【長野県・大鹿村-小渋峡の吊り橋】
長野県大鹿村の県道59号線沿いにある、小渋峡に架かる中部電力の吊り橋。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 
 グーグルストリートビューで
 偶然見付けた物件です。
 県道上からちらりと
 黒い吊り橋の姿が見えます。

 小渋ダムのダム湖の横を
 延々と走って来ました。
 タイミング悪く、
 ダンプの後ろをノロノロと・・・
 で、やっと着いたのがココ。
 県道の横には、
 旧道のアスファルトがあります。
 橋のおかげで、
 車が入れるようになってます。
 
 吊り橋を渡ってみる前に、
 旧道の方を探索してみよう。
 …50mもない旧道だけどね…
 まあ、特に何もありませんが、
 橋を高い位置から
 見る事が出来ます。
 

 路面ギリギリに立つと、
 真下に見えるのが
 橋詰って所です。
 もうあと一歩前に出ると
 4mぐらい下に落ちます。
 ここから降りるの?

 

 そんなワケありませんね。
 旧道の横から
 橋までのスロープがあります。
 まるで旧々道のような雰囲気。
 旧道はアスファルトが剥がれちゃって
 まるで林道のダート状態です。

 
 近くで見ると
 立派な吊り橋です。
 主塔は鋼鉄製ですが、
 高欄や床板は木材ですね。
 

 これは主塔の手前の部分です。
 ケーブルで吊ってないので、
 I(アイ)ビーム橋なのでしょう。
 立派だと思ったけど、
 床板がけっこうガタガタな状態だった。
 板が反り返って釘が抜けた所は、
 板が浮いてしまい、
 本当に乗るとガタガタするよ。

 
 観光用とかじゃないからか、
 橋桁は狭いです。
 これで制限荷重300kgだそうです。
 4人ぐらいなら渡れそうですね。
 とは言え、木造部分が怪しいので
 2人ぐらいが無難かも?
 

 県道側を見ていて気が付いたけど、
 歩道の一部が桟橋になってる。
 岩場の上の、道が造れない所に
 コンクリの“橋”が架かってます。
 歩道や橋台があるので
 そうは見えないのですが、
 崖っぷちに架かる橋なワケです。

 
 主塔の前後に橋桁が付く形です。
 この主塔の向こうからが
 “吊り橋”になるワケです。

 それにしても、木造の部品が
 乾燥して割れちゃってます。
 防腐処理のために黒く塗ってありますが、
 すっかり剥げちゃってます。
 
 対岸にあるのは、
 中部電力の施設でしょうか?
 何かの建物があります。
 法面には石をびっしり並べた
 擁壁が印象的です。
 
 アンカレージも見ておきましょう。
 橋桁が載ってる所、
 橋台がアンカレージになってます。
 ネジには抜けない為の金具が付いてる。
 これなら安心です。
 でも、メインケーブルが繋がってる金具が
 小さなボルト6本で留められてるのが
 ちょっと心配。
 (無論ちゃんと繋がってますよ)
 
 今度は下から見てみよう。
 ここはケーブルで吊られてない所です。
 やっぱり、I(アイ)ビーム橋でしたね。
 狭い橋桁には不釣り合いな程の
 ごつい鉄骨が使われてます。
 これなら300kgが載っても大丈夫?
 右下のコンクリは
 耐風索のアンカレージです。
 
 吊り橋部分も頑丈そうです。
 裏側は鉄骨によるトラスフレームです。
 300kgは伊達じゃありませんね。
 河原に降りようと思ったけど、
 ちょっと斜面が急過ぎて無理だった。
 せめてここからいろんな角度で写そうと
 右へ左へ移動したけど、
 耐風索がちょうど頭と同じ高さにあるので
 ぶつけそうで鬱陶しい。
 (一回ぶつけた)
 

 橋全体を真横から写せないので
 せめて主塔だけでも
 横から写してみました。
 吊り橋とIビーム橋2つで
 3径間の橋です。

[2014年7月現在]


橋の下を流れる小渋川は、昔から災害を引き起こす荒れ川でした。
昭和36年にあった「三六災害」により、小渋川一帯は甚大な被害が出ました。
その小渋川の治水の為に、小渋ダムが造られました。
さらに上流には、中部電力が運用する生田ダムがあります。

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