【岐阜県・中津川市-イセ谷の吊り橋】
県道411号線を北上し、川上川沿いの林道を進み、登山道に入ると小さな吊り橋があります。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 
 ここも空中写真で見付けた物件です。
 中津川市の長野県に近い場所の山の中に
 吊り橋らしき姿が2つありました。
 橋のある辺りまでバイクで行けそうだし、
 さっそく行って来ました〜。

 岐阜県道411号線は3ケタ県道なれど、
 極端に狭い所も無く
 だいたい走りやすい道でした。
 これは楽勝?
 なんて思ってたら・・・
 ゲートでシャットアウト!
 まさかそんな…
 でも大丈夫。入れないのは車輌だけです。
 歩行者はOKみたいですね。
 それはここが登山道のルートだからです。
 
 ゲートの手前に
 広い駐車スペースがあるので、
 そこにバイクを置いて、いざ出発。
 片道1.5kmぐらいの歩きです。
 目的地までずっと上り坂です。
 いやぁ… 思わぬ運動になった。
 こんな事になるなんて予想しなかったので
 水とかお茶とか持って来なくて
 ちょっと不安…
 …辿り着けるのか?
 林道はあまり荒れてなくて歩きやすいです。
 
 途中で人とすれ違いましたが、
 登山客ではないようです。
 どうやら目的はここみたいです。
 「銅穴の滝」
 けっこう大きな滝があります。
 「どうこうのたき」と読むそうな。
 東屋も建っていて
 ちょっとした観光地ですね。
 
 滝を過ぎてすぐの所に架かる橋の横に
 こんな木造の廃橋梁がありました。
 これは、ナイス廃物件。
 林道の旧道橋ですよ。
 方杖(ほうづえ)橋という形式の橋です。
 むろん渡りに行きましたが、
 橋の上が雑草だらけなのと、
 橋桁がボロボロなのとで
 渡る事が出来ませんでした。
 ま…まあ、目的地はここじゃないので、
 無理はよしておきましょう…
 
 もう少し歩くと、登山道への分岐に到着。
 この広場の先に吊り橋があります。
 もうすぐそこ、かと思ったら
 まだ先だった。
 木の根が這いずる登山道を
 100mほど上がって行きました。
 そこから川に向かって急降下。
 木の階段が濡れていて
 滑りそうで危険です。
 実は雪がまだ残ってるのです。
 12月ですからね。
 

 おっかなびっくり階段を降りて来ました。
 もうそろそろかなぁ〜〜って時に
 はしごみたいな階段が・・・!
 むろん濡れてますよ。
 これは危険。
 なので、横の斜面から降りました。
 吊り橋を見に来ただけなのに、
 なんだか廃道探索みたいになってます。
 それに登山道を歩いてると、
 木の上から小さな雪の固まりが
 まるで雨のように落ちてきます。

 
 あら? こんな所に案内看板が。
 この先にも滝があるようです。
 ププッ( ̄▽ ̄)=3
 傾いちゃってるよ。
 そんな極端な・・・
 え?… こんなに急坂ってこと?
 もうそこに橋が見えてるけど、
 最後まで急坂だった。
 まさにこの看板の角度のままですよ。
 
 ようやく橋まで辿り着きました。
 ここにも案内看板があった。
 看板は橋の方を指してるけど、
 これ必要なのかな?
 でも、画面の奥に向かって
 道が続いてるように見えるので
 やっぱり必要みたいです。
 そんな事より、
 右はじにとんでもない物が写ってます。
 アンカレージが何と、立ち木ですよ!
 ケーブルで傷つかないように
 木切れが巻いてあります。
 
 木のアンカレージとは、
 なんともビックリ。
 主塔の方も木材ですね。
 丸太を∧の形に組んであります。
 けっこう頑丈そうです。
 でも、これでも定員1名限定。
 まあ、木のアンカレージですしね。
 では、さっそく渡ってみよう!
 
