【愛知県・伊勢湾岸自動車道-豊田アローズブリッジ】
愛知県の豊田市から三重県の四日市市まで、自動車専用道路・伊勢湾岸自動車道が結んでいます。
名古屋港を通る所には、「名港トリトン」などの大きな橋がありますが、
矢田川にも巨大斜張橋・矢田川橋、通称「豊田アローズブリッジ」が架かっています。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 
 信じられないような姿をしたその橋は、
 民家や畑がある、
 何でも無い風景の中にあります。
 「すごい」って言う以外に、
 表現する言葉がありません。
 今回はできたての最新物件です。
 取り敢えず見てね。
 場所はここ→■周辺図■

 これが豊田アローズブリッジの全景です。
 巨大な塔が地面から生えてるように見えます。
 この橋は、塔の両側から延ばしたケーブルで
 橋桁を吊る、斜張橋と言う橋です。
 正式には「4径間PC・鋼複合斜張橋」
 全長820m、主塔の高さは110m、
 橋桁の幅は約43mです。
 橋の向こう側の端っこは、
 はるか彼方です。

 ←こんな小さな写真じゃよくわかりませんね。
 クリックすると別窓で大きな画像が開きます。
 

 2005年12月現在には、まだ周囲は工事中です。
 アローズブリッジ自体は2005年3月には
 完成していました。
 実はこの年に愛知県で開催された、
 「愛・地球博」の開会に合わせて
 工期を短縮して急いで造ったそうです。
 大変ですね。

 ちなみに「アローズブリッジ」の名前は、
 一般公募で決まったそうです。
 知ってたら応募したのに… 残念。

 
 ここがアローズブリッジの端っこです。
 右上の金属製の橋桁は高架橋の物で、
 アローズブリッジは橋脚の左側の
 コンクリートの物です。

 橋脚の表面には特徴的な模様がありますが、
 この橋の基本テーマが「水」なので、
 これは流水模様なのでしょう。
 主塔にも同じ模様があります。
 しかし大きな物です。
 間近で見れるのでいっそう大きく感じます。
 

 2つ並んだ橋脚の間から主塔側を見てみました。
 この橋桁が43mもの幅があるんですよ。
 箱桁を5つも並べた「5室箱桁構造」です。
 しかも低い位置にあるので、
 けっこう圧迫感があります。
 それに、よ〜く見ると、橋桁が右に傾いてます。
 この橋が緩やかにカーブしてるからだろうか?
 1枚目の写真を見ると、
 カーブしてる様子がわかります。

 

 橋桁が低い所を通ってるので、
 こんな物もズームなしでも写せます。
 これはどうやら、橋桁の裏側に行くための
 点検用の階段みたいです。
 出来たばかりの橋なので、
 どこもかしこも新品です。
 それと、橋桁の横にあるでこぼこは、
 波形鋼板ウェブと言う物で、
 これを使った波形鋼板ウェブPC橋として
 世界最大の物だそうです。

 

 橋から少し離れると、
 昔ながらの住宅地になります。
 お寺ごしに見ると、
 何とも不思議な感じです。
 20世紀と21世紀が同じ風景の中にあります。

 

 主塔を真下から見上げてみました。
 ・・・でかっ!
 いえ、ものすご〜〜〜く、大きいです。
 普通この手の橋って、橋脚は川の中にあって
 近くからは見れないじゃないですか?
 それがここでは、こんな近くで見れます。
 それにさわれます。
 急いで造った割には、いい仕事してます。

 こうやって見上げてると首が痛くなってくる。
 でも時間を忘れて、ずっと見ていたくなります。

 脇には透明な板があるけど、
 これは防音壁だろうか?
 それと、ケーブルの根元に照明用のライトが
 2個付いてるけど、これの点検用に
 下から登って行くためのはしごがあります。
 吹きっさらしなので、恐そう…

 
 主塔を真横から見上げるとこんな感じ。
 まるっこいですね。
 中央の溝の所に、さっきのはしごがあります。
 と言っても下からは行けませんが…
 上に見えてる外に張り出した通路から
 はしごの下に行くようです。
 すぐそこにあるように見えますが、
 15mぐらいの高さにあります。
 
 まるで地を這うような橋桁。
 あれ?真ん中にも橋脚がある。
 こいうのって珍しくない?
 いや、そんな事より
 橋の下にこんなに地面があるんだから、
 わざわざケーブルで吊らなくても
 橋脚をたくさん立てればいいのに。
 でもまあ、かっこいいからいいか。

 普段古い橋ばかり紹介してるけど、
 こんな最新の物件もいいかも?
 
 さて、矢田川を渡って
 先程まではるか彼方だった
 もう一方の主塔の下に来ました。
 こちらは丘の中腹にあります。
 
 
 丘だった所は、削られてまっ平らになってます。
 さっきより橋桁が高い位置にある。
 どうやらこの道自体、坂になってるようです。
 この先は豊田東ジャンクションになっていて、
 東海環状自動車道と繋がってます。
 将来的に伊勢湾岸自動車道は
 第二東名の一部になります。

 でも、この平らなスペースは
 どうするんだろうか?
 このままじゃこの土地もったいないよね。
 グランドでも造ったらよさそう。
 雨に濡れないだろうね。
 [2005年12月現在]

こんな物凄い物が造られていたなんて、つい最近まで知りませんでした。
豊田市には他に、橋とは思えないようなデザインの「豊田大橋」があります。
こちらは、かの黒川紀章が設計した、ニールセンローゼ橋です。

こんなサイトを見付けました「中原博物館-矢作川アローズブリッジ建設現場から
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