【国道153号線-平谷旧道】
長野県は南信州にある平谷(ひらや)村。
そこを通る国道153号線は、たいへん快適な道で、多くのツーリングライダーが走っています。
そんな国道にも、山の中を通るあやしい旧道があります。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 
 以前、治部坂峠の廃道に来た時に、
 国道の横から坂の下に降りて行く
 怪しい道を発見しました。
 その時は、あまりの怪しさに
 見に行くことはしませんでしたが、
 今回近くの旧道と共に
 まとめて探索してきたのでレポートします。
 あやしい〜旧道はここに→■周辺図■

 国道沿いにある、道の駅・信州平谷から
 東に1kmほど来ますと、
 水色のトラス橋が見えて来ます。
 その手前から分かれる道が、
 目的の旧道です。
 ここらは何でもない、普通な道です。
 これだけ見てると
 旧道とは思えない景色です。
 面白くない・・・とも言えるかも?
 
 でも、こんな風に
 橋が並んでるのって、まさに旧道の景色。
 これは柳川を渡る「柳橋」です。
 橋脚がひとつある、2径間の橋ですね。
 で、よく見ると左右で
 デザインが違うのがわかりますよね?
 右側の新しい方の橋って、
 洪水なんかで流されたのでしょうか?
 トラス橋がより高い場所に架かってるのは、
 台風なんかで増水すると
 旧道の橋を飲み込んでしまう程の高さまで
 川の水が来るのかも。
 
 橋を渡って道は二手に分かれます。
 左側の道を直進すれば現道に戻り、
 右側の道を行けば、
 現道をくぐる旧道となります。
 さて、ここからは川沿いを進む
 ちょっとたいくつな景色になります。
 だいたい1kmちょっとかな?

 途中、別荘地なんかがありますが、
 最初の“見所”まで一気にスルーします。
 
 別荘地を過ぎて小さな橋を渡ると、
 昔ながらの集落が出て来ます。

 実はここに来るまでは
 この道が旧道かどうか自信がなかったんですが、
 こんなモノを発見!

 傾いた標識かと思いきや・・・
 

 錆びた「おにぎり」だ!
 はい。もう間違い無いですね。
 声を大にして言えます。
 「旧道だぁ〜〜〜」って。
 いや、本当にそんな事はしませんが。

 これが最初の“見所”
 さて、レポートは
 これからが本番です。

 
 集落を抜けると
 いかにも“どんづまり” って所に来ました。
 左側には村道が分かれています。
 ここを行けば国道153号線に行けます。
 集落の住人はこっちの村道を
 通ってるのではないでしょうか?
 旧道は正面の山を回り込んで
 ここからどんどん標高を上げて行きます。
 

 カーブの所に建っていた空家を過ぎて、
 道の雰囲気が変わりました。
 アスファルトにもひびが入って
 長年整備されてないのがわかります。
 地図を見ると、ここからが峠道の始まり。
 つまり、かつての酷道の始まりです。

 え? そんなに大した事なさそうですって?
 いえいえ、ここから少し行くと
 林道との分岐ポイントがあって・・・

 
 森の中に吸い込まれる旧道。
 この狭さ。
 この荒れ具合。
 酷道の旧道キターーーって感じ?

 と、言う訳で、ここからは
 慎重に行かねば。
 
 こんなのはまだ
 並の旧道の雰囲気ですが、
 まだまだこんなもんじゃなかった。
 
 いやもう、廃道ですか?

 木が覆い被さってます。
 これは管理を放棄された道の様相ですよ。
 カーブの先なんて、
 見えやしません。

 本当にこの道、現道に出れるのだろうか?
 
 あら?
 カーブの外に何か積んである。
 何かと思ってよく見ると・・・
 タイヤ?
 タイヤが山積みです。
 不法投棄ですか?これ。
 ああ、でもちゃんと積んであります。
 法面の処理のためみたい。
 廃物利用だろうか。
 
 こんな物もあった。
 ゴミかと思ったら潰れた建物だった。
 倉庫か何かだったんだろうか?
 でも、なんでこんな物が山の中に?
 
 今度はプレハブの小屋がありました。
 作業場かな。
 下に落ちてる看板に
 「産業廃棄物の最終処分場」と書いてあった。
 産廃施設の跡地でした。
 看板に書かれていた許可を受けた期間が
 昭和60年なので
 20年以上前からこんな
 廃墟状態なんだろうか?
 
 旧道とか言いつつ
 すっかり廃道状態よね〜〜
 旧道ひとりじめ♪
 なんて考えてたら・・・

 いきなり前から車が…!!
 しかもマークツーが!!
 こんな木が覆い被さった所で
 お高いセダンに遭遇するなんてビックリです。
 さっき通り過ぎた集落の人だろうか?
 そうだよね。
 
 確かに、ここを通った方が
 近道ではあります。

 で、旧道の方は相変わらず。
 慎重に行きましょう。
 なんと言っても
 対向車がありますし( ̄▽ ̄)
 
 どんどん高度を上げて行って、
 もうそろそろ現道に着きそうです。
 とは言え、
 ここはどこらへん?
 
 路肩に何か立ってる。
 これは警戒標識ですね、
 錆び錆びで何て描いてあるのか・・・
 まったく役に立ってナイ。
 被写体にはなりますが。


 え?これは裏側だから見えなくて
 あたりまえだって?
 いえいえ、表側も同じようなモンでした。
 
 さっきよりは少しまともになった旧道を走ると、
 頭上を越える橋があらわれました。
 これは現道の国道153号線ですね。
 いわゆる“上路ワーレントラス”
 って種類の橋です。
 ようやく現道に出ました。
 斜面から木が倒れてる。
 こんなトコロをさっきの車は通ったの?
 それにここで猿を見た。いるんだ、サル。
 現道に合流するにしては、高低差ありすぎ?
 旧道は橋の下を過ぎて、右に曲がって
 もう一回橋の下をくぐりました。
 あ。通り過ぎちゃった・・・
 
 どうやら、旧道が谷を回り込んでいる所を
 現道は橋を架けて
 一気に通過してるわけです。
 と、いう訳でもう少し旧道は続きます。
 ちょっと景色のいい所で止まって
 写真を撮ってみました。
 治部坂峠がよく見えますが、
 それより目を引いたのが、
 道路の下にたくさん捨ててある
 大量の不法投棄のゴミ。
 不心得者が森を勝手に最終処分場にしてる。
 これはちょっと酷い(`Д´)
 
 ようやく現道まで来ました。
 なんか、さっきまでの
 廃道のような状態がウソのように
 普通の旧道になってます。
 それと、手前に四角い穴が・・・
 あちこちの旧道で、
 似たような物を見るけど、
 なんなんでしょう?
 
 ここが現道との合流地点。
 かなりの坂になっていて、
 この場所からでは現道の路面が見えません。
 反対に現道から見ると、
 旧道は森の中に
 ストンと消えてるように見えて、
 ちょっと恐いです。
 それと、画面右側にある看板には
 「村道8号線」とあります。
 この旧道、県道ですらないじゃん・・・

[2007年7月現在]

国道から村道になった旧道は、管理する平谷村の手が足りないのか、
山の中を通る区間は荒れ放題になっていました。
最後の写真から見える現道の反対側には、旧道の名残りが、駐車スペースとして利用されています。
道ネタ「旧道」TOPへ…