【愛知県・東栄町-瀬戸の渕の吊り橋】
愛知県の奥三河・東栄町振草古戸、鴨山川に架かる送電線保守用の吊り橋。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 
 地図にも載ってない、
 地形図には砂防ダムみたいに描かれてる。
 空中写真で初めて橋だと分かる・・・
 これはちょっと面白そうだ。
 ちなみに「古戸」と書いて
 「ふっと」と読むのです。

 場所は県道80号線沿いを流れる「鴨山川」
 地図には「古戸無双礼」と言う地名が…
 無双って、ゲームのタイトルみたいだ。
 さて、川は県道の隣を流れてるので
 簡単に行けると思いきや、
 だんだん道が上がって行って
 川との間に大きな高低差が出来てきた。
 ここら辺から川に下りるのですが、
 20mぐらい下りる為の道が
 あるように見えません。
 
 県道脇に駐車スペースがあり
 その横、って言うか下にあるんですが
 覗いて見ると凄い斜面!
 こんなん無理。
 横の方からなら行けそうな感じなので、
 ガードレールの向こうを見たら…
 木の札が立ってた。
 「瀬戸の渕 ここを降りる」
 おお、まさしくココだ。
 
 案内看板まであるんだし、
 きっと階段がって楽に降りられる…
 って、急坂だし!石だらけだ!
 ま…まあ、歩いて行けるだけましですか。
 では、ころげ落ちないように
 慎重に降りて行きましょう。
 

 途中から少し歩きやすくなった。
 岩は無くなったが滑りやすくなった。
 とは言え、鉄パイプの手すりがあるので
 ちょっと安心。
 看板で案内している手前、
 最低限の安全は確保してる…ってか?

 

 ずるずる下って来ると
 ありました。吊り橋。
 木造じゃなくて、金属製です。
 なんか、複雑そうな作りをしてる。

 
 ここにも看板がありました。
 「瀬戸の淵」由来看板。
 “ふち”の字がさっきと違うのは
 ご愛嬌か?
  竜神に祈祷して雨降らせて
  ご馳走させた。
 だそうです。
 平成24年4月って、半年前だよ。
 
 

 こんな所にこんな吊り橋が…
 って思ったら
 やっぱり送電線巡視用の橋だった。
 電源開発の送電線保守用だそうな。
 「立入禁止」とも書いてあった。
 まあ、書いてあるだけで、
 柵とかで封鎖されてる訳じゃないので
 普通に渡っちゃいますが。

 あ。階段はここにあったか…

 
 道路設備じゃなくて、
 工場のプラントとか、
 機械設備の一部のような主塔です。
 サドルと言う
 メインケーブルを載せる部分が
 他と違ってネジでケーブルを押さえてる。
 
 こんな綺麗な森の中に
 こんなメカニカルな吊り橋があるのって、
 変な感じだ。
 って言うか、すごいモノ見付けたって
 ちょっとワクワクしてます。
 まさか県道の下にこんな物があろうとは!
 しかも、よく揺れます。
 
 さっきの“階段”と県道側主塔の様子。
 なだらかな斜面に見えますが、
 かなりな急斜面です。
 
 ぐわんぐわん揺れながら渡ると、
 中間あたりでこんな物がありました。
 細い鉄骨が2本1セットで左右に立ってる。
 どうやらケーブルの支柱だったみたい。
 何で外されてるのか知らないけど。
 
 業務用吊り橋ではお馴染みの
 エキスパンドメタルです。
 いくら丈夫そうでも
 この網の上には足を置きたくないですね。
 なんか曲がるような気がするし。
 
 渡った先は、本格登山道みたい。
 ここらの山はゴツイ岩があって、
 とてもワイルドです。
 
「立入禁止」看板が
 こっちにもありますね。
 橋を渡らなくては来れない所にあっても
 意味ないと思うのだけど…
 
 巡視路が山の中に延びてく途中に
 メーンケーブルが繋がってます。
 山の岩盤自体が
 橋を支えるアンカレージになってる
 みたいです。
 その岩盤の位置のおかげなのか、
 ケーブルが前後にずれてる。
 
 橋を横から見ようとしたけど、
 河原に下りれなかったので、
 主塔の横から下を覗き込んでみました。
 橋桁の構造は
 上からでも見えてたので
 特にコメントはなし。
 こいつは新発見の物件だっ!て思ったら
 すでにネット上に情報があった。
 
 吊り橋は武骨な雰囲気ながら
 中々に味のある物件でした。
 それとは別に、
 もうひとつ面白い物がありました。
 駐車スペースの一角にこんな物が…
 吊り橋?ではなくて索道です。
 ケーブルで物を運ぶリフトですね。
 横には巻き上げ機があります。
 許可票には「古戸神社総代会」とあった。
 林業じゃなくて神社関係の物?
 
 索道の主塔から見上げると、
 ケーブルが山の上に延びて行ってます。
 許可票に「搬入搬出」とあったので、
 何か物を山に上げる為かもしれません。
 地形図を見ると、
 山頂付近に神社があるので
 それ関連の施設かもです。

[2012年10月現在]

索道のケーブルの延びる先は、古戸白山と言う山で、その山頂には白山神社があります。
毎年12月の第二土曜日には、白山祭が執り行われます。
「山の神」「みさき様」「高嶺祭り」「聖様」「住吉様」「がらん様」
「社殿での舞(神寄せ、式さんば、お珠の舞、権現の舞、げぐうの舞、順の舞、花の舞)」
と言った神事が行なわれます。
見学は自由ですが、白山神社までは1時間程の登山になるとの事です。
祭の際は、村総出で荷物を神社まで上げたそうで、
例の索道は、人力にかわって荷物を上げる為に造った物なのでしょう。
瀬戸の渕の吊り橋も、白山神社参拝の為の橋としての意味合いもあるのかもしれません。
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