【岐阜県・揖斐川町-河合発電所取水堰の吊り橋】
岐阜県揖斐川町春日にある、河合発電所に水を送る為の取水堰に架かる、木造橋桁の吊り橋。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 
 Yahooの地図の空中写真で見付けた物件。
 行ってみたら中々良い木造吊り橋でした。

 良い橋はここ→■周辺図■

 大垣側から来ると、
 春日鉱山跡を過ぎて、
 少し行った所にあります。
 県道から農道を下りて行くと、
 途中に歩道が分かれていて、
 すぐに取水堰に着きます。
 お〜〜。立派な吊り橋が架かってる。
 これは「当たり」か?
 
 新しい橋なのか、
 あまり色褪せた感じはないようです。
 取水堰で水を取ってるからなのか、
 川に水が少ないです。
 でも、溜ってる水は青くて綺麗ね。
 
 では、渡ってみましょう。
 思った通り立入禁止だ。
 でも、鍵が掛かってない。
 これは立入り黙認なんだ と、解釈して
 門を開けて入りました。
 しかし狭い橋桁ですねぇ。
 幅が50〜60cmぐらいしかない?
 ちなみに今までの写真が6月に撮った物で、
 これ以降が9月に撮った物です。
 

 3ヶ月も違うと雑草が増えてます。
 それと、6月には無かったモノが増えてる。
 そこら中に蜘蛛の巣が張ってる…!
 左右のハンガーケーブルの間に張ってるので
 ちょっと…いや、かなり邪魔ですよ。
 で、引っ掛からないように
 慎重に歩きます。
 おかげでそんなに揺れません。

 
 県道側はこんな感じ。
 奥に見えてる看板は
 「水利使用標識」と言う物です。
 許可年月日が昭和53年1月なので、
 この橋もその年に造られたのでしょう。
 昭和53年と言えば1978年だ。
 今から35年前ですね。
 

 確かに、35年経ってる様な風格です。
 最初は腐食防止の為に
 茶色く塗ってあったんでしょうが、
 今じゃ剥がれてます。
 しかも、微妙にガタがきてるし…

 
 右側に目をやると
 取水堰のゲートがあります。
 ここから河合発電所に水を送るのですね。
 河合発電所はいつ出来たのだろうか?
 ちょっと調べてみたところ、
 何と! 1913年、大正2年だそうです。
 昭和53年に改修工事がされて、
 発電機とかが取り替えられたそうで、
 橋もその時、新しくなったんでしょう。
 

 対岸まで渡りました。
 コンクリ主塔がオレンジ色ですが、
 これって「ツブダイダイゴケ」
 っていうものだそうです。
 苔じゃなくて「地衣類」とか言うもので
 菌類の一種だそうな。

 
 橋を渡った先は、
 訳の分からない機械や施設があるけど、
 物が分かるのに訳が分からない物があった。
 お地蔵様?
 なぜここに?
 名前が彫ってあったので、
 工事の犠牲者の供養の為なんだろうか?
 足元に1円玉が供えてあった。
 
 新しい橋とは言え、
 やはりあります、人数制限&重量制限。
 人は3人まで、重さは200・・・何?
 二〇〇瓩って、200kgですよね?
 キログラムを「瓩」と書くなんて
 初めて知った。
 
 橋を真下から撮りたかったけど、
 河原に下りる事が出来なくて断念。
 下りるルートはありそうですが、
 今回はここまで。
 大正時代には
 どんな橋が架かってたのでしょうね。
 現在の橋が、
 古い橋のデザインを引き継いでるとしたら、
 木造のトラス補剛吊り橋が
 架かってたのかもしれません。
[2012年6/9月現在]

河合発電所は、岐阜電気の造った2番目の水力発電所です。
1913年(大正2年)建設で、1,000kWの出力がありました。
岐阜電気は1920年(大正9年)に経営困難により、名古屋電灯に吸収合併されました。
現在は中部電力が管理しています。
1978年(昭和53年)には改修工事を行い、出力も1,500kWに引き上げられました。

kgを「瓩」と表記するのは、気象庁が明治時代に作った分量単位の漢字によります。
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