【岐阜県山県市・馬坂トンネル廃道】
岐阜県山県市の新しくきれいなトンネルの横には、地図上にはっきり描かれた廃道があります。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 
 地図を見ると
 トンネルの横に細い道が…
 このパターンは廃道化の確率が高いので、
 行く前から期待は大きいです。

 周辺図はこちら→■周辺図■

 国道418号線から国道256号線に入り
 岐阜市に向かい南下すると
 間もなく馬坂トンネルへの分岐が現れます。
 そこを左に曲がり
 やって来たのがここです。
 この道は市道でしょうか?
 2車線のきれいな道です。
 さっそく目に飛び込んで来た旧道。
 いい〜ですね。
 黄色い花が咲いてますよ。
 地図によると旧道はトンネルの左側を越えてます。
 いざ旧道へ。
 

 セイタカアワダチソウが咲く道を少し行くと、
 道は左にカーブして行きます。
 でも何だか薮が激しくなって来ました。
 薮どころか道筋すらよくわかりません。
 何とか道らしき所を探してみると、
 道はどんどん下がって行ってしまいます。
 あれ?峠を越えるはずなのに
 何で下って行くの?
 下るどころか左側の森の中に向かって
 道は延びて行きます。
 …これって違うの?
 だって立派なガードレールが付いているし…
 やっぱり間違いですね。

 
 しょうがないので、トンネルの反対側から
 旧道を探す事にします。
 で、走り出してすぐに道が!
 こちらが正真正銘の旧道のようです。
 さっきのは何だったんでしょう?
 すっかり偽旧道に騙されてしまいました。
 今になって考えてみれば、
 さっきの行き止まり廃道は
 車道にしては狭かったですね(;^ω^)

 ここから見ても旧道は上って行くのが見えます。
 
 う〜ん、やっぱり廃道はこうでなくっちゃ。
 旧道に入ってすぐにこんな状態に。
 けっこうな坂道です。
 ここで振り返って後ろを見ると
 椎倉の家々が見えます。
 2004年は各地で熊の被害が多発した年なので、
 今回は探索時に熊避けの鈴を使います。
 歩くだびにカランカランと
 人気の無い森に金属音が響きます。
 獣の気配は感じられませんが、
 一応用心しないとね。
 

 まだまだ上って行きます。
 路面を見ると、車の轍が…
 こんな所まで車で来る人がいるの?
 写真じゃきれいに見える路面ですが、
 場所によってはぬるぬるで
 滑りやすい所があります。
 もう高さで20mぐらい上がって来たかな?
 道はほとんど直線で一気に峠に向かいます。
 これって結構きつい道だったんじゃあ…
 今の車の性能なら何でも無いでしょうけど、
 昔の車では大変だったかも。

 

 もうすぐ峠に到着という所で倒木です。
 やっぱりありましたね(^ω^)
 左右の森から木々が雪崩れ込んでいます。
 落ち葉が路面に堆積して、
 腐葉土の層を造ろうとしています。
 何だか化石の出来る
 初期段階を見ているようですね。

 いや、そんな事より
 通り抜けられるんでしょうか?
 ちょっと不安。

 
 もうすっかり植物に埋もれてます。
 ここはどこの山道?
 天神様のではないようです。
 峠にはブロック製の祠に
 お地蔵様と馬頭観音、
 それに金神が祀られてます。
 金神(こんじん)とは聞き慣れない神様ですが、
 地蔵・観音と違い、人に害なす祟り神です。
 うかつに扱うとやばい神様です。
 でも峠は荒れ放題なんで大丈夫?
 神様の機嫌損ねてそう。
 
 あら?こんな所に車が…
 誰かいるの?
 ってこれ不法投棄の車じゃない!
 ナンバープレートが引きちぎられてます。
 きれいで新しいめの軽自動車だけど、
 なんて勿体無い。
 最近捨てられたみたいね。
 車種はスズキのセルボモードです。
 平成6年ぐらいの年式なので、
 10年落ちってトコ?
 そう言えばセルボって今は無いですね。
 
※2004年現在
 
 峠を越えてもまだ荒れてます。
 道に散らばってる白い物は落ち葉です。
 ごみじゃありません。
 道はどんどん下って行きます。
 
 開けた所に出たら、旧道もあと少しで終わり。
 さっきまでの荒れ放題の道が
 嘘の様にきれいになってます。
 前には民家が見えて来ました。

 結局通り抜けられる事が出来ました。
 よかったよかった。
 
 トンネルの北側に出ました。
 こちら側は通行止されてなくて、
 車でも入れる状態です。
 南側よりわかりやすいけど、
 こっちから来たら
 間違い無くバイクで侵入してしまいますね。
 で、峠の惨状を見てびっくり。
 反対側から来てよかったってことですね。
 帰りは馬坂トンネルを通って行きます。
 こちらは広くて快適ですよ。

[2004年11月現在]

短いながら、期待を裏切らない廃道でした。
廃道らしいシチュエーションに溢れていて、お手軽に廃道体験が出来ます。
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