【岐阜県白川町-白川橋】
岐阜県を南北に通る、JR高山本線の白川口駅の近くには、鋼鉄製の立派な吊り橋があります。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 
 けっこう前からこの橋を知ってました。
 知ってたと言うより
 通るたびにチラリと見てました。
 いつか見に行ってみようと思ってたら
 10年以上過ぎてしまった・・・
 と、いう訳で
 サイトのレポートを作るために
 ようやく見に行ってきました。
 鋼鉄製の素晴らしき橋はここ→■周辺図■

 まずは、白川口駅の前にある歩道橋の上から
 「白川橋」を見てみましょう。

 いい〜ですねぇ。
 この橋は国道41号線の旧道のようです。
 その向こうに見える青いランガー橋が
 現道の「飛泉橋」です。
 現道の橋はさぞや快適に通れるかと思いきや、
 橋の前後が急カーブになっていて、
 ちょっと走りづらいです。
 では、白川橋へ行ってみましょう。
 
 国道の横の民家の間にある横道を入ると
 正面に白川橋が見えます。
 おお。なんとも立派な姿。
 車止めがあるので、
 今では歩行者や自転車しか通れません。
 昔はここをバスとかが通ったそうですよ。
 かつてのメインストリートなのか、
 道の両側には何かの商店の跡があります。
 あ、いや、現役の新聞店だった。
 補鋼トラスに付いてる緑色のプレートには、
 「土木学会選奨土木遺産」とあります。
 すごいですね。
 
 しかも吊り橋なのに親柱まであります。
 なにげにこった作りです。
 大正時代に造られた橋だそうだけど、
 やたらときれいです。
 どうやら平成3年の補修工事の時に
 塗り直されたみたいです。
 それにメインケーブルは
 ビニールみたいな物で包まれてます。
 ちょっと珍しいですね。
 
 そしてアンカレージはと言うと・・・
 家に突っ込んでる!
 …ように見える。
 これは何とも奇妙な景色だ。
 橋の横に建っていた家が
 建て増ししていって
 ケーブルを覆ってしまったんだろうか?
 これもこの橋が、生活に密着していた
 証拠なのかも?
 

 途中にはこんなプレートもあった。
 プレートじゃなくて銘板ですね。
 上は橋の製作当時の物で、
 【大正十五年製造 大坂 日本橋梁株式会社】
 と、あります。
 下のは修繕工事の時の物です。
 【1978年12月 岐阜県 製作 日本橋梁株式会社】
 と、あります。
 白川橋は元々床が木材でしたが、
 鋼デッキプレートとコンクリートの合成床版に
 改築されたそうです。
 と、現地の看板に書いてあった…( ̄▽ ̄)

 
 対岸の主塔まで来ました。
 なかなかに複雑なデザインです。
 

 何か丸い物があると思ったら、
 電灯らしいです。
 ガラスには放射状の溝があって
 手間が掛かってます。
 これは大正時代のオリジナルの設備なのかな?
 電灯の向う側にある板のような物は、
 はめられている扁額の裏側です。
 「橋川白」と右側から書かれてます。

 
 これが、作り直された合成床版です。
 いい感じに汚れています。
 床を左右に鉄板が横切ってる所が、
 橋脚と主塔がある位置になります。

 この橋は夜はライトアップされるので、
 そのためのライトが橋桁の横に
 沢山付いてます。
 
 100m程の橋なので、
 もう渡ってしまいました。
 こちらは白川町の市街地ですね。
 奥に神社が見えます。
 右の建物は旅館でしょうか?
 
 これはさっきもあった、
 日本橋梁株式会社の銘板です。
 
 こっちのは初めて見る。
 【請負 飛州高山 山本宗兵衛】
 飛州高山って、今で言う飛騨高山ってコト?
 
 ここのアンカレージも
 すごい事になってる( ̄▽ ̄)
 完全に押さえ込まれています。
 何かのパイプもあるし、
 将来メインケーブルを交換する時は
 どうするんだろう?
 建物の一部を壊すのだろうか?
 今から心配になってきます。
 
 上の場所の反対側は、
 まともに道路上にありました。
 っていうか、小っさ!
 100m級の吊り橋を支えるのに、
 何? この小さなコンクリートは。
 …まあ、実際は地面の下に
 大きなアンカレージがあるのでしょうが、
 ちょっとビックリするよね?
 
 白川口駅方面を見ています。
 左側の看板は、白川橋が2006年に
 「土木学会選奨土木遺産」に選ばれた時に
 立てられた物のようです。
 白川橋について、詳しい解説が書いてあります。
 
 白川橋を少し離れた場所からも見てみようと、
 川沿いに歩いて来ました。
 そしたら、何やら廃な臭いのする建物が…
 これは何だろう?
 アパート? 社宅?
 もしかしたら旅館なのかも。
 木造2階建てのけっこう古い建物です。
 空家のようですが、
 これはもう“廃墟”ですね。・・・たぶん 。
 
■この建物は旧・白川病院跡だそうです。
 
 先程の“廃墟”を過ぎて
 河原まで下りて来ました。
 が、残念ながら橋には接近できず。
 しょうがないので、遠景を撮影。
 立ち並ぶ民家は、国道沿いに建ってる
 ごく普通の建物だけど、
 裏側はすごい事になってる。
 それぞれの建物からは、
 階段で河原に行けるようになってます。

[2007年5月現在]


「白川橋」は1926年、大正15年に建設された、3径間のトラス補鋼吊り橋です。
それぞれの支間の長さは、中央の一番長い橋桁が74.6m、両端の部分が20.5m×2です。
支間の合計が115.6mで、橋脚部分の幅を加えた全長は115.8mになり、幅員は3.6mです。
床板は木造でしたが、1978年の修繕工事の時にクランプシート コンクリート舗装に改造されました。
主塔は鋼トラス構造で、欧米風のデザインを取り入れたそうです。
昔は荷馬車やバス・トラックが通っていましたが、
1960年、昭和35年に下流側に「飛泉橋」が造られ、国道41号線がそちらを通る事になると、
「白川橋」は歩行者や自転車・バイク専用の橋になりました。
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