【愛知県・県道355号線旧道-鎮平橋】
豊田市の中心地から北東方向には、勘八峡なる景勝地があります。
今は大半がダム湖に沈んでしまい、そのダム湖が三水湖と呼ばれるようになりました。
今回の橋は、三水の由来ともなった、力石川に架かる県道の旧道橋です。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 
 地図で見ると、
 いかにも旧道っぽい橋がちょろっと…
 そんなに期待は出来ないけど、
 取り敢えず見て来ましょう。

 レポートがよくわかる→■周辺図■

 場所のこまかい説明ははぶいて、
 国道の旧道から
 例の橋に来ました。
 あれですねぇ。
 ミドリ色の・・・
 あれはトラス?
 コンクリートじゃないのかな?
 
 トラスですねぇ。
 ポニートラスってヤツです。
 古い橋なので補強されてる?
 って思ったけど、
 トラス部分がコンクリに食い込んでいて、
 元からこうだったみたいです。
 ちなみに、向こうに見えてるのは
 喫茶軽食の「三水湖」と言う店です。
 

 まあ、確かにこんな薄い橋桁じゃあ
 トラスで支えなきゃ
 折れちゃいますね。
 今はきれいな緑色だけど、
 元はどんな色だったのだろう?
 やっぱり銀色なんだろうか?
 トラスは「下路平行弦ワーレントラス」
 って種類のものです。

 
 トラスが低いので、景色がよく見える。
 目の前の湖が「三水湖」です。
 その向こうの赤いアーチ橋が
 東海環状自動車道の「勘八橋」
 バランスドアーチと言う橋だそうな。
 左側の湖岸には、
 コンクリート製の土台があります。
 何か、建物があったのかも?
 
 ちょっと面白いだけの橋かな〜…
 って思ってたらこんな物が。
 おや? 親柱ですよ。
 埋ってます。
 これは橋の名前?
 「鎮」・・・
 なに???
 でも、デザインはアールデコ風味だ。
 

 こっちは・・・
  埋まってる。
 昭和四年十二月…かな?
 思ったより古い橋です。
 この銘板はホーロー製みたいです。

 
 「ちんぺいはし」
 ああそうか。
 さっきの文字は「ちんぺい」って
 書いてあったんだ。
 写真じゃ見辛いけど、
 ひらがなで「ちんぺい」とあります。
 川の名前でも地名でもありません。
 人名・・・かな?
 
 橋を渡った先にも旧道が続いてます。
 喫茶店の塀沿いの道がそうですね。
 旧道と現道の間になぜか
 公園にあるような遊具があった。
 それに祠と大きな石碑が立ってました。
 そこには「清水鎮平翁頌徳碑」の文字が…
 “鎮平”ってやっぱり人名だったんだ。
 きっと地域に貢献した偉い人なのでしょう。

[2009年2月現在]

旧道の橋「鎮平橋」は、現在では歩行者用の橋となっているようです。
アスファルトが敷かれるなど、補修された為に、親柱が埋もれてしまいました。
そして「清水鎮平」とは何者か?
清水鎮平は慶応3年(1867)に市内石野町に生まれ、村長を4回も勤め、
明治39年の町村大合併にあたり、4つの村を一つにまとめ、石野村を誕生させました。
また明治41年には矢作川と力石川の合流点に橋(現・鎮平橋)を架けました。
昭和4年に越戸ダムが出来ているので、その際に架け替えられたのかもしれません。
トラスの部分が明治のオリジナルの様な気がしますが、詳細は不明です。(調べていない)
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