【長野県・木曽福島-鉄管橋】
長野県木曽福島町の木曽ダムの近く、木曽川に架かる発電用の水路橋です。
鉄管橋ともサイホン橋とも呼ばれています。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 
 水路橋というのは、
 ネタになりにくいのですが、
 これは車も通れる
 橋だと言うので、
 レポートしましょう。

 国道19号線沿いの
 道の駅・木曽福島の北側の
 ガソリンスタンドの
 裏を通る道を降りて行きます。
 荒れた細い道なので
 ちょっと不安になりますが
 かまわず下ります。
 
 途中、水路の構造物らしき物の
 横を通ります。
 間違いなく、
 この下に水路が通ってるんでしょう。
 向うに水色の橋が見えます。
 
 ぐるっとカーブして
 道と水路は木曽川を渡ります。
 こんな所に車なんて
 通らないだろうけど、
 いちおうバイクは、
 道の横に架かる小さな橋の上に
 置いておきましたよ。
 
 橋の正式名は分からないので、
 「鉄管橋」とします。
 地元でも鉄管橋とか水路橋なんて
 呼ばれてるそうです。
 それにしてもこの迫力の景色。
 極太の鉄管もさることながら
 木曽ダムの放流も迫力満点。
 まあ、遠いですが…
 
 こんな看板があった。
 「車両通行制限 3t以下」
 橋の上の路面は鉄板だけど、
 3トンも通れるんだ。
 なんて考えてたら、
 車が来た!
 
 こんな細くて寂れた道なのに、
 車が降りて来ました。
 バイクどけておいてよかった。
 じゃなくてこれはチャンス。
 鉄管橋を通る車の絵を押さえなくちゃ。
 なんとかギリギリ撮影出来た。
 
 では、橋を渡ってみましょう。
 路面がアスファルトじゃなくて
 鉄板なのが変な感じです。
 作業用通路みたいですよ。
 
 ペンキがきれいなので
 新しそうだけど、
 昭和13年に完成したのです。
 戦前ですね。
 水色なのは水路を意識してる?
 
 70年以上も前の物なので、
 現代の物と違い、
 作りが複雑です。
 パズルのように組立られてる。
 

 また車が来るかもしれないので
 さっさと渡ってしまいましょう。
 橋の前後に橋門構という
 立派な物が付いてます。
 おかげで背の高い車は
 通れなさそう。
 高さ制限があって2.5mまでです。

 
 トラス橋より先は、
 鉄板じゃなくて
 エキスパンドメタルってやつ?
 あみ目状だけど、
 これで3トンが載っても
 大丈夫なものなの?
 ここにもコンクリの円筒があります。
 
 渡りきって振り返ったところ。
 橋は曲がってますが、
 鉄管はまっすぐ地面に入って行きます。
 その先は、木曽ダムからの水と合流し、
 寝覚発電所に向けて流れて行きます。
 
 橋の先も細い山道が続いてます。
 このまま進むと
 木曽ダムからの道に出ます。
 
 これにて鉄管橋のレポは終わり。
 最後に橋の上からの景色をどうぞ。
 南側を見ると、
 道の駅・木曽福島が見えます。
 この橋においでの際は、
 車を道の駅に駐車して
 歩いて来た方がいいですよ。

[2012年7月現在]

鉄管橋は昭和13年(1938)9月21日に、下流の寝覚発電所に水を送る為に建設されました。
水は木曽川の上流から取水しています。
元々あった神戸発電所を、関西電力が買収し、寝覚発電所に水を送る施設に改造しました。
製作は横河橋梁製作所で、上路プレートガーターと下路プラットトラスで出来ています。
長さ105m、幅3m。下の画像は工事中の鉄管橋。「工事画報」昭和13年11月号より引用。


【参考】木曽路名水探検隊のブログ
木曽川に架かる橋(2) 〜寝覚発電所サイホン橋〜
深まりゆく木曽路の秋 〜寝覚発電所木曽川取水ダム〜
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