【岐阜県・関市-すぎのこの吊り橋】
岐阜県関市を流れる板取川に架かる、紅き吊橋です。結構年季が入っています。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 
 キャンプ場吊り橋です。
 遊歩道の一部として架けられた橋なので
 キャンプシーズン以外でも
 普通に渡れます。
 まだ雪が残る2月のレポートです。

 場所は「すぎのこキャンプ場」。
 関市の板取川沿いにあります。
 ちょっと調べてみたら、
 ここでは1年中キャンプが出来るそうな。
 でも、さすがに寒い2月には
 誰もいませんでしたよ。
 そしてこんな看板があった。
 画面真ん中の“つりばし”が今回の橋。
 なんか古そうな看板だ。
 40〜50年ぐらい経ってる感じです。
 
 吊り橋は看板のすぐ横にあります。
 なんと、コンクリ主塔ですよ。
 これは古そうだ。
 ここにもあった、人数制限看板。
 荷重の関係で、
 一度に5人以上はダメだそうです。
 

 橋は、駐車場より少し低い所にあるので
 階段で下ります。
 アンカレージはペタンと置かれたような
 薄いコンクリートのブロックです。
 むろん本体の大部分は、
 地面の下に埋まってます。
 主塔と岸の間は、ケーブルに吊られない
 I(アイ)ビーム橋桁になってます。

 

 古そうと言っても、
 橋桁は金属製の頑丈そうな物です。
 10人くらい渡れそうに見えるけど、
 4人にしておいた方が無難でしょう。
 無難だけど…
 ぜったい誰も守ってないよね?
 平気で5〜6人が渡ってそう。

 
 橋の上から見た板取川の様子です。
 景気良く流れてます。
 川遊びや渓流釣りによさげな感じ。
 河原にはゴツイ岩があって
 走り回るとこけそうだ。
 キャンプ場はこの川を
 少し下った所にあります。
 川の左岸に道があって、
 そこからキャンプ場に行けます。
 
 主塔はシンプルな形です。
 実用上は問題が無いのでしょうが、
 いささか愛想が無いです。
 造られた当時は、
 これが最先端のデザインだった?
 
 対岸の主塔の向こう側も、
 吊られない I ビーム橋桁です。
 その先は石の壁です。
 壁の上には水路があるようです。
 どうやらこれ、下流にある発電所に
 水を送ってる水路みたいです。
 
 さて、橋の外観も見てみよう。
 橋を渡ってる時は気付かなかったけど、
 細長い主塔ですよ。
 これで重い金属製の橋桁を支えられるの?
 これじゃ4人でも多いような気がしてきた。
 まあ…5人乗ったからって、
 いきなり“ボキッ”って
 折れたりしないでしょうが…
 
 では、下からも見てみよう。
 河原に下りて来ました。
 う〜〜ん、高い。
 高くて細い。
 川幅は広い川だけど、
 国道側の平地部分との間に
 大きめの高低差があるからですね。
 
 遠景。
 この河原も、今日は誰も居ないですが、
 夏には沢山の人で賑わう事でしょう。
 さっき橋の上から見てた時に
 ちょっと気になるモノがあったので
 ここまで来ました。
 なんか岩に変な模様があるのですよ。
 
 ああ、ちょうどこんな感じだね。
 黒っぽい岩の中に、
 灰色の岩が入り込んでます。
 岩脈とか言うもんですか?
 誰かが色でも塗ったかのようだ。
 この辺りの地質について調べたら
 ジュラ紀に海溝で複雑に変形した
 メランジュと言うものだそうな。
 ジュラ紀と言えば恐竜が居た時代ですね。
 
 橋の手前は村営の駐車場ですが、
 面白い物がありました。
 「荷物運搬用リフト」
 いわゆる索道ですね。
 これは、ここからキャンプサイトまで
 荷物を運ぶためのものです。
 なので人間は乗れません。
 緊急時なら乗れるかも?
 
 ここから対岸までは、
 どのくらいの距離があるんだろう?
 看板の横の河川占用許可標識には、
 「L=800m」ってあるので、
 800mだろうか?
 そんなに距離があるように見えないね。
 せいぜい300mぐらいじゃない?
 …往復か?
 
 対岸に渡った時に、
 撮影場所を探して水路の横を歩きました。
 そうしたらこんな物が・・・
 水路橋です。
 しかも谷の流れに合わせて
 ななめになってます。
 煉瓦で出来てたら「ねじりマンポ」に
 なってた事でしょう。
[2011年2月現在]

古い空中写真を見ると、昭和50年から架かっていた橋です。
2012年現在で37年前ですが、少なくとも40年ぐらいの歴史はありそうです。
吊り橋を渡った先にある水路は、下流側にある白谷発電所に水を送る為のものです。
白谷発電所は大正14年に運用開始されました。
上の写真の水路橋が当時のオリジナルなら、立派な近代土木遺産のひとつです。
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