愛知県・豊橋鉄道田口線跡-清崎トンネル群】前編
愛知県鳳来町から設楽町田口まで繋いだ、豊橋鉄道田口線。
長原前(ながらまえ)駅と田峯(だみね)駅の間にも、3本のトンネルがあります。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 
 国道257号線の清崎トンネルが
 田口線の清崎トンネルを改築した物で、
 今でも田口線のトンネルの方も
 残ってるそうです。
 そこは、薮に埋もれた廃トンネルでした。
 まさにウチにうってつけのネタですね。

 清崎トンネルってどこ?→■周辺図■

 田口方面から国道257号線を南下し、
 清崎トンネルを過ぎると
 すぐ左側に田口線跡に行く道があります。
 本当にすぐなので、車なんかで行く時は、
 トンネルを出る前から
 ウインカーを出さないと間に合いません。
 写真の真ん中の道の向こうに見えてる
 三角の物がその清崎トンネルの一部です。

 そして鉄道の清崎トンネルは右側の
 影になった所に口を開けてます。
 
 田口線の軌道跡は
 ちょっと高い位置にありました。
 その前に、これは何?
 田口線に関係ある物かと思ったけど、
 よく見たら「山神」って彫ってあった。
 民間信仰?
 昔からここにあったのだろうか。
 でもこの位置、駅があった場所だ。
 という事は廃線後に置かれたって訳?
 いや、むしろここに戻って来たのかも。
 鉄道の軌道になったために移転したのが、
 廃線になったので元の場所に
 戻されたのかもしれません。
【清崎第三隧道】

 で、本題の清崎トンネルです。
 なんかすごい事になってる。
 軌道跡は完全に埋まってます。
 長い間こんな状態だったらしく、
 石の表面は苔むしてるね。
 水が流れていて小さな川になってます。
 “川”と言うより“沢”みたい。
 サワガニもいたしね。
 
 トンネルの前にコンクリートの何かがある。
 トンネルの一部だろうか?
 ちなみに「長原前駅」はここのすぐ南、
 最初の写真でバイクが置いてある
 右側にホームがありました。
 昔の写真を見ると、
 こじんまりとした無人駅でした。
 それにトンネルにも
 立派なポータルがあったので、
 やっぱりこれってトンネルの一部かもね。
 

 清崎トンネルを見ると、
 ポータル部分が壊れてるのがわかります。
 足元に転がってる瓦礫の中には、
 トンネルの壁の一部が混じってるのかな?

 それにさっきから、
 ピチョ〜ン ピチョ〜ンって
 水滴が落ちる音がしてる…
 まさかこれって・・・

 
 水没してる。
 なんと! 田口線のトンネルで
 水没してる物は初めて見ました。
 先程の水滴の落ちる音は、
 地下水が天井からしみ出した物のためです。
 このトンネルは、国道のトンネルと
 繋がってるそうですが、
 ここからじゃ確認できません。
 ライトの光も届かないのか、
 闇の中にあるであろう
 コンクリートのふたは見えません。
 それとも土が詰めてある?
 

 下に溜まった水は、なんともきれい。
 まるで濁りがありません。
 でも、どうしよう。
 浅いし、トンネル全部が
 水没してる訳じゃないみたいだけど、
 今は無理。
 つめたそうだし。
 閉塞地点の確認は、今後の課題ですね。

 
 トンネルの前から、
 軌道が伸びている方向を見てみました。
 流れ込んで来た土砂が
 視界を塞いでます。
 では、次のトンネル
 「第2清崎トンネル」に向います。

 ■ 後に調べた結果、北側から
 「清崎第三隧道」「清崎第二隧道」
 「清崎第一隧道」だと分かりましたが、
 レポートではそのままにしてあります。
 
 軌道跡は舗装されてますが、
 落ち葉や苔で、すっかり荒れてます。
 まるで廃道状態。
 いや、これって本当に廃道ですよね?
 ガードレールまであるので、
 廃線後しばらく車道として
 使われた時期があったのでしょう。
 
 さらに歩いて来ると
 切り通しのような所があります。
 それに新しめの車の轍が残ってた。
 こんな所まで来る車がいるの?
 そういえばさっきまで
 川辺を通ってたけど、
 今は山の中みたいな雰囲気。
 これはトンネルが近いのかな。
【清崎第二隧道】

 あった。ありました。
 「第2清崎トンネル」。
 山の風景に同化してます。
 今撮影してる所からトンネルまでも
 土砂が流れ出て来てる。
 田口線が廃止される直前の
 昭和43年8月29日に台風10号により、
 田峯〜清崎間が不通になったそうですが、
 それはここなんだろうか?

 …実はもっと酷く崩れてた所がありましたが
 それは後ほど。
 
 坑口に近付いてみると、
 通行止の柵が置いてあった。
 こんな所、誰も車で入らないだろうって
 思うけど・・・
 広い世の中、好き好んでこんな所を
 車で突入したくなる人がいるからね〜。
 それにやけに横に長いポータルです。
 中を見ると真っ暗で、
 反対側の入り口が見えない。
 そんなに長いトンネルじゃないので、
 もしかして埋まってる?
 
 トンネル側から今来た道を見た。
 こんな感じです。
 軌道跡は半分ぐらい埋まってます。
 車も入れそうですが、
 入らない方がいいでしょう。
 Uターン出来る場所がありません。
 
 では、トンネルの中に入ってみましょう。
 土砂がトンネル内まで侵入していて、
 床に分厚く堆積してます。
 水が流れる所が削れて川になってる。
 あ。出口が見える。
 トンネルがカーブしてるので、
 見えなかっただけです。
 取り敢えず閉塞はしてません。
 
 閉塞してないけど、
 半分近く土砂で埋まってる。
 通行止の柵がここにもありました。
 こちらからは車は入って来れないでしょ。
 それとも、人に対しての物?
 
 土砂の上からトンネル内を見ると、
 こんな風に見えます。
 けっこう高い位置になりますね。
 そう言えば台風で崩れたらしいですが、
 ここもそうなら、
 この土砂の下にはレールとか枕木なんかが
 今でも埋まってたりするのかな?
 
 トンネルから出ると酷い薮が…
 薮の下には崩れて来た土砂があって、
 でこぼこです。
 この先には第3清崎トンネルがあるけど、
 行けるのこれ?
 
「清崎第一隧道」
 
 こちら側のポータルは木々と薮に覆われて
 全体が見えません。
 でも、こんな風になってても
 対岸の国道から見る事が出来ます。
 国道からしか見た事のない人は、
 どんな状態なのか気になってたでしょうが、
 こんな感じです。
 次は第3清崎トンネルです。

[2006年3月現在]

まさに廃線跡と言える景色が続く、絶好のポイントです。
国道から簡単に行ける事もあって、廃線巡りにおすすめです。
ただし、簡単に行ける=安全と言う訳ではけっして無いので、落石等には充分注意をして下さい。
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