【岐阜県・関市-板取キャンプ場の吊り橋】
板取川をさかのぼると、川浦(かおれ)渓谷に着きます。そこのキャンプ場に架かる橋。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 
 キャンプ場に吊り橋らしき物を見付け
 さっそく行ったのが4月。
 キャンプ場は休業中で近付けず。
 今回は夏のキャンプシーズンに来ました。
 あ。でも、キャンプ客以外は入れないよ。
 なので、裏口からこっそりと…

 県道52号線から川浦渓谷方面に曲り、
 しばらく走ると怪しい山道が…
 ここを下ると、吊り橋に出るはず。
 出ると言う確証がないけど、
 取り敢えず行ってみよう。
 ここらはきれいだけど
 何だか荒れてる気がする・・・
 
 おや?
 荒れて崩れて薮化してると思いきや
 きっちり整備されてますよ。
 ロープも張られていて
 これなら安心です。
 

 安心…なんて思ったら…
 ヘアピンカーブで急降下ですよ。
 遊歩道的な道だと思ってたけど、
 登山道みたいになって来た。
 途中には急斜面沿いの
 道幅が30cmぐらいの場所もあった。
 しかも、足を踏み外したら
 斜面を10m以上も滑落してしまう
 そんな危険な所が何ヵ所もあった。

 
 そう言えば、上の道から
 河原までの高さを考えなかったけど、
 けっこう高低差がありました。
 後で地形図とかで調べたら
 50mぐらいの高低差だった。
 行きは下りだから楽だけど、
 帰りは50mの登りになるんだ・・・

 あっと。もうそろそろ河原が見えて来た。
 

 ここまで来ると、
 キャンプ場の様子がよく見えます。
 ってか、丸見えです。
 逆に向こうからも丸見えな訳ですが…
 バーベキューをしてるグループや、
 川で水遊びをしてる親子連れとか、
 みなさんサマーなバケーションを
 エンジョイなさってます。

 あ。吊り橋が見えた。

 
 人の目を気にしつつ、
 斜面を横切って橋の側まで来ました。
 おおっ。これはこれは…
 木製の桟橋じゃないですか。
 ここは崖っぷちになってて
 そこを迂回するように
 橋が架かってます。
 第二関門か?
 第一関門はさっきの急降下の遊歩道ね。
 

 とは言え、キャンプ場の遊歩道ですよ。
 ちゃんと安全対策はされてます。
 手すりとネットが張ってあり
 取り敢えず安全…かも?
 この木造桟橋、
 老巧化でちょっと危険になってる。
 5年はもたないでしょう。
 さて、吊り橋はもう目の前です。
 主塔の無いタイプですね。

 
 何かの看板があった。
 左から「公共環境防災林整備工事」
 これは橋とは関係ない物みたい。
 真ん中は「危険 同じに五人以上
 渡らないで下さい」
 同じに? 何が同じだとまずいの?
 …あ!「同時に」か。
 “時”くらい漢字で書いてよ。
 で、右が「落石注意
 確かに崩れやすそうだね。
 ワイヤのネットで押さえてるし…
 

 これは… 予想以上のイイ雰囲気だ。
 キャンプ場にある吊り橋ってば、
 安全第一で面白みの無い物が多いけど
 この橋はイケテル感じがします。
 ここも安全対策でネットが張ってある。
 人や物の落下防止の為ですが、
 使い込まれた古い吊り橋の雰囲気がして
 これはこれでアリですね。
 じゃあ渡りましょう。

 
 やはり揺れます。
 これぞ吊り橋ってぐらいに揺れます。
 渡る前に今来た方を見ておきましょう。
 山の中に架かる橋の雰囲気です。
 アドベンチャーな感じです。
 実際はひらけた場所なんですが。
 
 フワフワ揺れる橋の上で向きを変えて
 再び対岸のキャンプ場へ向かいます。
 この画像を見ても分かりますが、
 けっこうな高さがあります。
 まさに空中散歩です。
 左右のネットの高さも絶妙で
 守られてる安心感がありません。
 これぐらい低いと、逆に不安になります。
 高い所が苦手な人には渡れませんね。
 私はワクワクしますが( ̄ω ̄)
 
 ちょうど中間あたりに来たので、
 渓谷の様子も見てみましょう。
 右を向くと川浦渓谷です。
 その入口ってとこですか?
 この先はもっと凄い事になってますが、
 ここでも十分に渓谷美が堪能出来ます。
 
 左側は板取キャンプ場です。
 川浦の深い渓谷から一転、
 広い河原になります。
 吊り橋をはさんで、
 左右でこんなに景色が違うなんて
 橋を渡った人にしか見れない絶景です。
 
 さっきネットが低いと言いましたが、
 床板も狭いです。
 板が3枚並んでるだけです。
 しかも、板の下に補強とかされて無いし。
 もしかして、この板がバネになって
 こんなに揺れるのかしらね?
 左右に黒いパイプが通ってますが、
 これは湧き水を送る為の物です。
 
 吊り橋の中間と言えば、
 メインケーブルが一番低い所です。
 すごい見晴らしが良くなってます。
 よろけたりしたら落ちますね。
 安全なようで安全じゃない。
 スリルがあります。
 
 対岸に着きました。
 こっちも似た様な雰囲気です。
 崖の途中に強引に橋を架けた訳だ。
 道は左側に続いてて、
 木の桟橋で下に降りるようになってます。
 現地じゃ気付かなかったけど、
 メインケーブルが上下にずれてる。
 左に傾いてるように見える。
 
 最後に河原からの写真を…
 人間と比較すると、
 15〜6mぐらいの高さですかね。
 ビルの高さで言うと
 ビル4階分の高さって感じです。
 よく見たら、耐風索って部品が
 垂れ下がってます。
 これじゃ揺れるはずだ。

[2012年8月現在]

レポートにありました「川浦(かおれ)渓谷」は、板取川の上流に広がる渓谷です。
板取川周辺に分布する花崗岩が、川に浸食されて出来たものです。
川浦花崗岩と呼ばれる花崗岩体が、約5kmに渡って存在し、
渓谷はその花崗岩体の分布エリア内のみで、
そこの上流や下流域では谷が浅くなっているそうです。
ちょうど吊り橋のある辺りが、その境目になっているのでしょう。
下の画像は、板取キャンプ場よりさらに上流の景色です。
 

道ネタ「橋梁」TOPへ…