【長野県・上松町-東洋林工の吊り橋】
長野県で国道19号線を走っていて見付けた吊り橋。
それは遠目に見ても、荒れているのがわかる、危険な吊り橋でした。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 
 長野県の南木曽から木曽福島あたりは
 沢山の古い吊り橋が架かってます。
 国道19号線を北上しつつ、
 それらの橋を探してたら、細〜い吊り橋を発見。
 でも、なんか様子が・・・おかしい?
 いやいや、おかしいどころじゃないよ。
 壊れてる?

 尋常じゃない吊り橋は→■周辺図■

 11月の紅葉シーズンに
 長野県の木曽の方にやって来ました。
 途中、発電所に関係ありそうな
 吊り橋があったけど、
 国道から下りて行く道がわからず、
 見て来れませんでした。
 で、もうひとつ見付けたのがこれ。

 あんな所に吊り橋が!
 なんか・・・その…
 怪しい雰囲気があるけど…
 とにかく行ってみよう。
 
 国道の路肩を歩いて接近します。
 私のすぐ横を車がビュンビュン通過して、
 ちょっと、いや、大変コワイです。
 ここで写真を撮るのも危険だ。
 ドライバーの人、
 スピード出し過ぎないでクダサイ。

 さて、吊り橋の近くまで来ました。
 橋の手前にある、この小屋は何?
 
 まず、謎の小屋の方を見てみよう。
 中を見たらがらんどう。
 なにもありません。
 倉庫かな?って思ったけど、
 これは待ち合い室かな? バスの。

 あ。今おもしろい事思い付いた(≧▽≦)
 橋を渡った対岸に、何かの工場があるけど、
 そこの社員がここまで自転車で来て、
 ここに自転車を置いて、
 吊り橋を渡って工場に出勤した。
 自転車置き場、っていうか駐輪場?
 あんがい正解かも?
 
 では、今回のメイン・吊り橋です。
 渡れるかな?
 どうかな?
 まあ、どうせ封鎖されてるよね。

 ―って、開いてるし。
 扉があるけど、開いてます。
 じゃなくて、片方取れてる。
 雰囲気が怪しすぎ。
 
 主塔は金属製の簡単な物です。
 大正時代の吊り橋より、
 ずいぶん安っぽい作りですね。
 錆びてるけど、まだ大丈夫そう。
 メインケーブルもがっちりしてます。

 では、渡ってみましょう。
 
 ありえないって、これ。
 ゆがんでる。
 波打ってる。
 手すりが・・・壊れてる!
 特に真ん中あたりがやばいです!
 と…取り敢えず足をのっけてみよう。
 片足を乗せると、大変な事がわかりました。
 床板が左右に、ゆら〜りゆら〜り・・・
 なんと! 橋桁が地面にくっついてナイ!
 橋桁が宙に浮いてる状態になってます。
 少し歩いてみたけど、無理。
 この橋は壊れてます。
 
 渡るのは断念するしかないですね。
 ちょっと恐わすぎ。
 もとよりこの橋は通行止めですからね。
 吊り橋を横から見ると、
 さらに恐ろしい事実が判明。
 所々ハンガーケーブルが切れて
 垂れ下がってます…!
 これは雪の影響でしょうか?
 橋桁に積もった雪の重さで、
 次々とケーブルが切れていくのかも?

[2007年11月現在]

国道19号線の対岸には「東洋林工株式会社」と言う、木材商の工場があり、
この吊り橋は、そこの社員がバス停に行き来するために造った物だそうです。私道という事になりますね。
現在バス停は吊り橋より北側にあるみたいですが、元々は橋の側にあったのでしょうか?
今はこんなに荒れて危険な状態ですが、10年前までは、普通に人が渡れたそうです。

残念ながら2008年4月16日に、東洋林工が火事により全焼してしまい、
建物を撤去する際にこの吊り橋もいっしょに撤去されたそうです。
後日確認したところ、国道側の土台を残して、きれいさっぱり無くなっていました。
道ネタ「橋梁」TOPへ…