【静岡県・川根本町-久野脇橋(塩郷の吊り橋)】
「塩郷の吊り橋」として、地図にも載っている久野脇橋。
観光地にもなっている有名吊り橋に行って来ました。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 
 観光地にもなってる有名吊り橋だけど、
 一応おさえておきましょう。
 長くて揺れる吊り橋ならば、
 渡っておかなくてはね。
 しかも、線路の上から
 SLが見れるかも? です。

 出来たばかりの新東名を通って
 やって来ました川根本町。
 国道473号線から
 県道を走って来ると
 ここに着きます。
 吊り橋が線路と道路を横切ってます。
 これが塩郷の吊り橋こと久野脇橋です。
 やっぱり人が多いです。
 観光地なので駐車場完備で安心。
 
 長いですねぇ。
 220mもあるそうです。
 長野の桃介橋より短いですが、
 主塔と主塔の間は
 こちらの方が長いです。
 しかも垂れ下がってるし。
 
 すでに何人か渡ってるけど…
 揺れてる揺れてる。
 そろばん板の吊り橋は
 やはり揺れます。
 これはぜひとも体験しなくては。

 それと、このページのURLが
 engoh(えんごう)になってるけど、
 正しくは「しおごう」ですよ。
 
 久野脇橋は民家の上を越えてるので
 こんなアングルで撮れます。
 自分の家の上を
 大勢の観光客が歩いてるのって
 どんな感じなのだろう?
 橋を歩く際は、
 ゴミを捨てないようにしましょう。
 

 県道から階段を上がって来ました。
 いつもの探索と違って
 今日は人だらけだ。
 200m級の吊り橋にしては
 主塔が小さめだ。
 なぜだか橋の前にベンチがあるよ。

 
 観光地なので注意看板があります。
 お決まりの人数制限ですね。
 1m以上の間隔を取り
 10名程度で通行してって書いてある。
 渡る人の間隔まで注文されたのは初めてだ。
 それと「恋金橋」ですって?
 愛称を募集したってあるけど、
 どんだけ名前を付けるのよ。
 しかも、恋愛成就スポットにしようとする
 魂胆がみえみえだね。
 

 むむ。主塔の下になにやら石碑が…
 「奥大井サスペンスブリッジ恋愛事件」
 「捜査資料」とある。
 テレビドラマ関連の物?
 と、思ったら、川根本町商工会青年部が
 2009年に行なったもので、
 町内の吊り橋を使った客集めだそうな。
 指定された吊り橋で撮った写真で
 ホテルの宿泊料が割引されたんだって。
 対象が男女ペアなんで「恋愛事件」なんだ。

 
 まあ、そんなものはほっておいて、
 さっそく渡りましょう。
 とは言え、床板が狭いので
 渡ってる人が渡り終えてからじゃないと
 渡り始める事が出来ません。
 戻って来る人達がいるので
 しばし待ちます。
 あ。だからベンチがあるのか。
 
 では渡りましょうか。
 橋桁の下に民家の屋根。
 なんとも不思議な光景です。
 これって、“橋の下に住んでいる”
 って事になりますね…
 
 思った通りよく揺れます。
 上下だけじゃなく、左右にも揺れます。
 カメラで撮影しながら歩くと。
 手すりのケーブルを掴めないので、
 たいへん歩きにくいです。
 ここで県道と鉄道を見てみましょう。
 これは南側です。
 画面中央にバイクがいるあたりが
 観光客用の駐車場です。
 線路の方は大井川鉄道で、
 駐車場の前に「塩郷駅」があります。
 
 これは北側。
 遠くに見える橋のような物は、
 塩郷ダムです。
 列車が通るかもって期待したけど、
 SLどころか、普通の列車も来ないです。
 まあ、運転本数が少ないので
 しょうがないのですが。
 
 200mもの長大吊り橋にしては、
 ハンガーケーブルがしょぼい。
 これでよく支えられてるもんだ。

 塩郷ダムはここからの方がよく見える。
 ダムと言っても、取水堰なんですが。
 かつてこれのおかげで、
 大井川の水が干上がったそうな。
 今でも少なめですね。
 
 だいたい中間あたりです。
 板2枚分広いのは、
 すれ違いのためです。
 なので、前から人が来たら
 ここで待っていなくてはなりません。
 
 県道と鉄道側も見てみよう。
 220mの中間なので
 110m程あります。
 岸が遠い。
 これで下が深い谷だったら
 すごい恐い事でしょう。
 
 久野脇橋の床板は、
 そろばん板によって支えられてますが、
 画面で床板の下に敷かれてる
 大小の細い板が“そろばん板”ですね。
 沢山並んだ敷き線の上に載ってます。
 で、そろばん板の上に乗ったら
 どんなんだろう?
 これが思いのほか弱そうで、
 足を置いたら曲がりそうだった。
 
 ようやく対岸に着きました。
 長いのと、急いで歩けないのとで
 けっこう時間がかかりました。
 こちらの主塔は木に覆われてます。
 いつ出来た橋か分からないのですが、
 コンクリートでこのデザインは
 長い歴史が感じられて萌えますね。
 
 ここまで来るとようやく
 本名が分かるのです。
 「久野脇橋」
 下心みえみえの「恋金橋」に比べて、
 こちらの方が“しっくり”きますね。
 あるべき姿ってやつですよ。
 結局タイミングが悪くて
 橋の下を列車が通る事はなかった…
[2012年9月現在]


「久野脇橋」は、通称「塩郷の吊り橋」として知られる観光用の吊り橋です。
1937年(昭和7年)に、塩郷と久野脇の集落を結ぶ橋として造られましたが、
車を使う人が増え、橋を渡る人が減ったため、
観光用の吊り橋として、昭和58年に同じデザインで架け替えられたそうです。
全長220.4m、床板の幅は50cm、川面からの高さは12m程あります。
ちなみに、利用者の為の注意看板に不自然な空白がありますが、かつてここには
「安定計算上、体重70kgの人が2m間隔で110人までのることが可能…」とありました。
計算上とはいえ、こんな華奢な橋に7700kgもの重量が載せられるのでしょうか?
あくまで紙の上の計算の話なので、注意看板には不適切として削除されたのでしょう。

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