国道21号線-土岐市廃道・旧道】旧道編
陶磁器の産地・岐阜県土岐市に薪やわらを運ぶために使われていた道。
北に中山道、南に下街道が通ります。
かつては荷物を載せた馬が通っていた国道。そんな道にある旧道を見て来ました。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 
 中央自動車道土岐インター北側、
 国道21号線の改良区間には
 廃道の他に、現在も使われてる
 旧道部分があります。
 空中写真で見ると、今でも通れそうな感じ。
 はたして旧道部分の現在の姿は??

 まずは地図で位置を確認→■周辺図■

 周辺図を見ましたか?
 見ましたね。
 ここは「HOTEL21はいきょ」の南側の
 旧道への入り口です。
 そうは見えないけど、ここが旧道です。
 では行ってみましょう。
 ホテルの横を抜けて少し行くと…
 道がありません。
 旧道は完全に森になってました。
 ここより東側の廃道よりも完璧に。
 という訳で、旧道探索早くも挫折です。
 
 しょうがないので
 もう一方の旧道の入り口から
 辿ってみる事にします。
 でもその前にせっかくなので、
 ホテルの廃墟をもう少し見て行きましょう。
 ホテルと言ってもビジネスホテルじゃなく、
 かつてはモーテルとも言われていた
 ラブホテルの廃墟です。
 
 ここは各部屋への入り口かな?
 ラブホテルの廃墟のわりには
 荒らされていなくて、
 落書きとかは無いようです。
 マイナーな物件だからでしょうか。
 不法投棄のゴミも無くて
 逆に廃墟らしさはイマイチ少ないです。
 今でも営業中なのかと錯覚しそう。

 あ。それと中に侵入してませんよ。
 あくまで旧道がメインなので♪
 
 これなんか面白い形をしてる。
 車を駐車する場所みたいだけど
 お客のためのものかな?
 まあどうでもいいか。
 ここはこれぐらいにして
 反対側の土岐インターの方から
 探索します。
 


 ここは国道21号線と旧道が交わる所です。
 くわしくは周辺図を見てね。
 旧道へ入る所は、ちょっとわかりずらいけど、
 写真で見ると正面の喫茶店の看板と
 左端に写ってる車の間にあります。
 実際行ってもこれが国道の旧道だなんて
 わからないですよ?

 
 林道じゃないよね?
 でもすっかり、林道みたいですが…
 はっきり轍が付いてるので、
 車が通ってるようです。
 私は歩いて探索してます。
 途中で道が無くなってるしね。
 

 しばらく歩いたら、目の前が開けてきた。
 山の斜面に作られた畑です。
 里山の風景って感じです。
 どうやらこの畑の持ち主が
 車で入って来るので、
 旧道が生きてるようです。
 この畑は空中写真にも写ってます。

 
 里山の畑からすぐの所に
 赤錆びた鉄骨がありました。
 近付いてみたら、何かの建物の跡です。
 外壁が無くなった廃墟です。
 なんだろうか?
 倉庫か?車庫か?作業場か?
 手掛かりになるような物は何も無く、
 その正体はまったく不明。
 この廃墟も空中写真に写ってます。
 それが撮られた時は、
 まだ屋根があったようです。
 
 なぞの廃墟を過ぎると、
 旧道は枯れ草に覆われてしまいました。
 これは草刈りの跡なの?
 旧道上に生えた雑草を刈って
 そのままにして枯らしたみたいです。
 草刈りって事は、
 管理されてるって事ですね。
 それにしても不思議な光景だ…
 見た目以上に枯れ草が厚く積もってます。
 
 こんな所にも国土調査のピンクリボンが。
 それに簡単な造りながら、
 石垣があります。
 
 着実に「HOTEL21」に近付いて来たけど、
 ここに来ていきなり終了。
 小さな手作りの橋が架かっていて、
 その手前にロープが張ってあって、
 入山禁止になってます。
 どうやら私有地のようです。
 ここから先は酷く薮化してそうだし、
 探索はここまでとします。
 
 でもまあ、引き返す前に
 もう少し見て行きましょう。
 木材を4本渡しただけの、簡単な橋です。
 ここがかつて国道だったなんて
 信じられない景色です。
 こんな薮になった場所の
 何が入山禁止の理由なのかと
 考えちゃいます。
 
 “国道21号線と旧道が交わる所”に
 戻って来ました。
 見ての通り、現国道が旧道を貫いてます。
 今度は現道の向こう側に行ってみましょう。

 左に見える建物はホテルです。
 こっちは真面目なビジネスホテルですよ。
 このホテルは、旧道が現役だった頃から
 営業していそうな雰囲気だけど、
 意外にもこの道が旧道落ちした後に
 建てられた物のようです。
 
 ここにはビジネスホテルの他に
 建設会社もあるので、
 きっちり舗装もされています。
 普通に通りやすい道です。
 でも、左側の家によく吠える犬がいる。
 落ち着いて歩いてらんないね。

 旧道は再び林の中に入って行き、
 左にカーブしつつ
 もう一度現道に合流するため
 坂で下って行きます。
 
 カーブの途中にこんな石があった。
 丸くてなんか変わった石だと思って、
 よく見てみたらこれ、石仏の台座だ。
 お地蔵様とかが乗ってる
 蓮台と言う部分です。
 石仏の本体は無くて、
 これだけ転がってました。
 上に乗っていた仏様は
 どこに行ってしまったのか?
 ちょっと気になりますね。
 
 旧道は下って行き、現道に出て来ました。
 左に立ってる看板は、
 先程のビジネスホテルの物です。
 こんな位置にあるって事は、
 この細い旧道から入って来いっていうの?
 
 現道に出て来たけど、
 合流というよりは、
 旧道が現道をかすめるような感じです。
 この広い場所が旧道の路面ですが、
 現道のパーキングスペースとしても
 使われているようです。
 そのため、広くきれいに舗装されてます。
 旧道の方は目の前の切り通しを抜けて
 右に曲がって行きます。
 
 ここなんかきれいになってるけど、
 旧道の現役時代の雰囲気に
 いちばん近そう。
 山の中をこんな細い道が通ってたなんて、
 まさに酷な道、酷道ですね。
 
 さらに下って行くと、
 数軒の民家が立ち並んでいる所があります。
 ここも旧道の現役時代から
 建っていた住宅です。
 長家のような家を過ぎると、
 旧道は左に直角に曲がって
 土岐市の市街地まで真直ぐ南下して行きます。
 しかし、ここから先の旧道は、
 中央自動車道の土岐インターのおかげで、
 道筋が変わってます。

[2006年2月現在]

廃道と、使われている部分が混在している旧道でした。
「道」という物が、どのように人の生活にかかわっているのかがわかります。
もう必要とされない所、一部の人間に使われている所、地域住人の生活の場としての道路。
今はただの細い道でしかありませんが、国道であったという事を知っていると
また感慨深いものがあります。
道ネタ「廃道」TOPへ… 廃道編へ戻る…