【岐阜県・山県市-瀬見峡モノレール廃墟】
岐阜県山県市の山中には、温泉跡に残るモノレール廃墟があります。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント

 
 こんな物があるなんて
 全然知らなかった。
 Google マップに投稿されていた写真で
 初めて知った物件です。
 珍しいモノレールの廃線跡ですよ。
 しかも車体がバッチリ残ってます。
 では、行ってみよ〜〜( ̄▽ ̄)♪

 現場は国道418号線を
  いえ今回は酷道じゃないですよ。
 418号線から神崎川沿いを北上します。
 目印は観音様。
 どこかな〜〜?と探してると
 あったあった。
 大きな観音様、美山平和観音です。
 相当立派な観音様ですが、ここではスルー。
 他にも何か神様的なものがありました。
 目的地には右端の階段を行きます。
 

 探索時は11月なので綺麗に紅葉してます。
 その向こうに見えるのが
 モノレール廃墟です。
 「瀬見峡愛の森ステーション」
 愛の森ですか…
 まあ、確かにありがたい観音様が
 いらっしゃいますが。

 
 ステーションにはこの階段を上がります。
 枯れた雑草や落ち葉が積もってますが、
 夏に来た時には、
 激薮で近付けませんでした。
 なので雑草の枯れる時期まで待って
 秋に来ました。
 では、さくっと行きましょう。
 とは言え、雨上がり直後なので
 滑りやすくなってます。
 
 ずっこけないように慎重に歩いて
 階段を上がって来ました。
 これは駅舎?
 なかなかに立派なもんです。
 瀬見峡温泉が2001年に廃業だそうで、
 それからの放置なんでしょう。
 木造なんでいつかは倒壊しそうですが…
 

 ここにも看板があります。
 「展望台モノレール入場口」
 展望台に行く為のモノレールなんですね。
 「美山らびっと号始発駅」
 らびっと?
 あ。かわいいウサギちゃんだ。
 正直微妙な感じだけど…
 英語を平仮名で書くのも微妙だ。
 「始発駅」の文字が傾いてるのって、
 モノレールの勾配を表してるの?

 
 さて、どんな“駅”なんでしょう。

 ありますねぇ。
 …階段?
 お客さんが乗り込むための
 プラットホームですね。
 

 ちょっと上がってみました。
 山の耕作地や工事現場にある
 モノラックと言う物じゃなくて、
 お客さんを運ぶ用の
 かっこよさげな車体です。
 しかも屋根付きだし。
 これが「らびっと号」なわけね。

 
 前から見るともっとカッコよい。
 新幹線みたいな流線型だ。
 色も白と青だしね。
 いや、真面目な話
 メカニックデザインとしても
 よくできてる。
 バンパーの位置が絶妙です。
 ライトの位置もバッチリです。
 個人の感想です。
 
 車輪…と言うか駆動部分のアップです。
 レールの下のギザギザに
 歯車をかまして進むのですね。
 外れちゃ困るパーツなので
 ワイヤーロックされてます。
 
 前から見ると
 あれ? もう1本レールがある。
 車体を安定させる為の物らしいけど、
 これじゃモノレールとは言えない?
 …まあいいか。
 それと、歯車を動かす為の
 チェーンとかギアがないですよ?
 2本のパイプがあるけど、
 油圧で動かしてるとか?
 

 コクピットはどんなのでしょう?
 っていうか操作盤だ。
 赤いレバーはスロットル?
 大きなメーターは油圧計だって。
 ああ、じゃあやっぱり油圧駆動なんだ。
 車体にあった文字情報は、
 「平成8年度モノレール導入促進事業」
 「機体 7H4R」
 「潮見峡愛の森管理組合」
 平成8年は1996年なので
 現役時代が5年しかなかった訳だ。

 
 もう1台連結されてるけど
 貨物用?
 じゃなくて、座席がないんだ。
 そう言えば建物の端っこに
 外したイスだけ置いてありました。
 で、この真っ平らなのが乗りやすそうなので
 ポンっと乗ってみました。
 グラっときたぁ!!!
 2本のレールで安定してると思ったのに
 グラグラだった。
 ビックリした。

 
 先頭車両は大丈夫だったのに
 こちらは不安定だった。
 ちょっと運転手さん、どうなってんの?

 …まあいいか。
 これは一番後ろの部分です。
 ここにもライトが付いてます。
 その後ろのプレートには
 「運搬台車(C10型)」とあります。
 
 展望台に行く為のモノレールなので、
 レールは山を登って行きます。
 その先も確認しましょう。
 2本に見えるモノレールが
 土の斜面に敷かれてます。
 
 そして、ぐぐーーんと急上昇。
 すごい角度で登って行きます。
 10年以上放置されてるので
 薮に飲み込まれてます。
 最初に言った通り、雨上がりなので
 ただでさえ滑りやすい斜面が
 ずるずるになってます。
 さらに、落ち葉が積もっていて
 これ以上はムリ。
 
 空中写真で見ても、
 小さな建物しか見えないので
 無理して行く程の事も無いでしょう。
 と、自分を納得させてここで終了。
 最後は斜面の上から見下ろした
 愛の森ステーションです。
 「らびっと号」が
 カタパルトで発射される宇宙船みたいで
 ちょっとカッコいいです。

[2012年11月現在]


瀬見峡温泉は、平成3年秋に発見された、ナトリウム塩化物鉱泉の温泉でした。
2箇所ある屋根付きの露天岩風呂からは、瀬見峡の絶景が見られたと言います。
売店や食堂もそなえた施設があったのですが、現在は全て撤去されています。
瀬見峡温泉と平和観音が同時期(1992年)に造られているので、
モノレールも含めて温泉郷として開発されたのでしょう。
温泉は2001年廃業ですが、残された観音像も、今では管理がされていないそうです。

モノレールの正式名称は、藤井電工製のMtライナー 700シリーズです。
784ccの水冷3気筒ディーゼルエンジンで、油圧モーターを駆動します。
レールは、主レールと幅レールによる2条軌条です。
展望台は高さ80m程の場所にあり、
帰りは一周して来て、ステーションの入場口の側から戻って来るそうです。

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