【名鉄知多新線-未成駅】
知多半島の先端、海水浴場が沢山ある地域の山の中、バブルの夢破れた駅があります。
住宅地が出来て乗客が見込めるはずだった… 見込み違いのおかげで、無惨な姿をさらす未成の駅。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 

 ここも「内海トンネル」探索の折り
 はからずも見付けた名鉄の未成駅。
 内海三部作?の最後は
 知多新線未成駅-小野浦駅です

 未成駅の周辺図はこちら→■周辺図■


 伊勢湾側の冨具崎港から、
 細い道を内陸部に進むと、薮と木々の向こうに
 駅になり損なった、小野浦駅が見えます。
 夏の暑い昼下がりに、ここだけ涼し気です。
 ―ってゆうか、寒々しい雰囲気。
 がらーんとした、灰色の空間。

 完成してたらどんな駅になってたのか?
 思いのほかこじんまりとしてます。
 そんなに沢山の乗降客を
 想定してないからでしょうか。
 

 ここに玄関が出来るはずだった所。
 案外、薮は浅いです。
 上の高架には電車が走っているのが
 何だか変な感じ。
 そういえば何で、
 こんな物が残っているのかって考えたら
 この廃虚自体が、高架の一部なので
 壊せないんだよね。
 だからいつまでもこのまま、恥さらしな姿が
 残り続けている訳ですね。
 恥とは、まさに言いて妙かもしれません。
 それは何故か?
 たまには私も調べてみました。

 
 昭和40年代になって高度経済成長に入り、
 知多市など、北側の海岸沿いは工業地帯へと
 発展する中、南側は観光地化が進み
 リゾート地やベッドタウンとして注目されました。
 そんな将来有望な土地に鉄道を通すべく、
 名鉄が路線免許を取得、昭和44年に着工
 同55年に内海まで開通しました。
 が、
 オイルショックなどで工期が延び、
 やっと開通してみても、宅地開発もままならず
 名鉄の予想大外れとなってしまいました。
 で、
 小野浦駅は、宅地開発の頓挫と共に
 完成する事もなく、廃虚と化したのでした。
 
 名鉄と言えば近頃、いたる所で
 ローカル線を廃線にしてるけど、
 それって何だかトカゲの尻尾きりみたいです。
 鉄道だけじゃなく、この近くにある
 レジャー施設「内海フォレストパーク」も
 閉鎖され、廃園になっていました。
 大丈夫なんでしょうか?この会社。
 さて、これはホームに上がる階段です。
 本来はあるはずの無い、青い柵があります。
 上がって行ってみましょう。
 ★きゃ〜遅刻しちゃう〜(>▽<)
 ★電車来てるし、ダッシュ〜≡(>▽<)∩
 駅が出来てれば、こんな光景が見られたかも?
 
 コンクリートの柱が並んでいます。
 完成していれば、この上には屋根があって
 正面の壁には、
 広告なんかが貼られた事でしょう。

 それにしても、こんな状態からじゃ
 どんな駅舎になるのか、
 イマイチ想像できませんね。
 想像力不足?
 
 ホームに上がって北側を見た所です。
 えっ?ホーム短くない?
 それに線路が向こう側に片寄ってるし、
 何か変。
 もしかして将来、複線化を目論んでた?
 それ程この知多新線は、儲かる路線だと
 考えてたのでしょうか?
 でもそれって、捕らぬタヌキの皮算用なんじゃ…
 この空いたスペースが埋まる時は
 来るのでしょうか。
 
 こちらは終点、内海駅方面です。
 それにしても、駅の周りは何もありません。
 見渡す限り緑一色です。
 山と畑と線路だけ。
 人家いっさい無し。
 宅地開発ってなに?って言うくらいの
 無人っぷりです。
 こんなぐあいなので、駅が出来なくても
 地元の人達も別に、困らないのでしょう。
 めでたしめでたし

 って、めでたくないよ(´Д`)
 [2004年8月現在]

国道から脇にそれて、少し山に入るともう人の気配はありません。
夜はさぞかし寂しい場所なんでしょう。おかげで心霊スポット扱いされてます。
今回ラピスに詳しい事書かれたので、作者コメントはここまで。
【注意】名鉄知多新線は現在も電車が走っています。線路上は危険なので絶対入らないで下さい。
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