【国道305号線旧道-呼鳥門・鳥糞隧道】
福井県の海岸沿いを走る国道305号線。そこに残る旧道には、多くの隧道があります。
その中でも、自然の海蝕地形を利用した「呼鳥門(こちょうもん)」を見て来ました。
青字…ラピスのコメント 赤字…レオのコメント ■黒字…作者のコメント
   
 今回はひとりじゃなくて、
 廃モノ仲間のレオちゃんと一緒に
 探索して来ました♪
 どうも〜、イヌ娘のレオです。
 探索やなんて大袈裟なもんじゃなくて、
 観光のついでやないですか。
 では、観光レポートをどうぞ♪
 ああ、しきられてる・・・
 越前海岸の旧道と隧道…■周辺図■

 国道305号線の現道が通 ってる
 「呼鳥門トンネル」を抜けると、
 ドライブインがあり、
 ちょっとした観光地になってます。

 ドライブインの中のトイレが
 すごいらしいですよ。行ってみます?

 いや、遠慮しときます・・・
 まだ旧道だった名残りがあるけど、
 路面は遊歩道になってるし、
 何かの巨大な碑が立ってます。
 これは歌手の五木ひろしの
 「越前有情」にちなんだ歌碑ですね。
 
 ここって結構有名なのかな?
 観光客がたくさんいます。
 天気がイイからでしょうか。

 そうやねぇ…
 冬の日本海っていえば、
 激しい波しぶきって感じ?
 ひゅーるりらら〜 的な
(^▽^)

 演歌か?( ̄▽ ̄)
 
 おおっ! これがあの「呼鳥門」なのか。
 って、さっきから見えてるんだけどね。
 こんな所に呼鳥門の石碑があります。
 なにげに石碑がとおせんぼしてますね。
 不粋なフェンスよりは、
 観光地にふさわしいです。
 まあ、私はちょこっと越えて行く・・・

 じゃあ行きましょうか (^▽^)ノ

 もう越えちゃってるし〜 ( ̄▽ ̄;)
 
 さて、この辺りの地質って、
 独特の雰囲気がありますね。
 無数の細かな石が寄せ集まった、
 まるで古いコンクリートみたいです。
 これは礫岩という、
  川に積もった石が固まった物です。
 崩れやすい岩石なので、
 ネットで天井?を押さえてます。
 すごいなぁ( ̄▽ ̄)
 ん〜〜…?
 よく見たら… 縦に… ひびが…
 わ・・・割れてる!!!!
 

 落ちてますねぇ。
 落石が。
 ここの旧道が現役時代は、
 ちょうどこの場所に
 ロックシェードがあったそうです。
 画像を見るとトンネルみたいな格好で
 アーチの上に「呼鳥門」の文字が
 どーんとくっついてます。
 さすがに景観に合わないためなのか、
 取り壊されてしまったのですね。

 
 これが海の侵食で出来たってのがスゴイ。
 まるく穴が開いたところで、
 地層の境い目に沿って崩れ落ちたのだろうか?
 こんな四角い形は安定悪そうだし、
 斜めになっててすごい圧力が掛かってそう。

 そうそう、あの天井部分の横側にも
 ひびが入っていて、年々広がってるそうですよ。
 なんや今にも落ちてきそうやね♪


 そうね、クシャミをしても
 崩れそうな雰囲気・・・
 

 おっかなビックリ呼鳥門をくぐると
 旧道らしい景色になりました。
 それにしても周りの岩場のすごいコト。
 大小の丸い石が
 ごちゃごちゃごちゃごちゃごちゃごちゃ…
 日本じゃないみたい。

 あ! もうひとつ隧道があった。
 こちらは普通ですね。
 路面に“50”のペイント跡があるけど、
 こんな道で制限速度50キロって
 ちょっと危なくない?

 
 そうよね〜。
 こんな、ちょっと微妙な広さの
 いんちき2車線で、
 観光客とかも居ただろう道で
 50キロはスピード出しすぎ?

