【岐阜県・下呂市-観音滝の吊り橋】
岐阜県下呂市小坂町の温泉地を南下、林道・下呂小坂線を2kmほど行った所にある、
観音滝の近くに架かる朽ちた吊り橋です。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 
 小坂町にすてきな吊り橋があるのを
 ネットで見付けたので、
 さっそく見に行って来ました。
 何でも壊れてて通行止めだそうな。
 なので取り敢えずは見るだけ、です。

 国道41号線を北上し、
 飛騨小坂で県道437号線に入り、
 道の駅・飛騨小坂はなももを過ぎて右折。
 県道をしばらく走ると、
 ダートになって林道に突入です。
 今日はセロー君なのでダートも安心です。
 でも、川沿いの崖っぷちの道なので、
 けっこう怖いです。
 さて、滝に行く為の案内看板があるので
 見逃さないようにしてると・・・
 あった!ありました。

 
 「安全第一」とでかでかと書かれた
 琺瑯看板が貼ってある小屋のすぐ近く。
 林道脇の斜面に立ってました。
 見下ろしてみると・・・
 お〜〜っと。
 なんという急斜面。
 とは言え、道があるので安心です。
 下までつづら折れの道が続いてるみたい。
 では行ってみましょう。
 
 遊歩道として整備されてたので、
 問題なく歩けます。
 木製桟橋が本格的。
 途中にロープも張ってあって、
 迷う事なしです。
 でも、誰も通らないのか、
 ちょっと荒れてます 。

 まだ橋は見えないかな?
 
 あっ。あった!
 なるほど、味のあるお姿。
 …あれ?なんだか違和感が…
 …何か足りないような気がする。

 …まあ、いいか。
 それにしても、綺麗な川です。
 

 吊り橋まで、あと少しというとき、
 こんな看板を発見。
 「吊り橋腐朽のため通行禁止
  岐阜県森林管理署」
 これこれ♪ ネットで見たサイトの写真に
 写ってた看板です。
 でも、こんなトコにあったっけ?
 確か橋の上に掛かってたような・・・

 
 さあ! これが目的の吊り橋です。
 ─って、橋桁 壊れてるし!
 確か3年前には、橋と川岸の間にも
 橋桁があったのに
 流されてしまったようですね。
 まさか、ここまで壊れてようとは…
 それにしても、木造主塔が何とも危うい。
 岩の上に載ってるだけに見えるけど、
 コンクリで固めてあるみたいです。
 
 主塔の上部のアップです。
 メインケーブルが無ければ、
 林鉄の橋の橋脚に見えなくもない。
 さぞかし古い橋かと思えば、
 なんと、ボルトで組み立ててある!
 看板みたいなのがあるけど、
 銘板か扁額なのかな?
 画像を拡大してもよくわからず。
 なんとなく、“人員三名”と読めます。
 人数制限注意看板なのかな?
 
 横から見ると、
 岩の上に載ってるのがよく分かります。
 す・すごいねぇ…
 落ちそうで落ちない。
 でも歪んでる。
 正面から見ると右に傾いてます。
 …それってやばくない?
 危険が危ないって感じです。
 

 吊り橋は危うい状態なれど、
 渓流の景色は、なんとも素晴しい!
 素晴しすぎます。
 綺麗な清流に、ココロが洗われます。
 ここは大洞川の上流で鹿山筋谷と言います。
 秋には綺麗な紅葉が見れるそうです。
 また秋に来なくちゃね。

 
 橋桁の一部が落ちちゃってますが、
 なんとか渡れないだろうか?
 主塔と床板の隙き間から体をねじ入れて
 撮影してみました。
 うわ〜〜… 傾いて波打ってる。
 欄干もあちこち壊れてますよ。
 オール木造の橋桁なので、
 乗ると恐ろしい事になりそうですね。

 ・・・でも、上がれそうだ・・・
 
 よっこいしょと、上がってみました。
 あれ? 意外としっかりしてる。
 ギシギシメリメリいうかと思ったけど
 なんともありません。
 これなら行けそうです。
 とは言え、揺らすと壊れそうなので
 ゆっくりと進みましょう。
 
 外れてます。
 どうやったら、
 こんな所だけ外れるのだろう?
 上の写真でも、すっぽ抜けてるしね。
 いくら構造的に問題なさそうでも、
 これはちょっとコワイ。
 まあ…これぐらいが、
 廃物件らしくてよいのですが。
 
 ギイギイと揺れながらも、
 中間地点を通過。
 見た目程危ない事はなかったですね。
 …今のうちは…ですが。
 そう言えば、観音滝ってどこ?
 橋の上から見渡しても
 どこにも滝らしきモノは見えません。
 川に流れ込む支流に、
 小さな“滝”があるぐらいです。
 

 対岸に辿り着きました。
 相変わらず欄干が壊れてます。
 こういうのって、風のせいだろうか?
 さて、対岸の様子はどうだろう。
 落ち葉が大量に落ちてます。
 秋に紅葉した葉っぱが、
 冬に落葉するからですね。

 
 こちら側の橋桁は、ちゃんと岸に
 ・・・届いてない!
 っていうか、板が抜けてる!
 まあ、こんなんは桁の上を歩けばOK?
 と、思って足を載っけたら… 折れそう。
 “3本の矢”のごとく、
 3本でなら人の体重を支えられるけど、
 1本じゃ無理なわけですよ。
 ポンっと行けそうだけど
 無理せずここでUターンします。
 
 その前に、この周辺を見てみましょう。
 対岸のアンカレイジはこんな感じ。
 これって、岩盤に直接
 ケーブルが刺さってるようです。
 まさしく「アンカー」だね。
 その向こうには、
 ねじれた切り株があります。
 自然と人工物のコラボってトコでしょうか?
 すごく絵になる景色です。
 
 廃吊り橋を充分堪能したので、
 戻るとしましょう。
 帰りも慎重に歩いていきます。
 こちらから見ると、
 林道側の主塔は酷い状態なのが分かる。
 歪んでしまって、平行四辺形になってる。
 ナナメ5度くらい?
 床板もひねられた様になってます。
 しかも、その向こうの橋桁は無いしね。
 
 最後に鹿山筋谷の美麗な渓流をどうぞ。
 この先に例の観音滝があるのです。
 吊り橋が渡れないので、
 新しい橋で滝に行けるはず…ですが…
 ないよ、橋。
 ここのサイトを見ると橋があるのに!
 影も形もありませんね。
 景観にそぐわないから撤去したの?
 おかげで滝には行けません。
[2011年5月現在]

綺麗な渓流の上に掛かる、壊れた吊り橋は、元々は林業の為の橋だったのでしょうか?
観音滝に行く為の橋として利用されていたようですが、老巧化により通行止めされていました。
上記サイト「がんでんの館」では、2008年の様子が見られますが、
この吊り橋は、その当時からすでに通行止めでありました。
それから3年あまりの間に、増水のためか、橋桁の一部が失われてしまいました。
2011年現在は、なんとか渡れる状態ですが、このまま風雨に晒され続ければ、
あと数年の内に完全に壊れてしまうでしょう。
観音滝へは、吊り橋の替わりに鋼鉄製の橋が架かっていので、そこから滝に行けましたが、
ところがどう言う訳か、新しい方の橋が先に無くなっていました。
撤去されたのか、流されたのかは分かりませんが、いっさい痕跡をとどめていません。

半年後に再び訪れました。11月の紅葉シーズンの訪問で、紅葉の景色は見られたのか?
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