【国道19号線旧道-旧・鳥居隧道】
長野県の塩尻市と木祖村の間にある「鳥居峠」。かつては信濃国と美濃国の国境でありました。
現在の「新鳥居トンネル」開通以前には、昭和30年完成の「鳥居隧道」が通っていました。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 
 新しいトンネルが開通すれば、
 古いトンネルは用済みです。
 ここの隧道がまさにそう。
 今じゃコンクリートで
 “ふた”をされてます。
 今回は楽に行ける方からの探索です。
 周辺図はJR中央本線の
 旧・鳥居トンネルと兼用です→■周辺図■

 新鳥居トンネルの南側、
 国道19号線から脇道に入り、
 さらに右側の道を入って来ました。
 ここが旧道ですね。
 さすがに元国道、
 2車線ぐらいの広さがあります。
 このあたりはまだ民家がります。
 それに、けっこう紅葉がきれいだ。

 とは言え、あんまり「これから峠越えだ!」
 って景色じゃ無いよね?
 
 ああ、でもそんな事はないですね。
 森の中を通る所になると、
 だんだんそれらしい雰囲気になってきた♪
 旧隧道に向けて
 徐々に高度を上げて行きます。
 対向車があらわれても
 不思議じゃないような雰囲気だ。
 
 もうそろそろ隧道かなっ?
 って所で広場がありました。
 広場じゃなくて、
 道幅が広くなってる場所ですね。
 画面右手には、何かの施設と
 旧道に関する石碑が立ってます。
 「開道記念碑」ってあります。
 さて、車が入って来れるのはここまで。
 この先は廃道になります。
 まだ隧道は見えないかな?
 
 ここにはガードレールだとか
 コンクリートの土台だとか
 何かのワイヤーが置いてあります。
 それに、アスファルトが
 不思議なへこみ方をしてます。
 路面に残った黄色い車線に
 いざなわれる様に進むと・・・
 コンクリートの壁が・・・
 あれが「鳥居隧道」だ。
 え? よくわからない?
 もうちょっと待ってね( ̄ω ̄)
 

 道端には、何か電気関係の建物が
 廃墟になってます。
 それにこんな物も。
 「トンネル出口」
 「安全速度30K」
 なに??
 標識?
 全然目立たないですよ。
 あまりに控えめで、
 走ってる車からは見えなかったんじゃ…

 
 さあ、これが「鳥居隧道」です。
 まさに廃隧道。
 以前ネット上で見た事ある姿だ。
 しかも、何年か前の写真より
 すごい荒れてるよ。
 いや〜〜 萌えますねぇ♪
 ぴっちり蓋がされていて入れません。
 さすがに、旧道の先に
 1,000m以上もある廃隧道が、
 口を開けているのはマズイからでしょう。

 右側の電柱は通信ケーブルなのかな?
 
 もうちょっと近くから見てみましょう。
 石造りかな?
 コンクリートブロックなのかも?
 「高さ注意4.2M」
 高さが4.2mまでは大丈夫なんて、
 さすがふた桁国道。
 「高さ注意」が誇らしく見える?
 
 今日は11月なので
 紅葉が綺麗です。
 そんな中、誰もいない旧道で
 廃隧道探索は気持ちいいものです。

 隧道の前がどろどろじゃなければ…ね。

 なぜだかここだけ水たまりが・・・
 靴が泥だらけになったよ( ̄Д ̄)
 こんなにいい天気なのにねぇ。
 ちなみにこれは、隧道を背にして撮ってます。
 
 さっきの広場との境い目には、
 細長く土が盛られてます。
 これはあきらかに人為的な物です。
 車止めでしょうか?
 人には関係ないですけどね。

 今回は半分だけの探索ですが、
 取り敢えずレポートしてみました。

[2007年11月現在]

古くは中山道が通っていた「鳥居峠」。
明治23年には七道開削事業により峠道が広げられ、車も通れる道が出来ました。
時代は下り、昭和30年に1,111mものトンネルが完成しました。それが今回の「鳥居隧道」です。
昭和53年には1,738mの長大トンネル「新鳥居トンネル」が完成した事により、
鳥居隧道は廃止され、現在に至っております。
この旧道にはもうひとつ、「栃窪隧道」という短い隧道が、塩尻側にあります。
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