【岐阜県・下呂市-宮地の吊り橋】
下呂市宮地の、国道257号線沿いを流れる竹原川には、小さな古い吊り橋がありました。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 
 つくづく思うのは、
 人間って興味の無い物は
 記憶に残らないもんなんだなぁ…と。
 何度も通った国道に
 こんなにもイケテル吊り橋が
 あったなんて・・・

 今日は“道活動”なしの
 ただのツーリングに来ました。
 中津川方面から下呂市に行くために
 国道257号線を通るのですが、
 何気なく横の川を見ながら走ってたら…
 何度も走った道だし、
 まさかこんな所にあるはずナイよね
 って、あるし!
 ええ? 今の吊り橋だったの?
 で、いそいで引き返したら…
 まさかまさかの吊り橋だった。

 
 これはあれですか?棚からぼたもち。
 いわゆる、たなボタだわ。
 さっそく行ってみよう。
 …道はどこ?
 すっかり薮になってますよ。
 廃物件なんですか?
 しかし、柵があるので、
 なんとか橋まで行けます。
 
 ステキな看板が掛かってます。
 「立入り禁止」
 これは廃物件でしょうか?
 でも、現役のような雰囲気もあります。
 まあ、取り敢えず
 近くに行きましょう。
 
 これこれ。
 こういうのを求めてたのですよ。
 メインケーブルから橋桁を吊ってる
 ハンガーケーブルが大変なコトに。
 「クリップ」を使わないで、
 グルグル巻きで繋いでるだけだ。
 この、しろうと補修がたまりませんね。
 床には金属製のネット、
 エキスパンドメタルが敷いてあります。
 
 金属製の橋なのかと思って下を見ると
 なんと、ボロボロの木の板が…!
 金属ネットで見えなかったけど、
 これが無かったら
 渡れないレベルの酷さだよ。
 でも、渡れるようにしてあるって事は、
 やはり現役の吊り橋ですか?
 
 しかしこのハンガーケーブルの
 頼り無さはどうよ?
 2本ワンセットで、逆V字型になってる。
 ケーブルをよく見ると、
 真ん中にひし形の隙き間があるけど、
 これって、2本の針金の中に棒を入れて
 グルグルひねった跡ですね。
 

 竹原川は綺麗な渓流です。
 釣り人が川に入ってます。
 これは橋から西を見ています。
 国道は画面右になります。

 
 床板がボロボロで、
 足下が危ういかと思ったが
 上に敷かれた
 エキスパンドメタルのおかげで
 普通に渡れました。
 おや?
 こっち側には主塔がありますね。
 ああ。これって「片タワー型」って
 形式の吊り橋だったんだ。
 って、今頃気が付く?
 

 主塔はこんな形です。
 鉄骨を組み合わせただけ?
 この橋って、結構新しいかも?

 
 こちらは「キケン通行止」
 もう通行しちゃったけどね。
 これは橋を渡らないと見れません。
 実はこの橋を渡った先には
 発電所に水を送る水路しかありません。
 黄色い札があったので、
 鉄塔巡視路の道でもあるようです。
 なので、ここにある意味は無いよね?
 
 
 エキスパンドメタルで隠されてるけど、
 床板ボロボロです。
 よく見ると、板の無い所が・・・
 このネットを外したら
 どんなに酷い状態なんでしょう?
 ちょっと見てみたい気も…
 見るだけ。
 歩くと落ちるから。
 
 橋の先はこんな具合に
 道が続いていきます。
 50mぐらい坂を上がると、
 水路が横切ってます。
 

 最後に下から。

 この角度からだと、
 国道が見えて風情もなにもありゃしない。
 しかしこの橋は、
 そんなマイナスポイントも物ともしない
 すばらしい物件でした。

[2011年8月現在]


橋を渡った先に鉄塔巡視路が続いていたので、
どうやら電力会社が架けた吊り橋のようです。
発電用の水路は、中部電力・竹原川発電所に送る為のものです。
この発電所は1922年(大正11年)に運用が開始されました。
竹原川発電所の様子は、竹原トンネルの廃道レポートでご覧になれます。

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