【愛知県・県道426号線-かいち橋廃道】
愛知県の東の端、豊根村を通る3ケタ県道。その途中にある、災害を逃れるために出来た廃道。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 
 県道426号線は佐久間湖の北側の大嵐から
 国道418号線や県道1号線を通らずに
 愛知県側に出れる道です。
 新たなルート開拓のために
 走って来た時に見付けた廃道です。
 短いながら、中々に迫力があります。

 地図で見ると、川沿いの細い道で、
 険なる道かと思いきや、
 1車線ながら走りやすい道です。
 3ケタ県道にしては… ですが。
 そんな時に現れたのがこれ、
 線形改良廃道です。
 谷を1つショートカットしてますね。

 

 一旦通り越して、
 西側?から探索します。
 まあ、ここから全体が見えてるけどね。
 ガードレールでシャットアウト。
 車は通れませんが
 人なら通れます。
 背景がゴツイ崖になってますねぇ…
 何か危ない雰囲気がします。

 
 ここからだと、
 橋と旧道の関係が分かります。
 現道は方杖鋼ラーメン橋ですね。
 塗装されてなくて、
 錆び止めのサビで覆われてます。
 その橋の下の地面には、
 水が流れる為の、水路があります。
 現道橋が橋脚を使わないのは、
 この水路があるからみたいです。
 水路を避けてる訳です。
 
 その水路の上には、
 当然旧道橋があります。
 親柱とか高欄とかの、
 橋らしいアイテムはありませんが、
 銘板があった。
 「かいち沢」とあります。
 この下の水路のこと?
 それに、ガードレールが酷いことに…
 ひしゃげてます。曲がってます。
 
 反対側の銘板には数字があった。
 すごい錆びてるうえに
 字が削れててよく分からないけど
 何とか「1974」と読めます。
 1974年竣工みたいです。
 上に書いてある字は、
 残念ながら読めません。
 
 ここにも銘板が付いてます。
 「かいち橋」
 同じくガードレールが曲がってる。
 その下のコンクリも削れてるし、
 どんだけ凄いチカラが掛かったんだろ?
 これはやはり、アレですか?
 落石が当たったと・・・
 

 ここで一旦、現道の方から見てみよう。
 かいち橋の上のゴツイ崖。
 これが、かいち沢の正体ですね。
 これ、どう見ても土石流の通り道でしょう?
 今は穏やかで水も少ないけど、
 大雨の時は、大量の水と土砂が
 駆け下って来るのでしょう。
 沢の左右の斜面は
 コンクリで補強されてるけど、
 沢は補強しても崩れてしまうのだろうか?
 なんか、旧道橋の様子からして
 災害との闘いの歴史が垣間見えます。
 そりゃあ現道がショートカットで
 スルーする訳だよね。
 橋脚も沢から離すために
 あんな形になってるんだ。

 
 さて、再び廃道上に戻りましょう。
 崩れ沢であるかいち沢を
 真下から見上げてみました。
 すっご〜〜い、恐い風景ですよ。
 今にも岩が落ちて来そう。
 ずっと上の方に見える白い部分は
 コンクリの擁壁みたいです。
 その内に擁壁自体も落ちて来そうだ…
 
 ガードレール付の鉄骨が放置されてる。
 これはなに?
 通行止め用の物なのかな?
 ここの斜面はコンクリで補強されてるけど
 落石防止ネットが残骸になってるし、
 コンクリの表面が傷だらけですよ。
 間違いなく土砂崩れの跡だ。
 
 アスファルトの路面なのに
 まるでダートのようになってます。
 崩れた土砂を片付けた跡でしょう。
 ガードレールが外れたり
 路肩が削れたりしてます。
 この先にもガードレールのバリケード…
 上の写真と同じ物が置いてあるけど、
 どかせる事が前提の物ですね。
 こんな旧道でも、
 まだまだ使われるのでしょうね。
百両橋廃道

 今回の廃道の近くにも
 同じ様な廃道がありました。
 こちらは、単なる線形改良した跡ですね。
 旧道の橋は無くなり
 ガードレールも固定されてて
 完全な廃道になってます。
 現道橋の名前は「百両橋」
 ちょっと景気の良い名前ですよ。
 平成11年9月竣工ですって。

 

 旧道の橋の跡には、
 小柄な親柱が残ってます。
 例によって銘板はありません。
 災害のための廃道じゃなくて、
 お役御免での廃道みたいです。

[2012年5月現在]


かいち橋の旧道の災害の記録を探してみたところ、
2009年10月に通った人のサイトが見付かりました。
そこにあった写真には、旧道が土砂で埋められ、仮設の橋で迂回路が造られていました。
どうやら現道橋は、その後に架けられたのでしょう。
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