【国道363号線-線形改良・白岩廃道】
愛知県と岐阜県をつなぐ、快適国道363号線には、今だに旧態依然の酷道区間があります。
ここは瀬戸市白岩の、線形改良された国道の廃道部分です。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 

 とあるサイトで見てから
 ずっと探していた廃道です。
 そのサイトには、森の中に残る道と
 国道標識、おにぎりの姿が…
 ぜひ見た〜い。よね♪

 その見てみたい廃道の地図はこちら。
 ぜひ見てね→■周辺図■


 で、どこにあるのか調べてみた。
 大体の当りをつけて現地に行ってみたけど、
 これがまったく見付からない。
 古い地図や地形図にはちゃんと描いてあるのに
 実際の場所ではよくわからない。
 っていうか、それらしい道がありません。
 これは困った事です。
 そんなこんなで、しばらくほっておいたんですが
 思わぬ所に、場所が特定出来る物がありました。
 東海環状自動車道、通称MAGロードです。
 廃道のすぐ近くにこの道路が開通したおかげで、
 簡単に見付かりました。
 写真の場所がその廃道入り口です。
 

 上の写真では、右端に国道363号線の現道があり、
 そこから分岐する坂になった舗装路が旧道です。
 これ、どう見たって旧道には見えないよね?
 すっかり騙されてました。
 坂を上がって、すぐに左の様な景色が。
 なんとなく、どこかの私有地みたいでしょ?
 鎖をまたいで、いざ廃道へ。

 

 心配したけど、大丈夫。
 よく見掛ける廃道の景色です。
 そう言えば、以前見た写真は、
 どうやらここだったみたい。
 旧道の道筋は、2つのカーブを繋いだ、
 横倒しの「Z」の様な形をしていて、
 ここが東側のカーブです。
 反射板まであって雰囲気満点。

 

 おや?
 道路の外に誰か立ってる。
 って、見たままのお地蔵様ですが。
 村外れの峠なんかにある、素朴な仏様じゃなくて
 まさに仏像といった、立派な仏様ですね。
 よく見ると台座に「延命地蔵」とあります。
 片手に錫杖、片手に宝珠を持ってます。
 この形式は鎌倉時代からある
 伝統的な様式です。
 でも、これはずっと新しいもので、
 昭和三十三年ってある。
 ちなみに他の面には「交通安全」の文字が。

 

 カーブを曲がると、さらに廃な景色が…
 さすがに3ケタ酷道だった事はあります。
 と言っても、現道にも似たような所があるけど。

 

 警笛鳴らせ!!
 の区間中っていう標識。
 今や珍しい標識のひとつですね。
 珍しいと言えば、
 その他の注意〈!〉も珍しいけど、
 名古屋市内には国道の交差点ごとに
 立っているので、
 あまりありがたみが無いです。

 
 今来た方を振り返って
 警笛鳴らせの標識を見た所です。
 でもちょっと見にくい。
 ガードレールの前の積もった落ち葉が
 長い廃道歴を物語ってます。
 それにしても、左側の廃タイヤは不法投棄なの?
 誰よ捨てて行くのは!?
 
 短い廃道も、現道にぶつかって終わり。
 現・国道363号線の方が、
 少し高い所を通ってます。
 さらにその向こうには、東海環状自動車道の
 高架橋の橋台が見えます。
 
 突き当たりの斜面を上って、
 廃道の方を撮影してみました。
 路面をよく見ると、いくつか轍がついてます。
 こんな所に車が?
 って、これは多分工事車輌の付けたものでしょう。
 先の東海環状自動車道建設の際には
 この廃道が利用されていたみたいです。
 
 打ち捨てられた廃道から、
 出来たばかりの有料道路、東海環状自動車道の
 大きな高架橋が見えます。
 人間は何て大きな物を造るのでしょう。
 山の斜面がゴッソリ削られてます。
 古い道なんかは、ほっとけば自然に還るけど、
 こんな物は廃道になったら、どうするんだろう?
 って、今からそんな話をする?
 そう言えば、
 結局「おにぎり」は見付からなかった。残念。
 
[2005年7月現在]

ようやく探し出した廃道にしては、そんなに大した事の無い短い廃道でした。
この国道にはまだ他に、線形改良された廃道があります。
それらは小ネタにすらならない、セコネタなので、レポートはしないでしょう。
道ネタ「廃道」TOPへ…