【上松町-中央本線 旧寝覚トンネル】
中央本線の旧線跡に残るトンネルのひとつです。
国道19号線の下に、ひっそりと眠る旧トンネルの様子はいかに?
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 
 2009年になって
 中央本線旧線跡の新たな廃トンネル発見。
 いえ…人様のサイトで見付けたのですが…
 まさかこんな所にトンネルがあったなんて。
 画像を見ると、
 なんだか入れそうな気がする。
 それってどんな場所?・・・■周辺図■

 国道19号線を北上して、
 上松町まで来ました。
 上松町と言えば「寝覚の床」が有名ですね。
 で、今回のターゲットは
 その寝覚の床の手前にあります。
 国道から寝覚の床美術公園へと行く
 坂道を下って来ると・・・
 あっ! あった。
 え?どこかって?
 ほら、左側の物置の後ろですよ。
 
 って言ってもわかりませんね。
 取り敢えず駐車場にバイクを置いて、
 近くまで行きましょう。
 ここまで来ればよくわかります。
 え〜と… 写真じゃ見えないですね。
 ゴミになったゴミ箱の向こうに、
 石造りのポータルがあります。
 きれいな状態で残ってます。
 
 きれいだけど埋ってます。
 しかもかなり危険な状態で・・・!
 地面はやわらかい土で、
 もろい上に、ポータルとの間には
 地面に見えて、その下は隙間という
 実にイヤらしいトラップ?があります。
 しかも有刺鉄線の残骸が
 安全地帯を通るのを邪魔してくれます。
 
 でも、普段は下から見上げる
 こんな場所が目の前にあります。

 さわれそう。
 でも、さわれない。
 

 さあ。
 トンネルの中はどうだろう?
 レンガと石だ。
 どこも崩れてなくて、いい保存状態ですよ。
 でも、中に入れない。
 普通、土砂でもって塞いである場合、
 トンネルの中にスロープが出来るけど、
 ここにはありません。
 それどころか大変な事になってる。

 
 トンネルの前に大きな岩を積んで、
 土止めのようにして
 その外側に土砂を盛ってる訳です。
 なので、トンネルの前に
 大きな段差が出来てるという事に…
 これ、下りれそうに見えるけど無理。
 ちょっとしたロッククライミングが必要。
 しかも、岩が崩れないという
 保証もないしね・・・
 
 さて、トンネルにはもうひとつ
 入口があるもんです。
 今度は南側に来てみました。
 滑川と中央本線の現役の橋が見えます。
 旧線はあの橋のこちら側、
 つまり西側を通ってました。
 と、言う事は、あの線路の近くに
 旧トンネルの坑口があるはず。
 でも、そこまでの道がある???
 
 川沿いの道を行くと、
 怪しい道が山の方に・・・
 しかし、そこは建設会社の敷地内です。
 しかも日曜日なのに仕事してますよ。
 こっそりと・・・
 無理ですね、犬がめっちゃ吠えてます。
 ちょうど中から人が出て来たので、
 見せてくれるよう頼んでみました。
 許可を得たので堂々と入れます。
 あった。ありました。
 すんなり見付かりましたね。
 
 地図を見ると、どこにも道が無いので、
 旧線跡は薮に埋もれて
 近付けないかと思ってましたよ。
 建設会社のおかげできれいに残ってます。
 まあ… 物置状態になってますが…
 トンネルの名前がわからないかと、
 銘板を探しましたが
 残念ながらありませんでした。
 
 向こう側が見えないのは、
 カーブしてるからですね。
 冷たい風が吹き出てきます。
 大きなパイプがいっぱい置いてあって、
 ちょっと入れません。
 強引に入っても、同じ景色が続くだけなので
 これにて終了。

[2009年4月現在]


片方は埋もれ、もう片方は建設会社の敷地内。
知らなきゃ絶対見付けられない場所にあるトンネルでした。
上松駅が明治43年開業なので、このトンネルも明治に造られた物でしょう。
上松-小野ノ滝信号所間は昭和44年に複線化されているので、
旧トンネルが廃止されて、40年もたっている訳です。
ちなみに今回のトンネルを知ったのは、「肉団子の廃線紀行」というサイトの情報です。

・・・このトンネルはかの「鉄道廃線跡を歩く」にも掲載されています。

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