【国道302号線-廃道部分】
名古屋市をぐるりと囲む環状2号線こと国道302号線。昭和48年北部区間の建設を開始。
その後の東名阪自動車道建設に伴い国道302号線は幾度も付け替えられました。
その時、城北線の南側を通った道がそのまま残り廃道化した…
そんな道を調べてきました。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 

 普通は国道の廃道って言うと、
 山の中で薮に埋もれてたりするけど、
 ここは街中にあるという
 ちょっと珍しい廃道なのよ。
 目立たない所にあるので
 知ってる人は少ないんじゃないかしらね。
 まさに都会の死角ってとこ?
  「道」の第一回目は
 街の中に忘れさられた廃な道を見てきました。


 国道41号線と国道302号線が交差する所が
 今回の廃道散策のスタート地点です。
 奥の突き当たりが現302号線が
 41号線に接続している道です。
 その上の高架は名古屋高速1号楠線と
 東名阪自動車道のジャンクションです。
 こんな所に廃道があるなんて
 誰も気が付きゃしませんて。
 あ、でもこんな所でも
 利用している人がいるみたい…
 いわゆる宿なしさんネ
 

 所々使われています。
 橋の所は半分車道で半分歩道です。

■どうやら橋を拡張したりせず、廃道の一部をそのまま供用しています。なぜ廃道部分を側道として利用しないのかは謎ですが、他にも何か目的があるのかも?

 
 なら全部使えよって思うけど
 すぐ廃道部をはずれていきます。
 でもよく見るとこのバリケード
 すぐどかせそうです。
 実は工事とかで利用されてるみたい。
 
 黄色いセンターラインだけが続いて行きます。
 
 鳩がのんびり歩いています。
 近付いても逃げません。
 私はネコだけどレベルが高いので
 鳩なんか食べないけどね。
 それにしてもあんた達、不用心だよ。
 
 この道がまだ現道だった頃は
 ここに交差点があったの。
 他の道と交差する所が
 私達の世界との唯一の接点。
 でも誰にも通ってもらえない。
 
 ここらあたりは、
 コンクリートとアスファルトに囲まれた
 何とも無機質な空間です。

 山の中の廃道は
 自然に還っていく事が出来るけど、
 ここはただゆっくりと朽ち果てていくだけ…
 
 名古屋の北を走る城北線の味美駅です。
 駅はこの上にあります。
 ちなみに「あじよし」と読みます。
 目の前には廃道を横切る新しい道が…
 って、ただの踏み跡だけど。
 
 県道を渡って味美駅の反対側を見た所。
 この県道はその昔国道41号線だった。
 どうでもいいけどこの柵ひっこ抜けそう。
 
 名鉄小牧線と城北線・東名阪自動車道の
 立体交差している所。
 振り返って撮影してみました。
 左側に見えてる防音壁が元の路肩で、
 正面の防音壁とずれている分、
 廃道が緑地帯に削られているのが
 よくわかるよね。
 
 八田高架橋です。
 道に置かれたコンクリートブロックが
 いい味だしています。
 これさえなければ今でも通れそうね。
 でもまさか通す気があるとか…?
 
 また鳩ちゃんがいました。
 なんかこの道、鳩がいっぱい居ます。
 写真に写って無い所にも
 たくさんとまっていました。
 やっぱり近寄っても逃げません。
 平和な光景だわね〜

 それと今画面の奥を名鉄小牧線の新型車輌が
 通過していきます。
 赤い名鉄カラーじゃなくシルバーの車体です。
 
■1987年撮影の空中写真の八田高架橋。北側に架かっている橋が最初に作られました。その後、東名阪の建設にともなって南側に国道が移動した際、橋も架け替えられました。その橋が上の写 真です。ここは2車線の幅が完全に残っています。まん中のあいたスペースが東名阪の通 る所です。城北線がかなり出来上がっています。


資料画像「国土画像情報(カラー空中写真)国土交通省」より
 
■北側の八田高架橋の現在の様子。こちらは半分だけ使われています。

 なんか暗い道ね…
 ここも廃な雰囲気が漂っていますが。
■上の写真と同じ所から写したもの。1984年の国道302号線の八田高架橋の様子。87年の空中写真より前なので城北線がまだ全然未完成。東名阪の高架がないので空が広いです。
■東側の様子です。城北線は長い間工事が止まっていたので、危うく未成線となる所でしたが、第3セクターとして建設が再開されました。

※古い地図には「瀬戸線」と表記されています。現在終着駅の「勝川駅」より中央本線を通り、高蔵寺から愛知環状鉄道で瀬戸市へと至る路線として計画されていました。
 
 国道19号線に到着。
 ここまで約3.5キロぐらいでした。
 ここから先はもうありません。

■国道19号線はこの先の歩道橋の下を半地下式でアンダーパスしています。
 
 国道19号線上の歩道橋から見た国道302号線。
 この路線は甚目寺あたりまで
 こんな無味乾燥な風景が続きます。
 もっと緑をふやせばいいのにね。

 でもこれだけの距離の間に
 不法投棄のゴミがほとんどなかったね。
 逆に生活感が感じられなくて無気味。

 というわけで302号線の散策は終わり〜


[2004年2月現在]

国道41号線から国道19号線の間の約3.5キロに横たわる国道302号線の廃道部分はどうでしたでしょうか?
街の中の、しかも名古屋の大動脈とも言える環状2号線=国道302号線に
廃道があったなんて意外すぎて知っている人はすくないと思います。
しかし、これだけの規模の国道を作るにしては計画がずさんな感じがします。
調べてみたら思わぬ事実が…
廃道部分をバスレーンにする計画があるみたいです。
使われる計画があるのなら廃道とは言えないでしょうが、
何年もほったらかしで荒廃してしまった道など、もはや廃道と見なされてもしかたないでしょう。
建設を開始してから30年たっても全線開通しないのも問題。
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