【愛知県・豊田市-両国橋】
愛知県豊田市小渡町、矢作川に架かるトラス橋です。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント

 

 小渡と書いて「おど」と読みます。
 ここは風鈴のイベントで
 知られた町です。
 その小渡町のかたわらに
 古くて小さなトラスがあります。


 矢作川の右岸を通る
 県道355号線から来ました。
 1車線の細い道を走って来ると
 いかにも古い橋があります。
 トラスはトラスでも
 ポニートラスと言う物ですよ。
 
 親柱はたいへん立派な物です。
 アールデコっぽいデザインだ。
 「りゃうこくはし」
 この銘板は型にコンクリを流し込んで
 作った物みたいです。
 
 隣は日付。
 「昭和十五年七月改築」
 改築と言う事は
 古い橋があったのだろうか?
 近くに吊り橋の跡があるので
 それが先代の橋なのかな?
 

 左右のトラスをつなげる部材が無く、
 高さを気にしないで
 通れる所がいいですね。
 塗装がはげてる所も
 ポイント高し。

 
 こまかい所も見てみましょう。
 格点という場所に
 雑草がはえてます。
 

 トラスを渡って振り返ったところ。
 この下の矢作川はかつて
 愛知県と岐阜県の県境だったそうで、
 トラスの部分は岐阜県が
 架けた物だそうです。

 
 両国橋はトラスとコンクリ桁があり
 コンクリの橋桁は
 愛知県が架けた物だそうです。
 

 橋を渡った先は
 小渡町の市街地になります。
 右側の建物は、
 元郵便局の跡です。
 ここは豊田市から
 恵那や稲武方面に向かう途中にあるので
 中々に交通量があります。

 
 こちらの親柱も向こうと同じ
 デザインです。
 
 銘板には
 「兩國橋」
 旧字体が使われてます。
 隣は
 「昭和十五年七月改築」
 

 今は無くなってしまったのですが、
 かつて親柱には、
 こんな物が載ってました。
 鉄製のフレームだけですが、
 たぶん照明器具があったのでしょう。
 ちなみにこれは2006年に
 写した画像です。

 
 橋台の横から橋全体を眺めてみれば
 川の流れのある所が
 トラスになっていて、
 河原の上に架かっているのが
 コンクリ桁のようです。
 
 ここから下の画像も2006年の物です。
 このトラスは
 下路トラスと言うタイプの橋です。
 
 真下からだと
 コンクリの床板がよく分かる。
 右側の細い橋は
 歩行者用の橋です。
 

 コンクリ部分は
 ゲルバー桁と言うタイプです。
 裏側をよーく見ると
 ツバメの巣がいくつかあります。

[2019年6月(一部2006年)現在]


矢作川右岸にある愛知県の島崎町は、かつては岐阜県だったそうです。
2つの国境にある橋という事で、両国橋だそうな。
1919年(大正8年)に吊り橋の初代・両国橋が出来ました。
現在でも主塔が残っていますが、その後、木造トラスとコンクリの橋が架けられ、
昭和15年に金属製のトラスに改築されました。

現在の吊り橋跡。かつては渡し船があった。

道ネタ「橋梁」TOPへ…