【国道303号線-高山谷旧道】
岐阜県揖斐川町の八草トンネルと、奥いび湖の中間あたりにある旧道。
廃道同然の場所もあったりして、結構変化のある旧道です。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 
 よくある線形改良廃道。
 じゃなくて、旧道です。
 廃道?って言いたくなるような、
 廃れた道です。
 特に西側は、車なんか通らないよね?
 いやむしろそれってグッジョブ?
 まあ見て下さい。
 まずは地図で位置を確認→■周辺図■

 国道303号線と言えば、
 有名な酷道峠・八草峠があります。
 現役当時は、崖っぷちを走り
 しかもガードレールすら満足に無い
 マジ危険な国道でした。
 今では廃道同然な道となり、
 まともに走れない、さらに危険な道です。
 っていうか、通行止?
 さて、これが今回の旧道です。
 う〜ん・・・あやしい
 橋は「深瀬橋」。昭和38年6月竣功
 看板には地元の伝説「夜叉ケ池伝説」の
 解説が書いてあります。
 
 深瀬橋を渡ったすぐの所には、
 広い待避所があった。
 こんな道幅なら納得。
 車どうしのすれ違いは困難だ。
 まあ、他の車には出会わなかったけど。
 こんな感じなら
 わりあい普通な旧道だね。
 路面も荒れてなくて、
 期待外れ?

 なんて思っていたら・・・
 
 おおっと!
 こんな所に倒木だ!
 しかも、路面も怪しい状態に!
 水びたしです。
 切り立った崖も圧迫感があります。
 酷道の面目躍如です。
 
 上の場所から進行方向を見ると、
 やっぱり水びたし。
 前日に雨が降ったみたいです。
 ひょっとして廃道なの?
 この先、抜けられる?
 こんな狭い道でのUターンは辛そう。
 取り敢えず行ってみよう。
 

 おおっと!
 落ち葉だらけ。
 これは杉か?
 アスファルトがほとんど隠れてる。
 枝も散乱していて、うかつに踏むとヤバそう。
 路肩には古そうな石垣もあって、
 歴史がありそうな道です。
 さて、先に進みましょう。
 あ。前に何か動くものが…
 よく見ると鳥のようです。
 次々と鳥が、歩いて横切って行きます。
 鳥の行進。楽しそう。

 
 現道に出て来ました。
 よかった、道の状態は元に戻りました。
 でも、路肩の雑草が旧道っぽい。
 現道は橋とトンネルで一気に通過します。
 橋は「機具岩橋」と言います。
 「はたぐいわ」って言うの?
 銘板の所には龍の絵が描いてあった。
 ちょっと…へた…な絵だった。
 トンネルのポータルにも龍のレリーフがあるけど、
 さすがにこちらはプロの仕事。
 じょうずなもんです。
 どうやら「夜叉ケ池伝説」がモチーフみたい。
 

 トンネルは「高山谷トンネル」と言います。
 トンネルを過ぎた先にも旧道が続いてますね。
 典型的な旧道のパターンです。
 むろん真直ぐに旧道に行きます。
 こちらは車の通行があるのか、
 
きれいな状態です。

 
 きれいだと思ったら、
 旧道に入ってすぐの所に、
 広い空き地があって数人の人が
 何かの作業をしていた。
 何やってるのだろう?
 ちょっと怪しい感じ?
 この写真を撮ってる時は、皆に見られてたけど、
 もしかして、私の方が不審人物?

 道の方は、よくある旧道の景色ですね。
 
 旧道は山をぐるりと周り込んで、
 トンネルの反対側に・・・出ない?
 あれ? トンネルが見えないよ。
 って思ったら、下だった。
 いつの間にかトンネルより上を通っていたんだ。
 って事は、ここから現道には行けない訳ね。
 現道に合流するのは、
 まだ先になりそうです。
 それと、このアーチ橋は
 “逆ランガー”と言う形式みたい。
 
 旧道は中途半端な荒れ具合です。
 たまにしか車が通らない道は、
 たいていこんな状態になります。
 でも、ガードレールが外れてる。
 雪のせいですかね。
 
 さらに500mぐらい走ると、
 分岐があった。
 右へ曲がれば現道に出ます。
 左へ行けば旧道です。
 左に行くしかないでしょう。
 でも、この分岐に立ってみると、
 現道に降りて行く右の道の方が
 メインのルートのような扱いになってる。
 つまり、反対方向から旧道を進んで来ると、
 車は現道の方に導かれてしまいます。
 私も反対側から来てたら、
 絶対間違えてたでしょう。
 
 分岐を過ぎてカーブをいくつか過ぎると、
 民家がありました。
 何となく廃っぽい臭いがするので、
 立ち寄ってみました。
 住宅かと思ったら、
 作業小屋?と休憩所?のようです。
 近寄ってみたら、強烈なコールタールの臭いが!
 どうやら屋根を塗り直したみたいです。
 な〜んだ。現役物件ですね。

 あ! でも、ちょっと待って。
 道の先に見える、あれは・・・
 
 国道標識“おにぎり”だ!
 すごい!こんなのまであるなんて。
 これで、国道の旧道確定ですね。

 実を言うと、旧道だという自信が無かったんです。
 旧道…かな?って感じでしょうか?
 ああ、これで堂々と
 旧道だぁ〜〜〜って言える。
 
 結構走って来たけど、まだ現道に出ません。
 高山谷トンネルから大体1800mぐらい
 来たでしょうか?
 道の状態は、相変らず並の旧道状態です。
 こんな所にロックシェードが連続で設置されてる。
 まあ、飽きさせない展開ですね。
 
 また分岐がありました。
 これは振り返って撮影してます。
 下に見えてる橋は現道の物です。
 赤いトラスドランガー橋です。
 でも、この分岐を降りて行っても、
 現道には出られないようです。
 地形図では、現道の橋の下をくぐって行くけど、
 その先は描かれていません。
 この道も、現・国道303号線以前からある
 古い道なのかもしれません。
 
 ようやく旧道も終わりです。
 旧道は徐々に高度を下げて行きます。
 道の先を見れば、右にカーブして
 現道につながってます。
 
 実にここまで2400mぐらいの行程。
 トンネルをひとつ越える旧道にしては、
 思いの他長い道でした。
 さっきの橋があんなに遠い。
 最初は萌える展開でしたが、
 トンネルからここまでは、
 ありがちな旧道の景色だったね。
 まあ、おにぎりがあったのは、
 収穫だったかな?
 
 現道に出てすぐに分かれ道がありました。
 むろん、これも旧道です。
 通行止めされてますね。
 でも、柵が微妙にずれてる…
 じゃあちょっと入って…は、みませんでした。
 そんなに面白そうじゃないしね。
 それに今日は、充分に旧道を堪能しました。
 これにて撤収。

[2006年8月現在]

あの、八草峠に至る酷道らしく、細い道が続く旧道でした。
まだ残っている酷道区間も、現在改良が進んでいて、バイパスが工事中です。

旧道のある坂内村(現・揖斐川町)は、「夜叉ケ池伝説」の地です。
どう言う伝説かと言えば、神や妖怪に頼みごとをした為に、
娘を差し出さなければならなくなった、と言うよくある話です。
ここでは竜神なので、橋やトンネルに、龍のモチーフが描かれているのです。
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