 そう言えば、海側に張り出した所って、
 観光客か釣り人のためなのかしら?
 街路灯や標識までそのまま残ってて、
 今でも現役の国道みたいですね。
 
 さぁて、これが「鳥糞隧道」です。
 「とりくそずいどう」って読みます。

 とりくそ… なんかキタナイ名前ね。

 周りの崖の様子が鳥の糞みたいだから?


 後から調べてみたら、
 海鳥の糞で白く見える事から
 「鳥糞岩」と名付けられた断崖にちなんだ
 名前のようです。
 レオちゃん、残念 (≧▽≦)ノシ
 それにしても くそ ですか?
 
 コンクリートなのは入口の所までで、
 あとは素堀りになってます。
 普通ですね。
 照明はあるけど、やっぱり真っ暗。

 ちなみに、全長159m、幅5.5m、
 高さ4.5m、これは車が通れる高さですね。
 昭和32年竣功だそうです。
 

 真っ暗だけど、
 なんとかライトなしでも歩けます。
 しかし、こんな程度の道幅じゃあ
 トラック同士のすれ違いは大変でしょう。

 この隧道って、高潮なんかで
 海水が中まで侵入してくる事があるそうですよ。

 なるほど、だから道の両脇に
 側溝が作ってあるんだ。

 溝に残った水をなめたらしょっぱいかもよ?

 いや、遠慮しときます・・・

 
 出口の形が四角いと思ってたら、
 ロックシェードが付いてた。

 前に来た時には、
 隧道の中にいろんな物があったけど、
 今はなんも無いね。

 なるほど、捨てられた訳じゃなくて、
 物置きとかに使われる事もあるんですね。
 
 このロックシェードは、支柱が金属製です。
 潮風の影響でさびが出てます。
 支柱に塗装の記録が貼ってありましたが、
 1996年11月に塗り直したそうです。
 ちょうど11年前ですね。
 さびてるだけじゃなく、
 何か“ぬめっ”ってなってんですが・・・

 横を見ると綺麗な日本海が見えます。
 磯で釣りをしてる人もいて、
 のんびりした景色です。
 
 外に出て上を見上げてみたら
 断崖絶壁!
 しかも落石防護ネットがびっちり張ってある。
 なんか、ネットの色が濃い部分があるな?と
 よく見たら、穴を補修した跡だった。
 つまり、落石でネットに穴が開いたのですよ。
 それって、マジでやばいです。
 越前海岸が国定公園でなければ、
 崖はすべてコンクリートで
 固められていた事でしょう。
 あ。扁額があんな所にある。
 
 こんなとこ車で来たら
 通りたくナイですよね。
 呼鳥門トンネルが2002年に出来たので、
 それまでこんなとこを通って・・・
 って、最近まで現役だったの?
 それに後ろの崖を見ると
 白っぽ〜い所が…
 これですか? これが隧道名の由来になった

 鳥のうんこ?

 レオちゃん、そういう発言つつしもうよ
 
 隧道を抜けた先には
 不粋なフェンスがありました。
 黄色いセンターラインは
 その向こうまで続いていき、
 廃道は日常の世界に帰って行きます。

 呼鳥門トンネルの敦賀側坑口は
 フェンスを抜けたすぐ左側にあります。

[2007年11月現在]


「呼鳥門」とは、1958年に県道として開通した時に、福井県知事・羽根盛一氏が
「渡り鳥を呼ぶ門」ということで呼鳥門と命名したものです。県道の新設中に発見されたという事ですが、
現在、越前加賀海岸国定公園における観光の目玉として賑わっています。
呼鳥門は中新世の礫岩から出来ており、厚さ10m程の礫岩層の堆積により形成されています。
この礫岩層は、堆積した礫岩の上を削るように次の礫岩層が堆積したために、
海側に傾いた地層のラインが出来たと思います。
呼鳥門の天井にあたる平らになっている所も、この礫岩層の境界面なのでしょう。

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