【岐阜県・中津川市-旧・阿木橋】
岐阜県中津川市阿木にある、奇妙なコンクリ・ハイブリッド橋。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント

 
 明知鉄道阿木駅の南東側、
 国道363号から
 県道406号線に入って
 阿木川に出たらすぐ。
 農協の目の前にあります。

 阿木川を渡る阿木橋から
 今回の旧・阿木橋が見えます。
 でも、何か変です。
 コンクリと金属の
 ハイブリッドになってます。
 もっと近くで見て来ましょう。
 

 上の画像で
 県道が通ってるのは右側で、
 この画像は県道から見たもの。
 親柱のある普通の橋です。
 磁器製の銘版には
 「阿木川」と書かれてます。

 
 けっこう広くて、
 車が通れた橋のようです。
 親柱の所が広がってるのも
 狭い道で車が曲がれるように
 なってるのでしょう。
 
 川の中ほどに来ると
 おかしな事になってます。
 突然幅が3分の1ですよ。
 これは落ちた橋の代わりに
 鉄橋を架けたのかな?
 
 でも、それは違うのです。
 橋が半分無くなったんじゃなく、
 元々ここまでしかなかったのです。
 その証拠に、
 こんな所に親柱があります。
 「あぎはし」と書かれた
 銘版が残ってます。
 
 反対側には
 「昭和十三年十二月竣功」
 1938年に出来た橋です。
 戦前になりますね。
 79年も前です。
 (2017年現在)
 親柱が宙に浮いてるようで
 奇妙な光景です。
 
 ここから先は、
 岸だったわけです。
 水害で削られた所に
 臨時に架けた橋が
 今まで残っているのです。
 
 いかにも仮設という感じですが、
 本格的なトラス橋です。
 上路プラットトラス橋という
 種類のトラス橋です。
 親柱の下は橋台のはずですが、
 橋脚に造り直してあります。
 
 トラスはリベットで
 組み立てられた物で、
 歩行者用としては
 かなり頑丈そう。
 
 離れてみると分かるのですが、
 トラス部分は傾いてます。
 新しく造った所と
 高さが合わなかったんですね。
 
 ぐるりと回って
 元の場所に来ました。
 ここから橋脚を見ると
 橋台だった時の
 石積みが分かります。
 本来はあそこまでしか
 川幅がなかったわけです。

[2017年9月現在]

十二屋」というサイトで知った物件です。
昭和32年6月27日の水害で阿木川一帯が大洪水となり、岸が大きく削られたといいます。
岸の護岸工事をした後も架け替えられず、
取り敢えず歩行者が通れる橋を継ぎ足しました。
災害復旧で、車も通れる新しい阿木橋が造られたので、旧橋はあの姿のまま残されたそうです。
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