愛知県・豊橋鉄道田口線跡-大草トンネル群】閉鎖トンネル編
愛知県鳳来町から設楽町田口まで繋いだ、豊橋鉄道田口線。
三河大草駅周辺には、沢山のトンネルが残っています。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 
 田口線の三河大草駅と鳳来寺駅の間には
 七つのトンネルが連続する所があります。
 通れるトンネル、
 閉鎖されたトンネル。
 そして、消えたトンネル。
 今回は閉鎖された方のトンネルです。
 地図をまだ見てないなら→■周辺図■

 「峰トンネル」です。
 さっきまでとは雰囲気が違います。
 反対側の出口の光が見えないので、
 なんだか不気味。
 塞がれてるそうだけど…

 でも行くけどね。
【峰トンネル】

 ああ、やっぱり塞がれてます。
 入口から10mぐらいの所で、
 板で仕切りが作ってあって、
 中には入れないようです。
 ポータルは今までの物よりきれいです。
 
 トンネルの中から
 今来た道の方を撮影。
 遠くに「富保トンネル」が見えます。
 トンネルの中の路面は
 どろどろでぬかるんでます。
 そういえばバラストっていうのが無いけど
 レールや枕木と一緒に
 取り除かれたのでしょうか?
 
 仕切りは薄いベニヤ板で作られた
 ちょっと安っぽい物です。
 上には有刺鉄線が張ってあって
 簡単には入れないようになってます。
 ・・・
 開いてるよ。
 おもいっきり。
 誰か開けたんだろうか?
 映画なんかでこういう所に入ると
 いきなり扉が閉まって
 出られなくなったりするけどね。
 

 扉をくぐって中に入ってみました。
 あい変わらず真っ暗。
 (写真はフラッシュ使ってますよ)
 でも…さっきから気になってるけど、
 トンネルの中から
 バーーンって音が響いてる…
 なに? 何の音?
 ・・・
 取り敢えず先に進んでみます。
 トンネル内部は大草トンネルと同様に
 中途半端なコンクリ巻きです。
 路面は波打っていて、
 ちょっと歩きづらいです。

 
 反対側にも仕切りがありました。
 こちらも開いていたので、
 向こうに抜ける事が出来ます。
 なんて思っていたら突然目の前で…
 バンッ!
 って閉まった!
 え!なに? 閉められたの?
 扉を押してみたけど開かない。
 まさか向こうに誰かいるの?
 ・・・引いたら開きました。
 どうやら風のいたずらでしたね。
 さっきからの“バーン”って音も
 風で扉が閉まる音でした。
 

 ・・・ちょっとビビッた。

 気を取り直して探索を続けます。
 こちらは酷く崩れてます。
 落石がトンネルの中まで侵入してます。
 外は藪になっていて、
 次のトンネルがよく見えません。

 
 トンネルとトンネルの間は
 ちょっとした切り通しになってます。
 でも酷い崩れよう。
 山の低い側から土砂が流れ込んで来て
 路面っていうか
 軌道跡が埋まってしまってます。
 
 峰トンネルの方を見てみましょう。
 こちらはポータル無し。
 でも崖が崩れてくるので、
 ポータルは必要だったかも?
【峰第2トンネル】

 このトンネルは本長篠駅から
 5番目になります。

 坑口の半分近くが土砂で埋まってる。
 こんな状態なら、
 立ち入り禁止になるのもわかります。
 
 峰第2トンネルから
 峰トンネルを見るとこんな感じ。
 そのうち切り通しが完全に埋まって、
 ここに来る事が出来なくなるかも?
 
 中はコンクリートと素堀りで、
 こんな所まで岩がころがってます。
 それにスクーターもころがってます。
 岩の向こうにありますが、
 かなり前に持ち込まれたのでしょう。
 まさかこんな物があるなんて
 思ってもみなかった。

 ちなみにフラッシュを使ってるので、
 実際より明るく写ってます。
 
 出口付近でもコンクリートが
 上半分だけしかありません。
 岩盤がアーチを支える構造だけど、
 コンクリート節約のためですか?
 でもまさに山岳鉄道って雰囲気です。

 倒木が入り込んで来てます。
 
 コンクリのポータルは
 いい感じに汚れていて
 周りの岩に同化してます。

 それにここに居ても、
 峰トンネルからの扉が閉まる音が
 響いて来る。
 コワ〜 …( ̄□ ̄)
 ちょっと不気味。
 
 岩盤の一部になんか模様が…
 こんな所に褶曲がありました。
 地層が大きな圧力で曲がったもので、
 岐阜県の美濃地方では
 よく見られた物です。
 周りを見たけど、ここだけだった。
 面白い物だけど、
 風化するとボロボロ崩れるので
 注意が必要です。
 
 田口側の切り通しです。
 木が生長していて、
 すっかり森になってます。
 いや、まだ林ってとこですか。
 
 この先の築堤は道路に削られて
 一部が無くなってます。
 トンネルから先の築堤はここまで。
 下には集落の家々が見えます。
 かつてはトンネルから出た一瞬、
 車窓からこんな風景が見えたのでしょう。
 この先にもトンネルがあるけど、
 いったん引き上げて仕切り直しです。
 そう言えば閉鎖トンネルは今回開いてたけど
 普段は閉まってるかもしれません。
 その時は、無理矢理入っちゃだめよ。
[2006年3月現在]

閉鎖されたトンネルの向こうは、半分埋もれた短いトンネルがありました。
廃道は他の道路と繋がっているため、何らかな形で利用されたりしますが、
鉄道跡の場合、道路とは別の場所を通っているため、再利用される事も無く捨てられています。
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