【静岡県・浜松市天竜-勝坂橋】
静岡県浜松市天竜区春野町を流れる、気田川に架かる吊り橋です。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント

 
 県道389号線を気田川沿いに
 北上して来ると「幸橋」があり、
 さらに上流にも
 赤い吊り橋があります。

 県道を走ってると
 「勝坂神楽の里総合案内所」が
 見えてきます。
 吊り橋の目印なのですが、
 橋は県道横にあって
 目印は必要ありませんね。
 

 案内所の建物自体は
 特徴が少ないのですが、
 その前に凄く目立つ物が…
 でっかい狛犬です。
 いや、これって獅子舞の獅子?
 焼き物で出来てる。
 鬼瓦と同じ粘土を使ってます。

 
 しかもアンカレージに載ってるし。
 焼き物で作った文字があるけど、
 何て書いてあるのだろう?
 最初の字がよく見えないですが
 「美しいむら」「勝坂神楽の里」
 「平成八年三月春野町長森下茂」
 平成8年に橋が出来たんだろうか?
 もう20年以上前だね。
 

 もう1体は口を開けてます。
 いわゆる「阿吽」ってやつです。
 仁王像でお馴染みです。
 すっかり蔦に覆われてますし、
 地面には黄色い花が咲いてます。

 
 後ろはどうなっているのかな?
 って、たいらだし。
 制作者の名前がありました。
 「鬼秀四代目 名倉孝」
 調べてみたら、現代の名工だそうです。
 すごいですね。
 鬼瓦職人だそうで、
 だから瓦と同じ粘土なんですね。
 

 おっと、何のレポートだか
 分からなくなりますね。
 吊り橋に戻りましょう。
 橋桁の幅が広くて、
 車も通る事が出来ます。
 対岸に渡る唯一の道ですからね。
 ちなみに、左側のピンクの建物は
 勝坂小学校跡だそうです。

 
 この地方によくあるデザインで、
 銘版には「勝坂橋」
 隣には「昭和62年7月完成」。
 あれ?平成8年じゃなくて、
 橋が出来たのは昭和62年なのね。
 

 では渡ってみましょう。
 下流にある「幸橋」に
 そっくりです。
 長さや幅はどれくらい?
 実は橋の情報が書かれた
 銘版があったのですが、
 見落としてしまって、
 撮影出来ませんでした。

 
 対岸のアンカレージは
 木の帽子をかぶってます。
 手前の木のおかげで
 そういう風に見えるのですが。
 黒く見えるのは
 影じゃなくて黒ずみです。
 
 坂を上がって
 背後から見てみた。
 こっち側はきれいです。
 正体を知らなけりゃ
 訳の分からない
 コンクリの固まりにしか
 見えないね。
 
 横からも見てみよう。
 昭和後期らしい感じです。
 この橋は5トンまで
 大丈夫だそう。
 
 橋桁の下も
 頑丈そうな作りです。
 
 これにて勝坂橋のレポートは
 お終いですが、
 下流側に古い橋の主塔があります。
 気になるのでちょっと
 見てみましょう。
 
 中々に古そうです。
 主塔に名前があった。
 文字がほとんど消えていて
 かろうじて「□坂橋」と読める。
 旧・勝坂橋なんですね。
 
 他に何か分からないかと
 見てみたら、
 竣工年らしき物があった。
 「昭和拾…」
 と言う事は
 昭和10年台の建設なんだ。
 

 さらに、こんな物まで発見。
 柵がわりの鉄骨は、
 何と鉄道のレールです。
 それも林鉄の物です。
 この辺りは気田森林鉄道が
 通っていたので、
 そこで使われていた物かも。

[2017年7月現在]


勝坂は、400年の伝統のある、勝坂神楽が伝わる地域です。
勝坂神楽で舞われる獅子舞は、牡丹柄の女物の着物に獅子頭という珍しい物です。
アンカレージの上の獅子頭は、この獅子舞をモデルにした物です。
「勝坂神楽の里」は、平成6年に地域資源を活用し、地域づくりのモデルとして作られました。

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