 おお〜〜っ! なんてコトでしょう。
 板が左右にズレてる。
 しかも狭いですよ。
 まさに、お1人様専用ってか?
 愛知県にもこんな橋があったけど、
 ここは手作り感満点です。
 で、なぜか床板の上にだけ雪が積もってる。
 よく見ると、うっすら足跡がついてるので、
 何日か前に人が通ったようね。
 
 雪で滑らないように、慎重に歩きましょう。
 こんな所でこけたら格好悪いしね。
 それに、板が割れそうだし…
 いえ、別に私の体重が重い訳ではないよ。
 …さて、みんなも納得してくれた事だし、
 次いこう。
 ハンガーケーブルの吊り方がユニークです。
 普通、クリップはこんな使い方はしません。
 ちゃんと専用の部品があります。
 部品の種類が少ないから使い回してる?
 経費節約なんだろうか?
 
 せっかく味のある板が、
 雪で覆われて勿体ないので、
 雪をどけてみました。
 なるほど、こんな感じですか。
 いい色になってます。
 
 滑らないように、ゆっくり歩いてるので
 あまり揺れませんが、
 普通に歩いたら、かなり揺れそう。
 あ。こちら側には主塔が無い。
 ここも「片タワー型」
 というのになるんだろうか?
 片タワーというのは、
 背の高い塔がひとつだけで
 橋桁を支えてるものなんだけど、
 これも「片タワー型」と言うモノ?
 
 まあ、どちらでもイイか。
 橋を渡った先にも、
 もうひとつの橋がありました。
 こちらはただの木の板。
 こっちの方が、なにげに危険だった。
 ぐらぐらして落ちそうです。
 落ちてもたいした事ないですけどね。
 地面の上だから。
 しかし、この景色どうよ?
 まるで山奥の渓流の橋のようじゃなイカ。
 あ。山奥だった。
 
 登山道をちょっと行った先にある
 アンカレージを見に行ったら…
 ギャーーーー!!!!
 切り株だぁ〜〜!
 立ち木に引っ掛けるように置かれた切り株に
 メインケーブルが巻かれてる!
 マジっすか?
 コンクリを使わないのは自然を守る為?
 でもなんだか、木が苦しそう…
 
 下からのぞいて見ましょう。
 とは言え、橋桁は低い位置にあるので、
 しゃがまないと真下が写せません。
 しかも、橋の下にある物のおかげで、
 カメラがまともにかまえられないです。
 でも、うまく写せました。
 床板の下には2本の角材が並んでます。
 ほぼ床板の幅と同じなので、
 板を踏み抜くなんて事はないですね。
 
 橋の下の邪魔な物体は、
 流れて来た倒木かと思ったけど、
 違うみたいです。
 丸く削った木材があったので、
 もしかしたら、
 こちら側の主塔の残骸なのかもしれません。
 それか、先代の橋なのかも?
 こんな場所に架かってると
 土石流一発でふっとびそうだ。
 
 もうひとつ、この橋の特徴なのが
 真ん中が“山形”に持ち上がった所です。
 普通はゆるいアーチ状になってるけどね。
 真ん中をちょいとつまみ上げて、
 そのまま固定したみたいだ。
 さて、吊り橋を堪能した所で、
 次の目的地に行きましょう。
 もうひとつ、橋らしき物を見付けたのです。
 林道に戻って、
 さらに奥に上がって行きます。
 
 で、橋などありませんでした。
 あったのは砂防ダム。
 とんだ見当外れ。無駄足。
 でも林道の脇にこんな物があった。
 ヘリコプターじゃなイカ。
 何でこんな山の上に?
 その答えは、入口のゲートの看板にあった。
 森林環境保全整備事業の為の間伐作業で
 切った木を集めるのにヘリを使うのです。
 12月20日までとあったので、
 今はもう無いかも?
[2011年12月現在]

今回のレポートの吊り橋が架かるのは、岐阜県と長野県の県境にある、
奥三界岳への登山道に架かっています。
橋の手前にあった看板に書かれていた、一つ滝とアゼ滝は、イセ谷の上流にある滝です。
後から知ったのですが、この一つ滝へ行く山道の途中にも、吊り橋が架かっていました。
なので、その橋を渡りに、再び訪れなくてはなりません。それはまたの機会にしましょう。
この登山道は他にも、車が通れる規模の木造橋が架かっています。
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