【岐阜県高山市・御母衣湖インクライン】
電源開発により造られた御母衣ダムのダム湖・御母衣湖。
そこで見付けた、湖面に延びる2本のレール。それはまぎれも無く・・・
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 
 廃線跡・・・じゃなくて、
 これは「インクライン」と言うモノですよ!
 琵琶湖疏水のインクラインが有名だけど、
 こんな所にもあったんだ。
 全然気が付かなかった。

 インクラインの周辺図はこちら→■周辺図■

 国道156号線を走っていて、
 御母衣湖の湖岸に何かがちらっと見えた。
 それは斜面に延びる線路のようなモノ。
 なに?なに? あれは?
 ちょうど駐車場があったので
 そこにバイクを停めて
 ダム湖の方を見ると…
 駐車場の下からレールが出てます!
 鉄道?
 いえいえ、これはインクラインって物だ。

 
 さっそく下に下りて近づいてみました。
 そしたらこんな倉庫か車庫のような物が。
 きれいなので現役の物件なのかも?
 湖にあるので、
 この中にはボートでも入ってるのでしょうか?

 でも、こんな物を見ると
 サンダーバードみたいと思う私は
 古い人?
 いや、人じゃなくて猫だけど。
 
 倉庫の前からダム湖を見ると
 こんな感じです。
 けっこう急な坂です。
 ここを台車に載った船が
 ゆ〜っくりと下りて行くのですね。
 
 むろん、レールに沿って下に行きます。
 思ったより長そうだ。
 なかなか下に着かない。
 
 さっきの場所を
 下から見上げるとこんな感じ。
 ちょっとカッコイイ。
 

 現役か?と思ったけど、
 ダム湖に水没する所のレールは、
 信じられない程ボロボロになってます。
 普段は水の中にあるとはいえ、
 海水でもないのに
 こんなになるとは・・・
 それに枕木のコンクリートもボロボロ。
 セメントが溶け出して
 中の砂利がむき出しになってます。
 鉄道じゃ有り得ない状態ですね。

 
 思えば遠くに来たもんだ。
 振り返って見ると・・・
 と・遠い…
 帰りはここを上がって行くのか・・・ふぅ
 水没しているために
 植物が生えてなくて殺風景です。
 レールには砂が積もって
 廃っぽい雰囲気。
 
 最後は湖の中にレールが突っ込んで終了。
 普通の鉄道ならデッドエンドだけど、
 インクラインなのでこれで正常ですね。
 これ、どこまで続いてるのでしょうね?
 ず〜〜っと先まで
 ダム湖に沈んだ村の中まで続いてたりして。
 う〜ん…ミステリィ
 ま、確かめようがナイですけどね。
 

 以上で御母衣湖のインクラインの
 レポは終わりです。
 これの正体は何だったのでしょう?
 どうやら電源開発の施設みたいだけど、
 本当に船の上げ下ろしのためなのかな?
 それとも潜水艇がダーッと
 滑り降りてくるのかな?
 (そんなワケないって)
 最後は御母衣湖の綺麗な景色をどうぞ。
[2008年9月現在]


ダム湖沿いの駐車場の下に、まさかこんな物があるなんて、今まで気が付きませんでした。
それと、こんな場所になんで広い駐車場があるのかと思ったら、
すぐ近くに有名な「荘川桜」があるので、桜を見に来る観光客の為の駐車場みたいです。
ちなみに、「インクライン」とはインク・ラインではなく、イン・クラインです。
英語で書くと in・clineで、「傾いた状態」と言う意味で、転じて「急勾配鉄道」の事です。
ケーブルカーとは何が違うのかと思いましたが、
貨物を運ぶのが「インクライン」で、旅客を運ぶのが「ケーブルカー」だそうです。

このインクラインについて、新たな情報が入りました。[2010年9月]
これは船ではなく、「荘川桜」を引き上げる為に使った物のだそうです。
・・・
と、思っていたのですが、後からよく調べてみたら
Wikipediaの荘川桜の記事には「桜が巨大なため当初用意した機材では移動が
困難になったときダム本体工事に参加していた作業員らが協力し ダム工事資材の鉄骨で
そりを作り大型ブルドーザーで土手の上まで引き上げて…」とありました。
また電源開発のサイトでは、(「荘川桜とは」のコンテンツ内)
桜は鋼鉄製のソリに載せ、ブルドーザー3台で引きずり上げたと書かれています。
そこにあった当時の写真を見ても、インクラインは使われていませんでした。
桜とインクラインは無関係であったようです。[2013年4月追記]
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