【愛知県・豊田市-東大見発電所の吊り橋】
愛知県豊田市の山奥の発電所と取水堰のある場所に架かる吊り橋です。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 
 ここに吊り橋があるかも?
 って所の近くにも
 なんかそれらしい物が
 空中写真に写っていたので
 ついでに探して来た物件です。

 国道420号線の近くに、
 これは絶対吊り橋でしょ?
 って予想をした物は大外れでした。
 で、もうひとつの方に来ました。
 県道364号線脇にある、
 東大見発電所です。
 県道の横に広い空き地があったので、
 ここにバイクを置いて
 いざ探索へ。
 
 探索と言っても、
 上から見えちゃってますが…
 いや、そんな事より
 やっぱり吊り橋だった!
 立派なモノが架かってますよ。
 

 発電所の施設の一部なので
 金属製のガッチリしたもんです。
 ああ、でも、フェンスがあって
 ガッチリ立入禁止になってる。
 まあ、しょうがないですね。
 横に立つ標識には0.1tの文字が…
 つまり100kgまでしか渡れない?
 標識の下の板にも
 0.1t以下と書いてありますので、
 関係者であっても、重い人は渡れません。

 
 横の方から全体を見てみよう。
 上を歩いたらよく揺れそうだ。
  渡れないけど。
 そう言えばここには発電所だけじゃなく、
 取水堰もあります。
 「神越川えん堤」だそうです。
 橋桁のすぐ下に水が流れてますよ。
 目の前のゲートから突然
 水が出て来ることがあるそうな。
 気を付けましょう。
 
 渡れないけど、
 ゲートの隙き間から撮影してみた。
 オール金属製の橋かと思ったら
 床板は木の板でした。
 板の上にはダメージ軽減の
 ネットが張ってあります。
 なら、全部金属製にすればイイのに。
 
 橋が渡れないので、
 しかたなく河原に下りてみます。
 主塔のある広場から河原までは
 結構な急斜面ですが、
 なんとか下りて来ました。
 一面に花崗岩の岩が転がる
 「ゴーロ」と言う状態です。
 右はじに取水堰がちらっと見えます。
 
 場所を変えてもう1枚。
 この橋は対岸の水路や、
 送電線の維持管理の為に
 架けられた橋なんでしょう。
 
 県道側はこんな様子。
 擁壁の石積みに歴史を感じます。
 すごい古そうです。
 いつ出来たのか調べてみたら、
 何と!明治44年だそうです!
 発電所の建物や施設は新しそうだけど、
 この石積みの擁壁は、
 明治時代に造られたのですね。
 

 取水堰は発電所の脇にありますが、
 小さいものです。
 面白い事に、河原の岩を取り込むように
 えん堤が造られてる。
 これってコンクリの節約のため?
 ここで水を取ってるので、
 川が流れてないです。
 おかげで水面が凍ってる。

 
 そう、今は2月の寒〜い時期です。
 岩のくぼみの凍った水たまりなんかも
 うかつに踏むと滑って危険です。
 でも、氷の下の閉じ込められた落ち葉は
 なんとも風流なもんです。

[2013年2月現在]

電力施設の吊り橋としては、特に見るべき所もない平凡な橋でした。
しかし、発電所の方は大変に古く、明治時代に建設されました。
東大見発電所は、明治44年(1911年)3月運用開始。最大出力550kwです。
現在の建屋などは後年に建て替えられた物ですが、石積みの擁壁は明治時代の物でしょう。
神越川えん堤は、賀茂発電所に水を送る為の取水堰です。
こちらの建設も古く、大正3年(1914年)6月運用開始です。
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