【国道152号-豆嵐廃道】
長野県飯田市上村の国道152号の旧道の廃道です。隧道があります。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 
 下栗の里で有名な
 遠山郷の北側。
 上村川沿いを通る国道に
 旧道部分があります。

 国道418号から
 152号に入って
 どんどん北上して来ました。
 国道256号が分岐する所から
 少し行くと
 写真の場所に着きます。
 旧道は右の坂道で、
 まだ通行止めではありません。
 
 旧道は少しの間
 現道に沿って走りますが、
 すぐに橋を渡ります。
 何でも無いコンクリ橋です。
 
 親柱に銘版があったので
 見てみたら
 「県道大鹿水窪線」とあった。
 なんと国道の前は、
 県道だったんだ。
 他の銘版は出来た年だった。
 「昭和三十八年六月竣功」
 
 上村川は蛇行していて、
 現道は橋で越えて行きますが、
 旧道は川に沿ってるので
 橋をくぐります。
 現道はすぐにトンネルに
 入ってしまいます。
 

 ここで思わぬ発見が…
 川にケーブルが張ってあったので
 吊り橋かと思ったら
 小さな索道だった。
 中部電力が作った
 川を調べる為の施設みたい。
 川の中に入れる
 いかだみたいな物があった。

 
 旧道はついに通行止めです。
 バリケードが刺さってます。
 一気に道が荒れてますよ。
 その向うには隧道の姿が…
 今回探索に来たのは、
 ある本がきっかけなんです。
 

 その本は廃道関係じゃなく、
 「モーターファン別冊
 レクサスLCのすべて」という本に
 ちょうどこの場所で撮影された
 写真が載ってました。
 お高いクーペを置いて写した物ですが、
 バリケードをどかして
 車を入れたんだろうか?

 
 隧道の前に長い
 ロックシェードがあります。
 あっさりしたデザインなので
 昭和40年代に造られたもの?
 さっきの橋が38年だったしね。
 外を見ると、
 山を除けて川が曲がってるが、
 怪しいスペースがあった。
 
 隧道のポータルに
 扁額はありませんでした。
 中はといえば、
 素堀りにコンクリ吹き付けです。
 狭くてすれ違いなんて
 出来やしません。
 
 短い隧道なので
 ライトなしでも歩けます。
 現地では名前が分からなかったが
 後から調べたら
 「浦の沢隧道」だそうです。
 
 隧道から出て振り返ってみた。
 いい雰囲気だよね。
 でもバリケードが
 隧道の真ん前にあって
 車は通れません。
 右を見ると、怪しい道があります。
 後で見に行ってみましょう。
 
 隧道を出たとたんに
 廃道らしさが倍増しました。
 現道はまだトンネルの中なので
 ここからでは見えません。
 
 再び川沿いを進みます。
 ちゃんとガードレールがあり
 酷道という程じゃないですね。
 でも、速度が30km制限だ。
 
 薮の中に
 こんな紫の可愛い花が
 たくさんありました。
 「房藤空木(ふさふじうつぎ)」
 という花みたいです。
 園芸種だそうですが、
 何でこんな道ばたに生えてるの?
 
 途中にこんな小さな
 橋がありました。
 これは帰りに撮ったので
 逆を向いてます。
 
 銘版があった!
 磁器の板を使ったタイプです。
 「馬老沢橋」とあります。
 この沢をさかのぼった所には
 小さな集落があります。
 
 さらにこんな物まであった。
 「五〇m先信号機有り」
 信号なんてあったっけ?
 距離的に隧道の手前あたりですね。
 狭い隧道なので、
 信号を使って
 一方通行にしてた訳ですね。
 
 廃道レベルはさらに増し、
 すっかり路面は植物に
 覆われてます。
 よく見ると
 うっすらタイヤの跡が
 ついてるような…
 
 砂防ダムが見えてくると
 もうそろそろ現道に着きます。
 ダムの向うには、
 現道の橋「豆嵐橋」が
 木々の間から見えます。
 
 ようやくアスファルトが
 全部見えるようになった。
 おや?こんな所に
 チェーンゲートがあります。
 念のいった事です。
 
 現道に出ました。
 旧道を見ると、
 まだ車が通れるみたいに見えますね。
 実際はポールまであって
 歩行者ぐらいしか入れませんが。
 ちなみに現道の豆嵐橋は、
 2008年12月に出来ました。
 廃道歴9年ってわけですね。
 
 では、さっきの
 怪しい道を探ってみよう。
 カーブミラーの向うに
 広い道が続いてます。
 これは旧々道?
 
 緩やかな坂になっていて
 徐々に川と同じ高さに
 なっていきます。
 目の前のこれは…
 切り通し?
 右に小さな山の欠片が
 残ってます。
 
 旧道のロックシェードが
 見えてきたけど、
 どうやって旧道に
 繋がってるのこれ?
 今は真夏なので
 道の上は薮になってます。
 

 今居る所が、
 怪しいスペースの場所です。
 こんなに高低差が出来てた。
 ロックシェードの部分で
 旧々道は潰されたようです。
 ロックシェードは外から見ると
 こんな構造になってたんだ。


[2017年8月現在]


古くは秋葉街道でもあった国道152号。今回の廃道は、遠山郷の近くにあります。
旧道は蛇行する川に沿っていますが、現道はトンネルで迂回しています。
旧道は元は「県道大鹿水窪線」でした。水窪にはヒョー越峠を経由して繋がっていますが、
大鹿村方面は国道が分断されていて、直接繋がっていません。
県道時代から、水窪から大鹿まで繋げる計画があった道路だったのでしょう。
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