【愛知県・岡崎市-岩津発電所専用橋】
愛知県岡崎市にある、中部電力最古・最小の発電所に架かる吊り橋。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 
 発電所関係の吊り橋って、
 どこも立入禁止になってるけど、
 ここは大丈夫みたいです。
 古い歴史もある、
 メモリアルな発電所に行って来ました。

 郡界川沿いの県道338号線を
 東に向かって走ると、
 小さな発電所に辿り着きます。
 これが岩津発電所です。
 “最小”と言われるだけあって、
 何とも小さなものです。
 で、橋見えてますね。
 
 県道からスロープを下りると
 鉄骨製の白い主塔です。
 新しそうです。
 昭和40〜50年代だろうか?
 …それってあんまり新しくないか。
 
 中部電力最古なだけあって
 こんな看板がありました。
 岩津発電所の歴史と能力について
 書かれてます。
 看板の右上のマークに
 「岡崎観光きらり百選No.97」
 とあります。
 観光スポットのようです。
 
 銘板があります。
 さすが百選だ。
 「岩津発電所専用橋」
 隣の柱には「竣工昭和五十三年三月」
 あ。ほら、50年代だった。
 
 橋桁は補鋼トラスだろうか?
 頑丈そうです。
 揺れそうもないです。
 でも、床板は木材だ。
 
 揺れもしないので、
 吊り橋としての味わいには欠けます。
 橋を渡った対岸には
 何やら庭園風の広場がある。
 人が訪れる場所なので
 砂利が一面に敷かれてます。
 

 「岩津水力発電所百周年記念碑」
 100周年!
 そう言えば先程の看板にも
 明治30年7月発電開始とありました。
 最古はだてじゃありませんね。
 もうひとつ、中電の社長が書いた
 漢詩が彫ってある石碑があります。
 一節に「奔流管路断崖辺」とあって
 何となく意味が分かる( ̄▽ ̄)

 
 発電所の敷地から県道の方を見ると
 鉄塔が絶妙な位置にありますよ。
 吊り橋と一直線に並んでいて
 橋の上から見ると、
 主塔の上にど〜んと
 鉄塔がそびえてます。
 
 裏側はどうなってんだろうか?
 河原まで高さは無いけど、
 下りれそうにありません。
 でも、ムリヤリ橋の下に潜り込みました。
 木の板の裏側には
 色が塗ってないですね。
 
 裏側は新品同様。
 角材が吊桁という部品に
 ボルトで固定されてます。
 床板にボルトが出てないので、
 角材に窪みが作ってあって、
 そこにボルトの頭が入ってるのでしょう。
 
 最後に岩津発電所の全景を。
 水圧鉄管は細いのが1本のみです。
 これで落差が50mぐらいあるそうです。
 この鉄管が無けりゃ
 発電所だって分からないくらい
 小さな建屋です。
 これは昭和になって
 建て直された物だそうです。

[2013年2月現在]

岩津水力発電所は、明治30(1897)年7月に岡崎電燈によって建設されました。
当初は50kwの出力でしたが、明治33年に102kwに増設されました。
その後、大正15(1926)年に落雷により焼失。
昭和2(1927)年3月に再建され、130kwの発電所として現在に至っております。
中部電力で現存する発電所のうち、最古で最小のものです。
平成9年には、運転開始100年を記念して、太田宏次社長による詩碑が建立されました。
その詩碑には「人智百年」と題され、
「結構居然臨碧渕 放流管路断崖辺 竜神翔去雷公降 人智機峰益百年」とあります。
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