【国道41号線旧道-美濃白川廃道】
岐阜県の白川町には、廃道化した国道の旧道があります。
現道には道の駅も出来て、賑わっていますが、旧道はその道筋すら確認出来なくなっています。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 
 国道41号線を通る時は
 いつも利用してる「道の駅 美濃白川」。
 その目の前に旧道があるのは
 知ってましたが、
 まさかあんな状態だったとは…

 まずは地図を見てね→■周辺図■

 道の駅から北へ向うこと
 約800mほどで、旧道の入り口に着きます。
 ちょっとわかりづらいけど、
 よく見ると付け替えられる前の道筋が
 残ってたりします。
 写真は旧道に入ってから写したもの。
 右下に国道41号線が見えます。
 
 S字にカーブした旧道らしい景色。
 だいたい想像通りです。
 山の中を、細い寂れた道が通ってるんだろうな
 って考えてたけど、まさにその通り。
 …でも、現道からこの旧道が見えないんです。
 たとえ廃道化しても、痕跡は残るものです。
 …通じてる?
 この様子なら大丈夫でしょう。
 たぶん。
 
 明るく開けた場所に出ました。
 旧道は徐々に高度を上げて行きます。
 今回はこんな感じで、
 抜けれそうですね。
 
 開けてる場所だと思ったら
 茶畑がありました。
 岐阜県の白川と言えば、白川茶。
 白川はお茶で有名な所です。
 この辺りには沢山の茶畑が点在してます。
 ヤブキタとか言う銘柄を栽培してるそうです。
 それで、アスファルトはここでお終い。
 ここから先はダートになってるけど、
 大丈夫なの?
 でもまあ…行けるとこまで行きましょう。
 って、思ったとたん
 どんどん道は荒れてきて・・・
 

 通行止
 チェーンでシャットアウト!
 一面の落ち葉で、
 すっかり廃道化してます。
 ・・・
 これはこれでグーなネタ♪
 よ〜し、旧道ツーリングから
 廃道探索に変更だ!

 
 ここからは歩きで行きます。
 でも、その前に周りの様子を見てみましょう。
 こんな所に石仏が鎮座してます。
 安永五年と彫ってあります。
 これは何の仏様?
 立て膝ついて、なんか寝てる。
 背中から花が出てるし
 これって如意輪観音みたいです。
 江戸時代からずっとここに座っているね。
 この道が旧街道であるのは間違い無いみたい。
 さて、廃道探索にまいりましょう。
 

 この景色は、林道でも登山道でもない、
 廃道特有の景色ですね。
 こりゃまた違う意味で期待がもてます。

 
 枝がボッキリ折れて垂れ下がってます。
 触ると落ちてきそう( ̄□ ̄)
 触らないように真ん中を通ります。
 …でも、ちょっと触ってみたいかも…
 いやいや、それは無理。

 ますます薮がひどくなって来ます。
 それに崖側がフェンスになってます。
 なんか、国道の旧道らしからぬ風景。
 
 倒木が雪崩れ落ちて来て、
 けっこう大変な事になってる。
 崖崩れも多数発生中。
 
 フェンスが潰されてます。
 そんなに大きなちからが掛かったの?
 一気に山の上から落ちて来たのだろうか。
 でも、そんな現場に居合わせなくてよかった。
 ちょっとだけ、頭上に注意をしながら
 先に進みます。
 
 もうすでに薮漕ぎ状態。
 がさがさと歩きます。
 写真を撮ってると、足元から何かが…
 するすると…
 蛇だ。
 あっと思ったけど、マムシでは無いようです。
 
 この辺りはチャートで出来た山で、
 あちこちに露頭があって、
 地層が大きく曲がっている褶曲が見られます。
 かな〜り風化してるので、
 そうとう昔からこの道がある証拠ですね。
 あ。それに、ここにはガードレールがある。
 これでなんとか旧道らしく見えるね。
 
 しかしまたすぐにフェンスに逆戻り。
 でも、ここに来て現道が見える所があった。
 しかも道の駅「ピュアチューレ美濃白川」が
 眼下に見えます。
 おお〜、これはすごい。
 さっきまであそこに居たのに、
 今はこんな所で眺めてるのって、
 何か変な感じです。
 手前にある大きな橋が国道41号線。
 その向こうの鉄橋がJR高山本線。
 下を流れてるのは飛騨川です。
 
 陽当たりのいい場所に出て来ました。
 ここらでアスファルトが復活しました。
 あとどれくらい廃道が続くのだろう?
 
 でも、間もなく廃道終了。
 再びチェーンで封鎖されてます。
 ここからは再び旧道になります。
 道の状態もよくなる事でしょう。
 
 ここには石碑がありました。
 「琴平神社」だ。
 琴平は金比羅の事でしょう?
 少し離れた所にも「金毘羅神社」があります。
 金毘羅と言えば船に関係する神様ですが、
 やはりここも海運関係で建立された物なの?
 でもこんな「○○神社」って石碑は
 何のためにあるのだろう?
 神社の跡地なんだろうか。
 
 さて、ここから旧道だけど…
 って、ぼろぼろじゃん。
 まあ、さっきに比べたらましか…
 そう言えば古い地形図には、
 幾つものヘアピンカーブがあったけど、
 今までには無かった。
 この先にあるのかも。

 写真の奥には林道が枝分かれしてます。
 
 林道とかあるので、車が通 るのか、
 轍の場所には草が生えてません。
 で、真っ赤な実がすごい目立ってる。
 「マムシ草」または「マムシグサ」です。
 別名「カントウマムシグサ(関東蝮草)」
 とも言うそうです。
 廃道巡りをしているとたまに見掛けます。
 でも、ちょっと気色悪い。
 赤いし…
 
 やっと人の生活の臭いがして来ました。
 いつの間にか山をぐるりと廻って
 反対側に出たみたいです。
 どうも林道の分かれ道あたりで、
 山の低くなってる所を越えていたようです。
 地図で確認してみたら、まさにその通り。
 これって峠なの?
 って調べてみたら、「七曲峠」と言う峠があって、
 国道に架かる「七曲橋」の名前にもなってます。
 どうやらここがその「七曲峠」みたいです。
 いえ、左の写真じゃなくて、
 2枚上の写真の林道の場所がです。
 
 視界が開けて、遠くまで見渡せます。
 これはいい景色ね♪
 ここにも茶畑があります。
 それに現道とは、かなりの高低差がある。
 先程の地形図にあったヘアピンカーブは
 ここにありました。
 幾つものカーブで、一気に坂を
 下って行くのです。
 昔の旅人も、こんな景色を見た事でしょう。

[2005年11月現在]

地図上に見付けてから気になって居た旧道。
バイクで簡単に抜けられるだろうと、軽い気持ちで通ったら
半分ぐらいの行程が廃道化していて、いい意味で裏切られました。
探索した日は11月でしたが、もう少し早く来ていたら、薮とか虫が大変でしたでしょう。
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