【愛知県西枇杷島町-跨道橋】
愛知県西枇杷島町には、日本で最初に造られた歩道橋があります。
その近くにも古い物件がありました。それは年期の入った煉瓦の跨道橋です。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 
 本当に偶然見付けたんです。
 何となく歩いて来たら、
 線路の下に見えていたそれは…
 何と!煉瓦の隧道。
 いや、これは橋だ。そうは見えないけど。
 しかも、小さい。
 小さい隧道周辺図はこちら→■周辺図■
  最古の歩道橋はここ/ ̄ ̄\

 上に山が無いのが不思議なくらい
 立派な煉瓦隧道です。
 でも、こういうのって隧道じゃなくて
 “橋”です。
 煉瓦のアーチを造ってから
 上に築堤を造ったので、隧道じゃないんです。
 新幹線がビューーンと通過して行きます。
 700系です。
 20世紀と21世紀が交錯しています。
 これはすごいぞ。
 時間が止まってるようとは、
 まさにこの事。
 
 近付いてみました。
 煉瓦4重巻の頑丈な物です。
 やっぱり、上を電車が通るから?
 いえ、建設当時はSLが主流だったんじゃない?
 重い蒸気機関車に耐えるために
 道路隧道なみの構造なのでしょう。
 おかげで、現在も使用出来るわけね。
 歩行者専用ですが、自転車もOKです。
 今さっき自転車に乗った人が通ったけど、
 頭ぎりぎりでした。
 
 中に入ると頭上数センチに天井が…
 身長180cmの人ならば、
 確実に頭こすります。
 っていうか、首を曲げなければ立てませんね。
 私の場合、耳が天井にくっつきそう。
 こういうのも、普通の隧道じゃ味わえません。
 しかも、すごくきれいです。
 苔が付いたりしてません。
 でも、煉瓦製なので明治か大正時代よね?
 

 という訳で、古い地形図を調べてみた。
 ちょうどこのあたりの古い地形図がありました。
 大正12
年です。
 それらしい隧道が線路の下をくぐってます。
 これなの?
 でも、位置がちょっと微妙。
 いまいち断定出来ませんが、
 まず間違い無いでしょう。

 写真は、煉瓦の下の土台部分です。
 これは壁じゃなくて橋台ですね。

 
 反対側に出ました。
 こちらのアーチの煉瓦は、色鮮やかです。
 土台部分は途中からコンクリートになってる。
 それにしても「ひったくりに注意!」ですか?
 向こうには「痴漢に気をつけよう」ってあった。
 確かにちょっと危なそうな雰囲気もあるよね。
 でも、ひったくり犯が逃げる時、
 天井で頭打ちそうだけど…
 
 こっちはガードレールで
 路肩の一部が塞がれてます。
 中に車が入らない様にしてるのでしょうか?
 そんな事しなくても、
 誰も入ろうなんて思わないけど。
 それとも、違法駐車対策ですか?
 将来、新幹線がリニアモーターカーに
 とって変わられた時、
 ここの景色はどんな風に変わるのでしょう。

[2005年8月現在]

上を走る列車は高速化されても、隧道は今日も時代の流れとは無関係に、
この場所で自らの使命をまっとうしています。

何とも天井の低い跨道橋ですが、もしかしたら路面がかさ上げされた物かもしれません。
橋台を見ると、積んである石が2列と4分の1ぐらいの、中途半端なサイズです。
近くにある同じような跨道橋が、常識的な高さがある事を考えれば、
30cmぐらい埋められたのかもしれません。
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