【国道153号線旧道-真弓橋】
愛知県の東西を結ぶ飯田街道は、現在国道153号線となってます。
その国道の旧道には、不思議な状態の廃橋梁があります。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 

 他所のサイトで見付けた
 とんでもない橋です。
 そりゃあもうありえないって、これ。
 実際に現地に行ってみると
 これって未完成なの?
 それとこのレポートには近くに住んでる人に
 配慮して周辺図はありません。


 ■真弓橋-側面図■
 
クリックすると原寸サイズの物が
 別窓で開きます

 探索に行った日は雨に降られました。
 あやしく曇っていたので、
 降られるのは覚悟してたけど、
 予想以上に大雨になって、
 川もすごい事になってます。
 普段は穏やかな川の流れも、
 茶色い濁流となっていて、ちょっと恐い。
 それで、橋の方はと言えば
 案外簡単に見付かった。
 ここから見てもただならぬ雰囲気ね。
 ちなみに「真弓橋」と言う名前は、
 「弥生の森の散歩径」様の情報によります。

 

 これは国道153号線の旧道から
 橋への入り口を見た写真です。
 入り口と言うのは変だけど、まあいいか。
 正面にある建物と右側にある看板の間の
 ちょっとくぼんだ所が
 廃橋梁「真弓橋」への道です。
 公道と言うより私有地みたい。
 入っていいの?これ?
 でも、目の前にあんな橋があるのに
 行くなと言うのが酷ってもんです。
 こう言う理由もあるので、今回のレポートには
 詳しい周辺図はありません。

 

 いけないかな、と思いつつも
 好奇心は止められません。
 ちょっと近付くだけならいいかな?
 と言うわけで橋の前まで来ました。
 橋ってどこにあるの?って思うでしょ?
 正面に並んだ板の列がその橋です。
 ね。とんでもないでしょ。
 ただの歩行者用の橋だろうって思ったあなた。
 いえいえ、そんな甘いもんじゃありませんて。
 もっと近寄ってみましょう。

 
 ありえな〜〜い。
 って状態なのがわかってもらえましたか?
 よく見て下さいよ。
 木の板の下に並んでる物があるでしょう?
 それは橋桁を支えてる支柱です。
 いえ、支えるはずだった、と言った方が
 より正確かもしれません。
 いま上にある板は、取り敢えず
 人が通行出来るように置いてある物で、
 橋桁じゃありません。
 
 では渡ってみましょう。
 古そうな木の板なので、ちょっと心配だけど、
 橋の前に住んでいる人達が
 普段使っている物なのか、しっかりした物で
 壊れるような事はありませんでした。
 ここは人だけじゃなく、
 何かのパイプも通ってます。
 これはガスなの?それとも水道?
 下の川には濁流となった流れが
 不安を煽ります。
 お…落ちたら…
 だって欄干ないし、ここ。
 歩いててぐらっときたらピンチです。
 
 なんとか渡り切りました。
 短い橋でよかった。
 さて、「不思議な状態」ってコメントが
 最初にあったけど、
 支柱の上の所にはボルトの様な物があります。
 この橋って、橋桁を取り払ったものと
 思ってたけど、こんな物が残ってるって事は
 まさかこの橋って、建設が中止されて
 そのまま捨てられたんですか?
 未完成の状態で
 21世紀まで来てしまったのですね。
 …そう言えば私もここまで来てしまった。
 
 この地方にある、同じような橋が
 大正時代の物なので、
 これもそうなのでしょう。
 大正時代からこんな具合なら、
 なんともすごい事です。
 修繕をされつつ、平成の世まで
 人に必要とされて来たってのは、
 感慨深いものがあります。
 そういう意味では現役ですね。
 トラ柵があるのは自転車はダメってこと?
 それより、部外者の私がここに居ていいの?
 
 さんざんじらして来たけど
 これが「真弓橋」の全景。
 アーチと支柱しかありません。
 濁った川がさらにこの景色を
 すごいものにしてる。
 それに…アーチに枯れ草が引っ掛かってるけど、
 これってこの高さまで水が来たんですよね…
 そ…それは恐いぞ。
 上に渡してある板も流されるのか、
 一部が新しい物になってる。
 よく見るとこの板、小さな橋脚を立てて
 その上に乗ってるよ。
 

 真弓橋から見た旧道の真弓橋。
 さらに向こうが現国道153号線の真弓大橋です。
 ちょっと考えづらい事ですが、
 あのボロボロの真弓橋って
 旧々道だったのでしょうか?
 当時、コンクリートアーチ橋は
 そんなに安い物じゃなかったはずです。
 村単位で架ける事が出来たのだろうか?
 今のレベルで見れば、
 幅が狭くて車の通行は無理でも、
 大正時代なら人や馬しか通らないので、

 これでも充分だったのでしょう。
 [2005年7月現在]


ネットで初めて見た時は、こんな橋があるのかと、信じられませんでした。
しかし実際に現地に行ってみると、廃橋梁でありながら、今でも人の役に立っているけなげな橋です。
それと3枚目の写真に写っている、住宅の前にある丸い街灯がちょっと気になります。
これは表通りや商店街によくある物ですね。
ここもかつては、大勢の人が行き交ったのでしょうか?
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