【中央本線-古虎渓旧線跡…1・2号トンネル】
愛知県と岐阜県の県境を通る、中央本線の高蔵寺駅から多治見駅の間には、
中央本線開通時の旧線跡が、13ものトンネルと共に薮に埋もれています。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 
 中央本線が電化された時に、
 14ものトンネルが連なる区間は旧線となり、
 一部のトンネルを除き、捨てられてしまいました。
 今回のターゲットは、
 名古屋駅を出発してから最初のトンネル
 「1号トンネル」と「2号トンネル」です。

 関連する周辺図はこちら→■周辺図■

 春日井市の高蔵寺から県道205号線の
 細い1車線の道を、多治見市方面に来ると、
 東海自然歩道の入口があります。
 そこが今回の煉瓦トンネルへのアプローチ。
 車止めの所の看板をくぐるとすぐに、
 煉瓦で造られた橋台があります。
 上には鉄橋があるけど、
 なんか鉄道の橋らしくないですよ?
 柵が付いてるし。
 そんな事より、あんなに高い所まで
 どうやって行こう?
1号トンネル

 でも大丈夫。
 秘密の通路を見付けて、簡単に上がって来ました。
 これが「1号トンネル」の多治見側の坑口。
 なんとも立派な煉瓦製トンネル。
 今にも蒸気機関車が走って来そう。
 線路が無いけど…
 無いどころかアスファルトが敷いてある。
 道路として再利用されてる?
 実はここはJR東海の社有地でして、
 管理用の車両が通る道らしいです。
 だからこんな所にいてはダメなんですけどね。
 立入り禁止の看板もあったし。
 
 まあ、こっそりと見て行きましょう。
 ちょっと煤けてるけど、
 きれいに煉瓦が残ってます。
 この「1号トンネル」は、
 カーブしてるため、先が見えません。
 でも、何とかライトなしでも歩けます。
 
 反対側の坑口まで来ました。
 こちらは高蔵寺側になります。
 もうちょっと分り易く言うと、
 名古屋駅の方向ですね。
 上を見上げてみると、
 煉瓦だけじゃなくて、石材も使ってあります。
 
 柱のようなピラスターの石に
 なにやら文字が…
 「坑門高H-7m」
 写真の“坑”の字が変。
 左側のへんが“土”じゃなくて“立”です。
 これは誤字?
 7mってのは、トンネルでいちばん上にある
 笠石までの距離だろうか?
 っていうか、これっていつ誰が書いたの?
 謎が深まるばかりです。
 いや、謎ってわけじゃないだろうけど。
 
 トンネルから出て、
 少し離れてみました。
 路盤脇には、鉄道には有り得ない物が…
 ガードレールがあります。
 もはや道路ですね。
 
 トンネルの前で振り返って
 高蔵寺方面を見ています。
 もう本当に単なる山道ですね。
 “管理用の車両が通る道”って書いたけど、
 そんなの必要なのかなって思って
 よく考えてみたら、
 「2号トンネル」の先には定光寺駅があって、
 そこは崖の上に造られた駅なので、
 駅前の道からは車が入れないんだ。
 だからこの道から車を入れるんだ。
 あ〜そうなんだ。
2号トンネル

 さて、「1号トンネル」の多治見側の坑口まで
 戻って来ました。
 この橋は最初に見た橋です。
 鉄道の橋らしく無いはずだ。
 道路になってるし、ガードレールもあるよ。
 その橋の向こうには「2号トンネル」が…
 こちらは岩盤にぽっかり開いてます。
 ポータルはありません。
 ここから先は駅の構内も同然なので、
 これ以上の深入りは出来ません。
 でも、左右に付いてるのってカーテン?
 なぜにカーテンなんだろう。
 
 でも、ちょっとだけ入ってみよう。
 中は煉瓦で出来てます。
 取り立てて他と違う所は無いよう…
 これはなんですか?
 白い線が引いてあって、等分に区切ってある。
 煉瓦の壁を白い糸で縫っている・・・
 わけないですね。
 どうやら、煉瓦の隙間が広がってる所に
 線が書いてあるみたい。
 
 反対側の壁にも書いてあります。
 これって補修のための目印なんだろうか?
 (大)とか“マルに4”とか書いてあります。
 ちなみに、2年前来た時は無かった。
 そういえば固い岩盤に掘られたトンネルなのに、
 何でひびが入ってるんだろう?
 地震とかの影響だろうか?
 
 2号トンネルの中から、1号トンネルを見ました。
 手前の路面にレールが埋まってます。
 鉄道の跡っぽくてイイ感じ。
 こうやって古い旧トンネルを保存してるのかな?
 いやいや、そんな理由じゃないようです。
 レールの内側が溝になってるのは、
 車輪が乗っかるためでしょう。
 このトンネルって列車の避難用とかに使うのかも?

[2007年1月現在]

1・2号トンネルは、駅の施設として再利用されていました。
定光寺駅は無人駅ですが、JRの職員がたびたび訪れているようなので、
訪問の際は、あまり長居をしない方がよろしいでしょう。
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