【滋賀県西浅井町-湖北隧道】
滋賀県は日本一の湖、琵琶湖がある県です。 その琵琶湖を望む高台に、1つの古い隧道があります。
その隧道の前には、奥琵琶湖パークウェイと言う有料道路だった道があります。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 
 湖北隧道…読んで字のごとし
 琵琶湖の北にある隧道です。
 何だか新興住宅地の「自由ケ丘」みたいな
 ひねりの無い名前ですね。
 でも、その姿はけっこう個性的でした。

 隧道の周辺図はこちら→■周辺図■

 国道303号線から県道に入ると
 いかにも郊外って感じな所を通ります。
 え? 意味不明?
 何て言うか、この先に奥琵琶湖パークウェイや
 隧道があるようには見えない雰囲気。
 そんな、町中を過ぎると、
 山の中に入って行きます。
 道は徐々に高度を上げていき、
 琵琶湖の風景を眺めながら走って行くと
 三叉路が現れます。
 湖北隧道はもう目の前です。
 (ってゆうか見えてる、見えてる)
 奥琵琶湖パークウェイの料金所があったのは
 画面左側の少し先です。
 

 まずは東側から。
 名前とは裏腹に、何て個性的なお姿。
 これは石造りでしょうか?
 しかもポータルの横縞が
 デザイン的なアクセントになっています。
 まるで昔の石造りの建築物のように重厚な雰囲気。
 大正時代に造られた隧道。
 じゃなくて、昭和9年の完成でした。
 しかし、計画は大正時代から進めていたはずで、
 やはり大正の匂いは感じます。
 全長162mです。

 
 遍額のアップ。
 すごい達筆で、
 右から「湖北隧道」と書いてあります。
 あら?
 石造りだと思ったけど違う?
 コンクリートで石っぽく造ったみたいですね。
 でも石という可能性も捨て切れませんが…
 本当はどっち?
 

 中はコンクリート吹き付けね。
 外は力入っているのに、
 中はのっぺり。
 キャンバスにちょうどいいのか、
 落書きしてあります。
 こんな所まで!
 しかもどこででも見掛ける変な文字。
 書いた人は芸術家気取りなんでしょうが、
 外国のアーチストの物真似じゃあ
 芸術なんて言えません。

 

 これは西側から見た所です。
 デザインは反対側と同じながら、
 微妙に雰囲気が違います。
 こちらの方が、気持ちいい感じです。
 で、こうやって写真を撮ってる間も
 何台も車が通りました。
 なんか意外…
 意外は失礼ですね( ̄▽ ̄;)
 でも、車なんか通らなそうだし
 「人知れず」とか「隠れた」って言うのが、
 こんな隧道にはお似合いです。
 実際は、奥琵琶湖パークウェイから
 国道303号線へのショートカットなので
 利用者は多いようです。

 

 西側の遍額付近のアップ。
 蔦が隧道に向かって、這い寄って来ます。
 不思議ときれいなのは、手入れされているから?
 でも、掃除まではされていないみたい。
 汚れ付き放題ですね。
 まあ、どこの隧道もそうなんですが。
 

 

 こちら側にも落書きがあります。
 書いた、と言うより削った?
 よく見ると、1957.8.5の文字が…
 1957年って今から47年前ですよ。
 1957年って言う年は、
 人工衛星スプートニク1号が打上げられた年です。
 宇宙時代の幕開けの時に書かれた落書き。
 これも一つのロマンでしょうか?
 それにしても、昔の落書きって素朴ですね。
 名前と日付けだけなんて。

 
 ここからは、国道に向かって下って行きます。
 そこそこに広くて、きれいな道が続きます。
 湖北隧道に後ろ髪を引かれつつ
 この場を後にします。

[2004年9月現在]

石造りか、はたまたコンクリート造りか。
一見石造りの様にも見えますが、建設当時、コンクリート建築は先端技術だったと思います。
昭和の初めに、当時最高の技術を投入したと考えるのが、自然なように思えます。

「本邦道路隧道輯覧」と言う、隧道のデータを集めた古い資料によると、
湖北隧道はやはりコンクリート造りの隧道だという事です。
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