【岐阜県・県道68号線-中野方峠廃道群】
岐阜県の恵那市と美濃加茂市の間の、中野方(なかのほう)峠から南側にある廃道たち。
広くて走り易い道になった県道の横に、切れ端のように残っています。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 
 快適な山の中の県道を通ってると、
 道の外の林の中に細い道が…
 ありがちな線形改良廃道ですね。
 立ち寄る程でもないかな?
 なんて思ってたら、
 あるモノを発見。
 地図を見た方がわかりやすいかも→■周辺図■

 途中いくつか廃道がありましたが、
 いちばん峠に近い方の、
 ヘアピンカーブの内側にある廃道から
 探索してみます。
 今日はお天気も良くて、
 遠くには笠置山がはっきり見えます。
 道が広くなったとは言え、
 カーブは急な坂になっていて、
 今もって険道の雰囲気が残ってます。
 で、旧道の廃道は左側の木の下の
 白い部分が路面の断面です。
 
 上の写真じゃわかりづらいので、
 もっと近付いてみましょう。
 これならわかるかな?
 一段高い所にアスファルトがあって、
 すっぱり切断されてますね。
 今でさえきついカーブなのに、
 以前はもっと急なカーブだったんだ。
 ちなみに、このカーブを過ぎると
 その先はまだ改良されてなくて、
 昔ながらの険道のままです。
 峠までは狭いので気を付けてください。
 
 廃道の路面に上がって来ました。
 これがかつての県道68号線の姿です。
 まあ、普通です。
 ガードレールで道を塞いでありますが、
 これが無いと大変な事になります。
 それに向こうに見えるのは、
 さっき見付けた「あるモノ」。
 
 それは旧道上に残る県道標識
 「ヘキサ」。
 曲がってるけど、きれいなもんです。
 ただ、木が邪魔なのと、
 逆光になっていて撮影しづらいです。
 でも、こういうのが
 廃な雰囲気を盛り上げてくれます。
 

 県道の古い道といっても、
 1車線以上の幅があります。
 さすが主要地方道です。
 2ケタ県道なのはだてじゃありません。
 でも、すれ違いは苦労しそう・・・

 
 現道まで出て来ました。
 けっこう車が通ります。
 あ。こちらは通行止されてない。
 大きな土嚢が置いてあるけど、
 誰か間違えて入ってくるかも?
 これで先程のガードレールが無かったら
 不注意な車が落ちちゃう。
 って、そんな人いないか。
 

 反対側にも旧道が続いています。
 現道を渡って振り返って撮影。
 大きな土嚢は山の斜面を押さえてる
 ブルーシートの重しでもあったみたい。
 矢印看板が、車が入らないように
 交通整理してます。
 しかし、こんな所誰も入らないか。

 手前の廃道との境目にも何かある。
 ちょっとした段差が路面にあります。
 こういうのって何のため?
 車止めじゃないよね。
 なぜいっそ、ガードレールで塞がないのだろう?

 
 先に進んでも、それ程廃道っぽくない。
 ただの古い旧道に見える。
 こちらは使われてるのかな?
 
 間もなく現道に出て…
 いや、出れなくて終了。
 段差になってます。
 これは新しい県道が、山のでこぼこの上に、
 土を盛って道を造ったからですね。
 っていう事は、現道の下には
 旧道が埋まってるわけだ。
 埋まってる旧道は通れないので、
 現道を通って次の廃道に行きます。
 ちなみに、峠とは反対側に
 下って行ってます。
 
 ここも低い位置にあります。
 いかにも廃道な道が
 森の中に続いてます。
 昔はけっこう、寂しい道だったんだ。
 
 取り敢えずこの廃道は、
 ここからレポートを始めます。
 実際に見て歩いた順序と違うけど、
 この方がわかりやすいので。
 え?見てる方には関係ないって?
 そりゃごもっとも。
 
 ここはゆるやかにカーブした部分が
 取り残される形で廃道になったようです。
 現役の県道みたいにきれいな道ですが、
 途中には現道に繋がる道があります。
 何のためにこんなの造ったの?
 って思ったけど、
 どうやら元々県道から分かれてる
 林道だったみたいです。
 新しく出来た道のおかげで、
 少し道筋が変わっていて、
 同じ道には見えませんが。
 
 幅が少し広いせいか、
 道端の雑草があまり侵入してない。
 ひょっとして車が通れるのかも?
 いや、通れないです。
 段差にぶつかって終了。
 
 次の廃道はさらに下って来ました。
 ここはもう“里”って言ってもいいぐらい、
 集落のすぐ近くです。
 右側には、地図に無い小道があります。
 ここは微妙に使われてるっぽい。
 通行止の錆びた柵が、
 脇にどけてあったし。
 ここからは今までと違って、
 峠に向って戻る方向に進みます。
 
 山の中の廃道でよく目にするのが、
 散らばる木の実。
 “どんぐり”や“くり”が
 路面いっぱいにあるのは、
 動物のお食事跡なのかしら?
 今は10月なので、旬の栗がメインです。
 とげとげのいがを開けられるのは、
 サルしかいないので、
 サルが食べ散らかしたのかな?

 よ〜し、今日はお土産に
 栗きんとんを買っていこう。
 
 少し行くと、道の横に石が沢山積んであった。
 トラクターらしい轍の跡もあったし、
 石垣の補修用の石だろうか?
 やっぱり使われてるみたいだ。
 ここは現道に削られたのか、
 少し狭くなっていた。
 しかもごていねいにガードレールまである。
 横を見ると斜面に茶畑があり、
 その先に家が数軒建っていました。
 
 坂になってる所を上がって来ると、
 現道に出てお終い。
 今度はちゃんと繋がってます。
 現道を見ると、斜面に土を盛って
 道を通したのがよくわかります。
 それで、気になるのが
 斜面の途中にある白いガードレール。
 右にたどって行くと、
 切り通しの所で、ぶっつりと途切れてます。
 旧道だろうか?
 でも、古い地形図を見ても、
 こんな道は描いてないので違うかも?
[2006年10月現在]

新しい道の脇に残る古い道。
今回の様な廃道を見ると、時代によって違う、道路建設の考え方がよくわかります。
古い道は、出来るだけ地形に沿って建設されていますが、
新しく造られる道は道路優先で、地形を改変しながら通されています。
昔に比べ、橋梁やトンネルなどを造る、土木技術が進歩したおかげでしょう。
最後の写真を見ると、里山の耕作地を横切る様に道が造られています。
この分では近い将来、“酷道”や“険道”などは無くなってしまうでしょう。
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