【岐阜県・県道96号線-未成橋】
岐阜県の養老町を通る県道213号線。それを跨ぐはずだった県道96号線の未成橋。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 

 関ヶ原から、県道56号線を通り
 途中、国道258号線に抜けようと
 何となく曲がって入った県道213号線。
 そこで見付けたおかしな光景。
 これって… 橋なの?
 それはここ→■周辺図


 未成橋の未成たる部分は
 取り敢えず後回しにして、
 まずは橋に繋がる築堤から
 見て行きましょう。
 この頃道路工事の現場で見掛ける
 雑草が生えるのを防止する
 シートで覆われてます。
 まあ、雑草生え放題だけど…
 
 未成橋に向かう為の
 スロープが始まる場所です。
 シートの下は
 固い地面があると思いきや
 何かぶよぶよします。
 この裏側はどうなってんだろう?
 未知の植物が充満してそうだ。
 なんて想像すると、
 ちょっと気持ち悪い…
 
 振り返って北側を見てます。
 少し行くと細い道があって
 フェンスで仕切られてます。
 下を見ると丸い金属が並んでますが、
 金属板にボルトが刺さっていて
 シートを押さえてます。
 
 では、再び未成橋に向かいましょう。
 途中にコンクリの出てる所がある。
 何だろう?
 って、これは下に道が通ってる
 ボックスカルバートってやつですよ。
 完成後はアスファルトの下に
 隠れてしまうものです。
 こんな景色は工事中でしか見れません。
 未成ならではですね。
 
 もうそろそろ先端に着きます。
 ここらは路面の場所に
 雑草は生えてないけど、
 両脇のコンクリの壁には
 つた植物とかがいっぱい生えてます。
 
 県道213号線と交わる所に来ました。
 はい、そうです。
 未成なので橋本体はありません。
 橋台と築堤だけです。
 橋台部分も鉄筋が剥き出しで
 まだまだ未完成ですね。
 県道の向こうにもシートがあり
 あそこに反対側の橋台が
 出来るはずの場所です。
 
 雑草は隙を狙って
 どこでも生えてきますね。
 いったいどんだけ放置されてるのやら。
 
 こんな景色は
 めったに見れるものじゃないので
 もうちょっと堪能しましょう。
 鉄筋の所に壁を作って
 そこまで土を詰めるのでしょうが、
 今は手前までしかありません。
 
 今度は下から見てみましょう。
 こっちは立派な築堤の姿です。
 それなのに
 つただらけで、放置するにも
 程があるだろうって話ですよ。
 
 これがさっきのボックスカルバートです。
 つたが侵入を開始してます。
 まるで廃墟のような雰囲気。

 こんな所に銘板があった。
 平成15年8月完成ですと?
 いまから10年前ですよ。
 10年も放置されてるの?
 確かに、雑草だらけにもなりますね。
 当たり前ですが、
 発注者は岐阜県です。
 
 さて、これが未成橋
 っていうか、未成橋台の全体像です。
 廃物件に慣れ親しんだ者には
 ピーンときますね。
 建設途中で放置された未成物件だって。
 しかし、この道を造るために
 土地を売った人達は
 この景色を見るたびに
 複雑な思いでいるのでしょうか?
 

 未成橋本体?を見たところで、
 その反対側も見てみましょう。
 県道213号線から北に約300m行くと
 こんな広い道があります。
 これが県道96号線のバイパスで、
 未成橋はこのバイパスの一部です。

 

 上の場所からくるっと振り返ると
 県道は狭くなって、
 左側にカーブして行きます。
 地図上では県道はここまでとなってますが
 実質、目の前の道が
 県道の続きとなってます。
 正面の矢印看板の向こうに未成橋があり、
 本来のバイパスの続きです。
 さらに奥に見える山々は養老山地です。

 
 これは未成橋と言うよりは
 未成バイパスと言う方が正しいでしょうね。
 その未成バイパスの全体像を
 西側より写してみました。
 こんなのんびとした田園風景の中で、
 今日も開通する日を待ち続けて
 未成バイパスが
 草に埋もれてます。

[2013年6月現在]

例の銘板には「地方道改築(改良)地域戦略プラン工事」と言う名称が付いていました。
国土交通省によれば「平成11年に閣議決定した「生活空間倍増戦略プラン」の一環として、
各地域自らがテーマを選び、複数の市町村等による広域的な連携のもと、活力にあふれ、
ゆとり・うるおいのある空間の創造を目的として策定された」だそうです。
渋滞解消などを目的に建設されているバイパスみたいですが、
10年も放置されているのは、土地取得が進んでいないからでしょうか?
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