【岐阜県・下呂市-川上の廃吊り橋】
下呂市の山の中、高山市との境に近い馬瀬川上にひっそりと架かる廃吊り橋です。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 
 時に紅葉シーズンの11月初旬。
 この近くにある
 せせらぎ街道は渋滞するので、
 萩原から国道257号線を通って
 来ました。
 ちなみに「川上」と書いて
 「かおれ」と読みます。

 萩原から国道を北上して来ると、
 「かおれトンネル」に着きます。
 橋はそのトンネルを
 ぐるっと迂回するような細い道、
 国道257号線の旧道にあります。
 橋は旧道からほとんど見えないので、
 今まで気が付きませんでした。
 しかも、橋に降りる道が
 こんな所にあるし。
 
 上の写真じゃよく分からないけど、
 ガードレールの隙き間に
 踏み跡のような道があります。
 そこを降りると・・・
 ケーブルが横切ってる。
 こんなんじゃ、
 ちょっと気が付かないよね?
 
 うわ なんと、怪しい感じだ。
 主塔に赤い木が打ち付けてあって
 立入禁止になってます。
 紙が貼ってあって
 「立入禁止 岐阜森林管理署」とある。
 と、言う事は、
 この吊り橋は林業関係の物ですね。
 
 吊り橋に近付くには
 もうひとつ橋を渡らないといけないが、
 ・・・ボロボロですよ。
 苔が生えて、落ち葉が積もって
 腐ってんのこれ?
 乗ったら落ちそうな感じが
 激しくするけど、
 渡ってみます。
 足を一歩置くと、木材が沈み込んで
 折れそうになります…!
 摺り足で移動して何とかクリア。
 
 まずは、柵の外から見てみましょう。
 おおっ!完全無欠の廃物件だ。
 板が抜けてるし、
 植物に絡めとられてる。
 しかも周りは綺麗な紅葉の景色です!
 これは美しい。
 
 正面からは柵で行けないので、
 横から回り込んでみます。
 橋を渡れないように
 有刺鉄線が張ってあるけど、
 なんとか跨げます。
 床板に足を乗せてみると・・・
 な…なんとか大丈夫そう。
 
 でも、とてもじゃないが揺らせない。
 見てよこれ、板ないよ。
 でも、これくらいなら
 ささっと渡れるかも?

 いや、やっぱり無理。
 諦めた方がよさそう。
 
 行けそうに見えるって?
 いやいや、よく見て下さい。
 吊桁とハンガーケーブルを繋ぐ
 ボルトが抜けてる所があります。
 それにほとんどの吊桁が割れていて
 今にもスッポ抜けそうだ…!
 これは… 乗れば確実に
 落ちます。
 
 無理して渡たらなくてよかった〜
 さて、主塔をよく見てみましょう。
 こちらは大丈夫そうです。
 ボルトで組み立ててあります。
 
 いいね〜〜〜これ。
 紅葉の中に架かる廃吊り橋。
 凄絶な美しさがある。
 では、下からも見てみましょう。
 川までは結構な高さがあるけど、
 下りれそうです。
 
 高い!
 あんな所から落ちたら
 ただじゃすまなそうだわ。
 下の川は白波が立つ急流です。
 ほんと、ただじゃ済みませんよ。
 そして、恐ろしい事実を発見。
 
 橋桁がごそっと抜けてる!
 3mぐらいだろうか?
 白い紐がさがってるけど、
 あれで桁を支えてた時が
 あったんだろうか?
 どちらにしても、
 対岸に渡る事は出来ない訳です。

[2013年11月現在]

橋桁の一部がごっそりと抜け落ち、絶対に渡れない廃吊り橋です。
積雪や強風で、桁が落下してしまったのでしょう。
木橋の耐久年限は20年だそうで、この橋もすでに寿命が尽きています。
まだ橋の形を保っている今が、廃物件としての見頃かもしれません。
道ネタ「橋梁」TOPへ…