【三重県・三岐鉄道北勢線-六把野井水拱橋】
北勢線には「めがね橋」と、もうひとつ「六把野井水拱橋」と言う、
珍しいコンクリートブロック製の「ねじりまんぽ」橋が架かってます。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 

 「日本の近代土木遺産〜現存する
 重要な土木構造物2000選」にも選ばれてる、
 貴重で珍しいコンクリートブロックの橋。
 そんなイイ物があったなんて、
 つい最近まで知らなかったよ。

 橋の周辺図はこちら→■周辺図■


 明智拱橋こと、めがね橋のすぐ南側に
 「六把野井水拱橋」はあります。
 ・・・と、その前に。
 漢字じゃイマイチ読みにくいよね。
 「ろっぱのいすい-きょうきょう」
 “拱橋”とはアーチ橋の事です。
 場所は周辺図を見てもらうとして、
 橋の側にはこんな看板があります。
 ウォーキングコースだって。
 例の橋は楚原駅方面です。
 
 ありました。
 これが今回の目的地
 「六把野井水拱橋」です。
 思ったより小柄な橋です。
 下を流れるのは川ではなくて用水です。
 「六把野井水」とは江戸時代に造られた疏水で、
 400年近くもの長い間田畑を潤し、
 今なお現役で活躍してます。
 400年とはすごいですね。
 
 近付いて下から見てみると…
 ねじれてます。
 ものすごいねじれっぷりです。
 これが「ねじりまんぽ」というものです。
 じっと見てると平衡感覚がおかしくなりそう。
 これと言うのも、
 橋と井水が斜めに交わってるからで、
 アーチに沿ってブロックを1列に並べると
 こんな風に傾いてしまうのです。
 これだけの説明じゃわかりづらいけど、
 先に進みます。
 
 この橋は大正5年7月15日完成の古い橋です。
 アーチのブロックの装飾が、
 単純な橋の形のアクセントになってますね。
 

 上の写真とは別の角度からも見てみましょう。
 すごい鋭角になってる。
 こんな独特なスタイルの橋のため、
 使われてるコンクリートブロックは
 ひとつひとつ形が微妙に違うそうです。
 形の違うブロックをこれだけの数作るのって
 すごく面倒な話ですね・・・
 面倒だからなのか、ブロックの隙間の
 セメントの処理がなんか雑です。

 
 反対側に出ました。
 画面のど真ん中の木がじゃまだけど、
 歴史を感じるいい景色です。
 この北勢線はなんと90年の歴史があります。
 一度は廃線の危機もありましたが、
 今でも元気に走ってます。

 [2006年1月現在]

90年前に北勢軽便鉄道として開業した、三岐鉄道北勢線。
かつては蒸気機関車も走っていて、砂利などを運搬していました。
北勢線の終着駅の阿下喜は古くより、岐阜県から濃勢街道を通って物産の交流が盛んでした。
現在でも、阿下喜の駅前から続く商店街には、賑やかだった当時の面影があります。
しかし時代は変わり、輸送の中心が自動車に移ると、鉄道利用客は減り、
北勢線も赤字路線になってしまいました。
一時は廃止も決定されましたが、地元の要望もあり、経営が近鉄から三岐鉄道に引き継がれ、
のどかな田園風景の中を、かわいいナローゲージの列車が走っています。
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