかしら?
 どんな名前なんだろう。
 誰か教えてくれません?
 
 対岸の橋台は自然石の上に乗っていて、
 岩の間に上手くはまってます。
 
 橋の下から裏側を写すなんて、
 ありそうで、あまりない経験だよね。
 いや…別に普通にあるか。
 裏から見ると、ちょっとガタが来てるのが
 バレちゃいます。
 でも、まだまだ現役で頑張れそうです。
 さて、旧道は橋より右側に行く道ですが、
 左側にも道が延びて行きます。
 2車線の広い道ですが、
 この道のおかげで、橋との間に
 坂が出来てしまいました。
 
 橋を渡らずに旧道を進んで来ると、
 道は新しい舗装になって来ました。
 実はこれ、新たに建設・改修された
 国道257号線のバイパスです。
 国道の酷道区間を解消するため、
 名倉川の対岸にトンネルを掘って
 快適な道を造ってます。
 面白い事にここが国道になると、
 橋と現道の間の旧道が現役復帰します。
 それって珍しくない?
 

 そしてこれが新しい「川手トンネル」
 銘版に2005年2月とあるので、
 すでにトンネル自体は完成してるようです。
 全長407m、幅7.5m、高さ4.7mの
 竹割型と呼ばれるタイプの坑門です。
 左側の細い道は、以前からあった道ですが、
 これも「旧道」になるのかしらね?

 でもあの旧道橋は、現役復帰は無理かも?
 って言うか絶対無理。だね。
 [2005年7月現在]


ちゃくちゃくと新道が出来つつありますが、旧道橋・漆瀬橋は今日もあの場所で
のんびりした時を過ごしています。
大正時代のコンクリート建築物で、21世紀まで残った事は感動ものです。
煉瓦と違い、コンクリートの方が劣化が早いので、22世紀までは残れないでしょうけど。

2018年5月に見に行ったら、通行止めになっていました。→2018年現状
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