【岐阜県関市-小瀬遊歩道隧道】
長良川沿いの遊歩道にある、小さな素堀り隧道。それは隠れるように存在していました。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 
 ある日ツーリングで通りかかった時、
 川沿いの細い道に怪しい雰囲気が・・・
 む! これは隧道の気配だ。
 帰ってから地図で調べたら
 本当にあったよ、ず・い・ど・う!
 さっそく調査だ!→→→■周辺図■

 場所は関市の小瀬という所です。
 ここで鵜飼をやったりするそうです。
 この道は県道だけど、
 あの国道418号線の旧道です。
 さて、例の隧道へは
 赤いトラス橋の手前から入ります。

 では、いざレッツ隧道(* ̄▽ ̄*)
 

 なるほど、確かに遊歩道。
 人が一人歩けるぐらいの幅の道が
 川沿いに続いてる。
 下を見ると船が2そう浮かんでた。
 鵜飼舟かな?

 
 事前に調べた情報によれば、
 隧道は岩盤に素堀りのようです。
 少し歩くと、何かの施設がありました。
 水門ですね。
 それに「水神」と彫られた石碑が…
 さっそくキターーー。
 前に見えるアレは隧道ですよ。
 でも、こんなに近かったっけ?
 地図ではもう少し先のはず・・・
 
 えぇ〜〜〜!!
 調べたのとは違う隧道がぁ!
 なんと。もうひとつあったの?
 う〜〜む。これってロックシェード?
 見ての通り、すごく小さいです。
 

 中は金属のアーチ。
 ナミナミの金属板で補強されてます。
 照明とか無いけど、
 短いので問題無しです。
 これは新しいものなのかな?

 
 さて、もう出口・・・
 って、倒木で塞がれてる。
 でも、あれ?
 倒木じゃない?
 よく見ると支えられてますよ。
 

 外に出て確認してみると、
 なるほど支えてるわ。
 それに今気が付いたのだけど、
 ここの崖って片洞門になってる。
 ここは隧道…じゃなくて
 片洞門の下にはめ込まれた
 ロックシェードだったんだ。
 これは何というサプライズ!

 
 もうお腹いっぱいですね。
 しかし、例の素堀り隧道を見るまでは
 帰れません。
 しばらく歩くと、
 あったありました。
 まさしく“ずいどう”。
 廃隧道ほどの迫力は無いけど、
 そそる景色です。
 
 近くから見ると、
 岩盤がすごい事になってる。
 チャートという岩で出来てるので、
 板が何枚も重なってるようです。
 しかも山の方を見ると、
 ぐねぐねに曲がった、
 褶曲という模様も見えます。
 見所満載です。
 
 中もゴッツイ素堀り。
 チャートの岩盤だけあって
 カッチカチに固いです。
 で、遊歩道なので天井低いですね。
 頭こすりそう。
 
 ここも短いのですぐに抜けます。
 ん? 左側にも道があるの?
 でも、通行止めになってる。
 何だろうと思ったら、
 塗装工事中で立入り禁止でした。
 何の塗装かって?
 その答えはレポートの後半で。
 
 隧道から出て振り返ると
 こんな感じです。
 岩肌に付いた苔や雑草を見ると、
 けっこうな古さを感じるけど、
 いつ造られた隧道なんだろうか?
 お隣の美濃市の素堀り隧道は
 大正時代に造られましたが、
 ここもそれぐらい古い?
 
 もうちょっと離れてみると、
 なんと、螺旋階段があります。
 山の上に上がる歩道みたいです。
 でも、塗装工事中で入れない。
 残念。
 いや、でもそれって
 ちゃんと管理されてるってコト?
 そう言えば路面がきれいですね。
 
 まだ隧道があるかと思って
 もう少し先まで見たけど無かった。
 で、あったのはこんな看板。
 遊歩道をきれいにしようって看板です。
 “先駆者の功績”なんてあるのは、
 この歩道や隧道が、
 苦労して造られたって事ですね。
 やっぱり古い隧道なんだろうか?

[2010年2月現在]

現地には、隧道の名称や竣工年をしめす物は何もありませんでした。
何か遊歩道の手掛かりになる物はないかと調べてみたら、水門の正体がわかりました。
あの水門は、水不足に悩まされた村々の為に造られた「各務用水」の取水口です。
明治21年に着工され、同23年に完成しました。
上の写真で“先駆者”と言うのは、用水建設に尽力した、
横山忠三郎、後藤小平治、岡田只治ら三名の事でしょうか?
この遊歩道や隧道も、元は用水建設の為の道路だったのかもしれません。
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