【岐阜県・県道257号線-未成道路・附出橋】
岐阜県揖斐川町春日、合併前は春日村と言いました。
その春日を南北に通る県道257号線を南下していたら、工事中の新しい橋がありました。でもそれは…
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 
 地図を見ていて
 ここは行ったコトないな〜
 ってな訳で、ちょっくら行ってみました。
 山の中のそこそこ狭い県道で、
 ネットで見た事のある鉱山廃虚を見付けたり、
 まったり走っていました。
 そんな時、山の中には似つかわしくない橋が…

 県道257号線はけっこう走り易い道です。
 この先に「さざれ石公園」があるので、
 整備されているみたいです。
 この県道をこのまま進むと、
 岩手峠を越えて関ヶ原に抜けれます。
 でも、今日はそこまでは行かずに
 途中で引き返します。
 と、こんな所で通行止だよ。
 新しい橋が建設中なのかな?

 ・・・いや、ちょっと様子がヘン。
 
 新しくないよね、これ。
 バリケード古そうだし、
 矢印の標識も光を反射しない古いタイプだ。
 通行止のはずなのに、
 「ご用の方はゲートを開けてお入り下さい」
 なんて書いてある。
 動かしづらそうなバリケードなんだけど…

 それに、橋の向うは何だか怪しい感じが…
 
 こーやって見ると、
 橋はすでに完成してますね。
 名前は「附出橋」
 1997年3月に出来てます。
 11年前ですね。
 何か理由があって通行止されてるのだろうか?

 …いやまあ、その理由は
 ここからでも見えてるんですが。
 
 今回のレポートの核心にふれる前に、
 現道と見比べてみましょうか。
 左の道が県道257号線ですね。
 車で通るとちょっと走り辛いなっていう幅です。
 新しい橋は充分に2車線はあります。
 左側の斜面の上に建つ家は、
 「古屋」の集落です。
 この画像は別窓で少し大きな画像が開きます。
 
 ちょっと様子がヘンで怪しい理由はこれ。
 道が出来てません。
 いや、道はあるけど
 薮に埋もれてる。
 薮とアスファルトが
 気持ち良いほどスッパリと分かれてるね。
 廃道・・・ではなく
 これは未成道路ですよ!
 つまり、造りかけの道路ってわけです。
 
 こりゃあ、
 10年以上もほったらかしだったんでしょうね。
 薮のレベルが2〜3年なんてもんじゃありません。
 なんといっても、倒木がそのままです。
 やる気ナッシングってか?
 もうあとアスファルトを敷くだけなのに、
 何で放置されてるんだろう?
 1997年になにがあったの?
 90年代・・・といえば、バブル景気の頃だ。
 バブルの崩壊が原因なんだろうか?
 
 バブルでウハウハの時に
 立派な道路を造ろうとしたけど、
 バブルがはじけて資金難で建設中止。
 そして10年以上の放置プレイ。
 …なんて事があったんだろうか?

 進むにつれて薮は増々酷くなってきます。
 もう、どこが道だか崖だか・・・
 ちなみの、左側に見える家は
 県道の向うに建ってる家です。
 薮や木の隙間から見えてるわけですね。
 
 道は完全に薮に埋もれちゃったけど、
 なんとか… なんとか前進します。
 進むたびに狭くなってくので、
 崖の方に上がってみます。
 ん〜〜… どうやらここまでらしいです。
 もう先に道は無いように見える。
 あってもこれじゃあわかりません。
 と、言うわけで探索はここで終了。
 
 帰りは別のルートから行きましょう。
 途中から集落に向っている
 細い道がありました。
 そこを下ると鉄板の小さな橋があり、
 現道の県道257号線に出れます。
 この道は、山の中の保安林に行くための
 道らしいです。
 そういえば、この川には
 他にもこんな橋がたくさんあった。
 

 最後に現道から見た
 未成道路と附出橋の姿を・・・

 こんな山の中の集落には不釣り合いな程の
 立派な橋。
 北側から走り易く整備されてきた県道が、
 ここに来て力尽きたみたいです。
 狭い集落内を迂回できるはずだった道。
 ここに住む人達の目には
 どんな風に写ってるのだろう?


[2008年5月現在]


偶然見付けた物件ですが、何やら複雑な背景を持ってそうな未成道路と橋でした。
何の役にも立たないまま、放置され続けるのでしょうか?
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