【愛知県・豊田市 - 足助発電所水路橋】
紅葉の名所・香嵐渓の西側には足助発電所があります。
そこに水を送る水路には、想像以上に立派な水路橋がありました。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント

 

 足助町の巴川沿いに
 発電用の水路があるのは知ってたけど、
 まさかあんな立派な水路橋が
 あるなんて…


 国道420号から県道362号線に入り
 橋を渡ってすぐ右折した所から
 山に上る道を行きます。
 水路橋に行ける道を探しながら
 歩いて行きます。
 おや?5.5tの標識が。
 道幅じゃなくて重さ?
 などと思いながら歩くと、
 水路橋に到着。
 
 なるほど、5.5tはこの橋の事ね。
 水路にフタをするような橋があります。
 そもそもこの道に
 5トンを超える車が通れるか
 疑問ではありますが…
 
 当然のように水路には柵があり、
 立入り禁止です。
 しかも水路の上にはネットが張ってあり
 人や動物が落ちないようになってます。
 奥の方を見ると
 アーチになってる所が見えます。
 これは期待できますよ。
 

 さて、どうやって下に行こうと
 周りを探ってみたところ、
 橋の横に階段があった。
 階段と言っても
 登山道にあるような
 プラスチックの板を
 斜面に差し込んであるだけの物ですが。

 
 おお〜〜素晴らしい!
 コンクリじゃなくて
 石積みのアーチ橋ですよ!
 橋の下は雑草も少なくて
 歩きやすそうです。
 ひょっとして草刈りされてる?
 

 大層立派なアーチですよ。
 でも、アーチの裏側が
 コンクリで補修されてます。
 型枠の跡があるので、
 枠を組んでコンクリを流し込む
 大掛かりな補修だったようです。

 
 振り返ってみると
 斜面にどっしりと
 橋がくっついてますね。
 それと、積まれた石材の隙間に
 コンクリが詰められ
 さらに線が彫ってあります。
 

 次のアーチは補修は無し。
 これがオリジナルの状態ですね。
 とても重厚な作りです。

 
 二番目と三番目のアーチの間の橋脚。
 一番目と二番目のアーチは
 左右比対称でしたが、
 ここは左右対称になってます。
 しかも水路橋自体カーブしてるため
 何気に複雑な構造ですよ。
 
 三番目のアーチの下には、
 川が流れてました。
 おかげでこの先には行けませんが、
 なんか不思議な構造物がある。
 ナニコレ?
 

 川をのぞいてみると
 水路になってます。
 斜面の延長が壁のようになってるけど、
 洪水対策でしょうか?

 
 下流側にも壁があります。
 
 アーチの下をくぐって
 反対側に出てみました。
 こちらからだと
 橋の姿がよく分かる。
 不思議な壁のあるアーチと
 その次の四番目のアーチが見えます。
 壁には梯子が装備されているし
 その向こうには、
 円錐形に石が積まれた物体があります。
 
 ここでようやく水路橋の
 全体像が分かります。
 すんばらしいじゃないですか!!
 しかもこれ、
 大正時代に造られた橋ですよ!!!
 豊田市の山の中に
 こんな石アーチ橋があったなんて。
 

 あとひとつ気になる物があった。
 あきらかに人工的で、
 石かコンクリで造られたような
 道?が下流の方に延びてました。
 これはいったい何だろう?

[2020年5月現在]


足助発電所は大正8年(1919年)10月に、運用開始されました。
巴川の取水堰より取水された水は、香嵐渓の南の山の中を通り、
落差約70mを下って発電した後、再び巴川に放水されます。
現在は中部電力の所有となっております。

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