【岐阜県多治見市-古虎渓の歩道隧道】
土岐川沿いはかつて2本有料道路、明治の玉野街道と昭和の愛岐道路が通っていました。
古虎渓はそこにある景勝地のひとつです。そこには地形図には描けないほど小さな隧道が…
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 
 ある日「Yahoo!地図」を見ていて、
 思わぬ場所にトンネルマークを発見。
 えぇっ? まさかこんな所に?
 それは地形図や
 県別マップルにすら載ってない、
 小さな隧道でした。

 現場は県道387号線沿いの
 小さな山を越える場所にあります。
 県道は山を迂回してますが、
 歩道は隧道で突っ切ってます。
 でもあれ? 何か様子が・・・
 これは料亭の玄関ですか?
 看板に「割烹料理 四笑庵」とあります。
 そこの駐車場の向こうに
 例の隧道があるのだけど、
 これって公道なんですか?
 

 う〜〜ん…微妙な感じ。
 料亭の施設のような
 そうでないような・・・

 まあ、入ってみるんですがね( ̄▽ ̄)
 道は渓流と同じぐらいの高さまで
 下りて来ました。
 さぁて、どんな隧道があるのかな?
 あ! あれだ!

 
 金網に金属製のロックシェードとは、
 なんて仰々しいのでしょう。
 隧道自体は素堀りのようです。
 ロックシェードと言っても
 気休め程度みたいですが・・・
 
 照明などなくて暗いけど、
 短いので問題なさそう。
 でも、夜は真っ暗で危なそう。
 そう言えば、
 隧道の前に街灯があったので、
 夜になるとそれで照らすのでしょう。
 …今でも点けばだけど…
 

 素堀りだけあって
 ゴツゴツですね。
 この辺りはチャートと言う
 固い岩で出来ているので、
 コンクリートで補強してないのですね。
 補強してないけど、
 ロックシェードがあるって事は、
 崩れた事があるのかな?

 

 短いのでもう反対側に来ました。
 こっちはロックシェード無し。
 前日に雨が降ったので、
 天井からしずくが落ちています。
 外を見ると
 山の中のような雰囲気ですねぇ。
 それに水の流れる音が・・・
 滝かな?

 

 荒々しい!
 素堀り隧道はこうでなくっちゃ。
 それによく見ると、
 左の岩に赤いペイントが・・・
 これって、
 崩れる危険のある所に書いてある、
 崖っぷちでよく見るアレですか?
 なにげに危険ですよ。

 
 ちょっと離れてみると
 いい感じです。
 パイプの手すりが歩道らしいです。
 白い物は新しいものだろうけど、
 その外にあるのはかなり古そうだ。
 鉄の鋳物のようで、
 花の模様があります。
 上の部分に輪っかがあるので、
 木の棒でも挿してあったのでしょう。
 歴史を感じます。
 
 おおっと、
 隧道を出るとそこは九十九折が・・・!
 いつの間にこんな高い所に?
 下を見ると川が2本流れてます。
 途中でさっきの川が分かれてるみたい。
 さっきは県道が高い位置にあったのに、
 今は下の方にある。
 …県道が坂道だからですね。
 
 単なる歩道と言うより、
 遊歩道と言った雰囲気があります。
 路面は結構古ぼけてるけど、
 落ち葉がどけてあって
 整備はされてるようです。
 
 もうすぐ県道に出ます。
 その手前に橋が2本あって、
 向こう側の橋の下は
 大きな段差があり、
 川が滝になってます。
 橋の上からその滝を見下ろすと…
 高っっ!
 ちょっと怖かった。
 
 さて、今来た道を
 振り返って見てみましょう。
 知らなきゃ隧道があるなんて
 わからないですね。
 なんて考えてたら第一町人発見。
 どこに行くのかと思えば、
 今わたしが来た道に入ってった。
 と、いう事は、
 ここは普通の歩道だった訳ですね。
 …料亭は関係ナイんじゃん( ̄▽ ̄)
[2009年1月現在]

「Yahoo!地図」で見ると、隧道がまるで料亭の敷地内にあるように見えたのですが、
結局関係のない、ただの歩道だったようです。
それと「四笑庵」の看板の文字が達筆すぎて読めなかったので、ネットで調べていたところ、
「虎渓三笑」と言う単語が出て来ました。
中国の故事で、晋の慧遠(えおん)法師が、廬山の東林寺で行を積んでいて虎渓を渡るまいと誓ったが、
訪ねてきた陸修静・陶淵明を送り、話に夢中になって虎渓を渡ってしまったのに気づき、
三人ともに大いに笑ったというもの。(エキサイト辞書より)
廬山と言えば、多治見市にある虎渓山は中国の廬山の虎渓に似ている事から
虎渓山と名付けられたそうですが、ここも古“虎渓”なので、
「虎渓三笑」から付けた名前なのでしょうか?
虎渓より一字多い古虎渓なので“三笑”ならぬ“四笑”なんだろうか?
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